メルカリさんが6月からスタートした「車検証2次元コード出品」と合わせて、2019年8月1日より、車検証のQRコードもしくは実際の車のナンバープレートをスマートフォンのカメラ撮影するだけで大体の販売しやすい価格がわかる「かんたんクルマ相場チェッカー」機能をリリースしました。メーカー名や車種名などが自動的に表示され、そのまま出品もできるためかんたんに出品が可能となりそうです。でもこれってどういう仕組みなのでしょうか。
「自動車検査登録情報提供サービス」なるものを利用している
ナンバープレートを撮影するだけで車種などがわかるというシステムは普通車では一般財団法人 自動車検査登録情報協会が国土交通大臣から「登録情報提供機関」として登録を受け提供するサービス「自動車検査登録情報提供サービス」、軽自動車では一般社団法人全国軽自動車協会連合会が軽自動車検査協会より承認を受け提供するサービス「軽自動車検査情報提供サービス」のネットワークにアクセスし、一般事業者が利用できる照会サービスを利用して行われています。
もともとこのようなサービスがスタートした理由を簡単に言いますと、運輸局や軽自動車検査協会までわざわざ出向かなくても車検証情報を照会できるというサービスで、この仕組み自体は2008年よりスタートしているものです。もちろん利用には事業者としての登録や登録料・手数料の支払いが必要です。
撮影されたナンバープレートの画像を解析し、番号を特定の上、ネットワークにアクセスするといった形でこれを利用することで、車種や年式といった個人情報以外の内容がわかるというわけです。
もちろん、登録番号(ナンバープレートの番号)だけでは個人情報までは提供されません。ただし、登録番号と車台番号の両方ともに入力すると現在の車検証の所有者や使用者の氏名、名称なども提供されます。ただし、入手した個人情報の第三者への提供は禁止されていますので、アプリケーションですべてが丸々表示されるといったことなどはなさそうです。
*ちなみに軽自動車検査協会では窓口でも車台番号と登録番号を伝えても、本人以外登録情報を照会することはできません。
手数料については自動車検査登録情報協会のホームページより抜粋しましたが、特例などなければこれらをメルカリさんが払っているということになりそうです。
普通車の場合・・・
申込関係料金
登録料(1ID取得料を含む) | 864円/申込 |
提供サービス料金
基本料 | |
情報提供 | 5.076円/件 |
◎上記金額は消費税を含みます。なお、小数点以下の端数切捨て処理の関係上、ご請求金額と上記金額に利用件数を乗じた金額は異なる場合があります。
●国へ支払う手数料相当額
情報提供(所有者等情報なし) | 3.33円/件 |
計 8.406円 およそ8円/台
QRコードはスマートフォンでも読み取れる
もう一つのQRコードを読み取れば車種名などがわかる機能は、以前より車検証下部に偽造防止目的のためにつけられているQRコードの情報をそのまま転用しているものです。これで車台番号や登録番号、型式や類別区分番号がわかりますので、ある程度のグレードもわかります。自動車検査証のQRコード読み取りアプリもたくさん出ていますので、それを使っても同様に車検証情報が表示されますし、一般的なスマートフォンについているカメラでもわかりにくいですが、同様の情報を見ることができます。組み合わせれば車検証上の所有者や使用者の情報もわかるということになりますが、先述のとおり、アプリなどですべて表示されるということはなさそうです。
まとめ
・当たり前ですが、メルカリさんだけが特別に情報を提供してもらっているわけではない。システム開発し、仕組みをうまく利用している。
・車検証のQRコードはスマートフォンがあればだれでも見られるもので、その情報をアプリを通してメルカリなどの事業者に提供することでサービスを受けられる
・メルカリさんでも費用負担が発生しているため、一日1件などと制限をかけているとおもわれる。
*なお、当文面は弊社スタッフが各関係機関のホームページで公表されている内容に基づき記載したものであり、各関係機関に直接問い合わせたものはございませんので、正確性は保証いたしません。