なぜ3月に廃車の駆け込み需要があるのでしょうか。
まず皆さんよくご存じのように税金の影響があります。
まず軽自動車。軽自動車税はたとえ4月にお車を手放されたり、廃車されたりしても1年分の課税対象となります。一般的な四輪自家用乗用で、その額7,200円。しかも最初の新規検査から13年を経過した場合は、なんと12,900円となります。
その課税対象にならないためには4月1日までに軽自動車検査協会で名義変更や抹消登録をしないといけません。(軽自動車税の場合、4月1日中に手続きを終了させれば、課税の対象とはなりません)。実際に軽自動車検査協会はこの時期 ごたったがえします。一台だけの抹消登録に2時間も!なんてことも。
普通車も同様に4月1日の所有者もしくは使用者が課税対象となります(自動車税のは3月31日までに手続きを終了させないといけません)が、普通車はたとえば4月中に抹消登録をすると、4月分1か月分だけの納税で済みます。
たとえ、一旦、年税額分の請求が来て全額一旦お支払されても、後日11か月分の還付を受けられますし、もしくは個別に自動車税事務所に相談し、1か月分の納税用紙を再送付してもらうことも可能です。
しかし、まだ来年の税金もすべてかかると思われている方も多く、3月中になんとかというご要望も多いのです。
よって、いつもより月内抹消のための書類や引取の期限をいつもより早めに設けている買取業者が多いのです。
(ちなみに軽自動車検査協会も、陸運支局も平日の8:45~11:45 13:00~16:00と受付時間が限定されていますので、皆さん必死です!)
また、3月は引っ越しや転勤に伴うお手ばなし、車を購入したのが数年前の3月や4月でちょうど車検が切れるため乗換という方も多く、そういった方がどうせ手放すなら新規に税金のかからない3月中で廃車したいというニーズが出てまいります。
実際、3月はディーラーさんなどの決算シーズンでもあり、車を購入される方も1年で一番多くなります。
そんな状態ですので、ディーラーさんは車の販売に力を入れられ、また私たち廃車業者もにわかに廃車喚起を行いますので、どうしても皆様お手ばなしをお考えになる機会となるようです。
さて、この傾向、お車のお買取り価格などには影響するのでしょうか。
やはり3月は繁忙期ということで、どの買取店も買取強化をいたします。しかし、中古車相場は需要と供給の関係で4月以降夏場にかけて下落に転じることから、1月や2月に比べれば下落基調にならざるをえません。
しかし、良質なものについてはすぐに売れるという可能性もあり、「すぐに決めていただけるなら」という思い切った価格をつけること場合もございます。
ただ、このような状況ですので、引取の時間がいつもよりかかったり、細かい要望にはお受けできないということはどの業者さんでも発生します。
また、近年は人手不足ということもあり、実際引取までの時間は年々伸びてきている傾向にあります。3月は世間全般に忙しくなかなかお時間を取れないというのはどこも同じということです。2020年はコロナウイルスの影響も心配です。
従いまして、例えば、「まだ31日まで2週間もある」というよりは「2週間しかない」ということで、もし年度内に廃車登録やお手ばなしをお考えの方はお急ぎになられるべきとなります。
2020/3/7 更新