自動車リサイクル促進センターより自動車リサイクルデータブック2018が公開されました。自動車リサイクルシステムがスタートしてから10年がたち、その中から特に注目すべきデータについてまとめてみました。
解体事業所の数は減っている?
2009年の時点で解体工程を実施した解体・破砕事業所(自動車リサイクル工場や鉄スクラップ業者など)は4084件、2018年の時点で3086件であるため、1000件以上の事業所が解体工程を行っていない、すなわち自動車の解体事業から撤退していると思われます。逆に中古車販売業者が部品取りをするためなどに解体工程を行った事業所数は233事業所から266事業所に増えています。すなわち、新規参入が増えているということが見られます。
使用済自動車の数は増えているのか
2009年の時点での使用済自動車の年間引取件数は3917千台、2018年には3389千台となっています。10年でおよそ60万台が減少しているということになります。
また軽自動車の比率を見ると2009年度約28%であったものが、2018年度約45%になっています。軽自動車の数が約33万台増えているのに対し、普通車の数が2009年度から95万台も減っていることが影響しています。
輸出される中古車は増えているのか?
車としての輸出に伴う、自動車リサイクル料金返金件数をみると2009年およそ80万台であったものが2018年には150万台とほぼ毎年右肩上がりで増加しています。年式はともかく、日本の新古車、中古車に需要があることがうかがえます。
使用年数の推移は?
日本人が長く車を乗るようになってきたというのは以前から指摘されていることですが、実際はどうでしょうか。
使用済自動車として引取りされた自動車の年式からの平均使用年数は2009年時点で普通車13.3年 軽自動車13.9年。それが2018年では普通車15.7年 軽自動車15.8年となっておりほぼ右肩上がりに使用年数が増加しています。単純に考えますと車検1回分(2年)増えたことなります。自動車を長く乗るようになったことのほか、年式の新しい車は海外へ輸出されることや、安全装備の増加に伴う全損事故の減少なども影響しているのか知れません。
使用済自動車として引取りされてからどれくらいで平均解体される?
解体記録日という永久抹消登録ができる日にちが出るまでおよそ12日というのが現在の平均です。実際にプレスになるなどして最終の処分業者に渡されるまでの期間はおよそ40日となっています。しかし、最近は埋め立て処分場の不足から最終工程前で工程が止まっていることが多く、2019年度は全行程の完了までの日数が伸びることが予想されます。
まとめ
全体での自動車解体を行う事業所数は減ってきている。
廃車になるまでの自動車の平均使用年数は約14年。
年間300万台以上の車が解体処分される。
年間150万台の中古車が輸出される。
参考元