愛車から聞こえる異音は不安なもの。代表的な異音の種類とその原因とその修理費用をまとめてみました。
エンジンルームから「キュルキュルキュルキュル」
エンジンを回すとアイドリング中に「キュルキュルキュル」と音がなる。しばらく走ると音が消える。こんな時はVベルトの劣化が疑われます。Vベルトの役割はエンジンの動力をもとにエアコンやパワステといった機能部品を稼働されるためのベルトで、その役割からファンベルトやエアコンベルト、パワステベルトなどと個別に呼ばれることもあります。
このベルトはゴム製であり、もちろんタイヤ同様劣化していきますので、車検時などに3~6万キロごとの交換を勧められます。劣化してくると、エンジン始動時やアクセルを踏んだ際にベルトなき(上記キュルキュル音)が起こり、そのまま放置しておくと、最悪の場合、切れてしまいます。
ベルトなきの原因は下記のようなことが考えられます。
・ベルトの劣化により、ゴムが硬化し、ベルトとプーリー(ベルトの動力を補機類に伝える回転盤)の間に滑りが発生する
・ベルトの張力の調整不足によりベルトが少し伸びて滑りが発生する。この場合は交換直後にも起こりえ、ベルトの調整や交換で対応できる)
・プーリーやテンショナー(ベルトに張りを与えている部品)自体のさびが影響
・エアコンやパワステなどの機能部品に故障が発生し、その影響でベルトが回りにくくなる。この場合は摩擦が発生しているので、強烈な音とゴムの焦げたにおいがする
もし万が一切れてしまった場合は、大変です。重要な機能部品を稼働させていることから、下記のようなことが発生する危険性があります。
・エンジンが冷えずにオーバーヒート!最悪の場合、エンジンの故障につながります。
・パワステがきかなくなり、ハンドルが重くなります。急にハンドルが曲がりにくい状況になり事故の危険性も。
・オルタネーターが回らなくなり、発電しないため、バッテリーの電気がなくなり次第、エンジンなどが停止します。
・エアコンがきかなくなります。
Vベルト全数交換費用は、一般的な国産車であれば、部品代を含めて10,000円程度です。
フロントタイヤ付近から「コロコロ」
ハンドルを切った際などに「カリカリカリ」「コロコロコロ」という音が聞こえた場合は、シャフトブーツが破れて中に異物が入ってしまっている状態が考えられます。エンジンからの動力をタイヤに伝えるドライブシャフトのタイヤ側には、ハンドルやサスペンションのジョイント部があり、それを保護するためにグリースが塗ってあります。それを保護するものがシャフトブーツという蛇腹のようなものですが、それが破れると異物がジョイント部に混入し、その部分を傷つけ破損につながります。異音がするということはすでに異物が入ってしまっていて、高額な修理費が発生する恐れがあります。シャフトブーツに亀裂や損傷があると車検にも通りませんので、車検時などに劣化が見られたら交換がお勧めです。
シャフトブーツ交換費用は、一般的な国産車であれば、部品代を含めて10,000円~15,000円程度です。
ブレーキをするとフロントタイヤ付近から「ゴリゴリ」などという引きずり音
廃車ひきとり110番で廃車をご依頼いただく際にもよくありますが、フロントブレーキからの異音と考えられます。通常はブレーキパッドという摩擦材がブレーキキャリパー内に装着されていて、それでブレーキローターを挟む摩擦でブレーキがかかるのですが、これがなくなってしまうとブレーキキャリパーの金属部分で直接挟むことになり、ローターを傷つけます。残り、2mmくらいになってくると「キーキー」音、それでも放置して乗り続けるとゴリゴリというひどい音になってしまいます。それでも使い続けると上記のようにローターを傷つけ、錆が発生し、最悪ブレーキの固着を起こし、ずっとブレーキがかかりっぱなしになります。
新品は10mmありますので、厚さが残2mmになると交換が必要です。整備工場などでは3~5万キロことの交換を勧めているようです。
フロントディスクパッドやディスクローターも損傷しており、取り替えないといけない場合、一般的な国産車であれば、部品代を含めて40,000円以上しますので要注意です。
令和3年4月27日 更新