普通に乗り換えされるお車と違い、事故車や故障車はその状態により当然買取金額は大きく異なります。故障車であれば、その修理にかかる費用から逆算して査定も可能ですが、事故車となれば凹み一つとってもそのレベルは事故の状態によります。
今回は、特に事故車査定において大きく影響を受ける部分について一部ご紹介できればと思います。
中古車として再生可能か?部品取り車としてのリサイクルとなるか?それとも海外か?
年式や車種などにより一様には言えませんが、高年式車であれば部品単体としてパーツごとに販売するより、修復して車として販売したほうが一般的には販売金額としてはおおきくなります。従いまして、一つの目安として修復しやすいかどうかというところが買取金額に反映されるということになります。また、海外での人気車種であれば、事故車としてそのまま輸出されることもあり同レベルの事故車であっても全く異なる査定額になることも多々あります。
エアバッグは開いているか
エアバッグ(airbag)は車の前方などに取り付けられているセンサーが衝突を感知するとエンジンコンピューターユニットに信号が送られ、そのレベルによってインフレーターに点火指示が行き、結果展開するという流れになります。従いまして、大きく損傷している車両でも衝突場所やレベルによりエアバッグが展開していない場合も多くあります。エアバッグは運転席ハンドル、助手席前のほか、車種によってはサイドエアバッグといって横からの衝撃に対応する場所に装備されています。
このエアバッグが開いている場合、車両価値としては大きく下がります。というのも、エアバッグ自体は自動車リサイクル法により自動車解体時に必ず展開、リサイクルしないといけないものと規定されており、中古部品としての取り外しや流通は禁止されています。ヤフオク!などでも中古エアバッグ類は出品禁止物となっており、もし出品をされていれば違法行為となります。従いまして修復をするためには、新品部品を再度購入しないといけないため、展開していないものと比較し、部品代だけでも数十万円もの差が出てしまいます。
エンジン・ミッション機構のダメージ具合
エアバックはもちろんですが、エンジンやミッション機構も部品代として大きな費用が掛かる部分です。エアバッグと違い中古部品でも流通をしていまが、それでも中古部品のなかでも一番大きな金額を必要とします。高年式車であれば出回っている数も少なく、新品となると修復時に大きな費用が発生します。
外装のへこみがルーフ部分やピラー部分まで及んでいるか
ルーフやピラー(フロントガラスの横やドアの部分にある天井を支える柱部分)は、ボディと溶接してあり、容易に取り外してその部分だけ取り換えればいいというものではないので、修復がしにくい部分になります。また、そこまで影響が及んでいる場合は、波及している部分もそれだけ広範囲ということで査定額自体は下がってしまいます。
足回り(タイヤのついている部分)の損傷具合
これは修復費の過多という部分もありますが、併せて引取時の手間という意味でも影響してまいります。例えば、タイヤが転がれば積載車で引取ができるものが、足回りまで損傷しているとレッカー車が必要になったり、また特殊な装備が必要になったりします。そのため、損傷が軽微でも、修復代という意味以外の余計な経費が掛かりえるということが言えます。
高級車やレアなスポーツカーは思わぬ高値になることも
状態が非常に悪い事故車でもその部品自体が貴重で一般的な事故車よりも思わぬ高値で売買される車両があります。こういったものは国内での再販のほか、海外での事故車としての輸出としても高価で取引されています。高級車のほか年式は古くても根強い人気のある6速マニュアルのスポーツカーなどで、生産台数の少ない希少車は事故車でも価値があります。
ニッサン スカイライン
ホンダ NSX/シビックタイプR
スバルインプレッサWRX
マツダ RX-7
トヨタ スープラ/トレノ
三菱 ランサーエボリューション
ポルシェやBMW、ベンツの一部の車種など
査定時にあると評価しやすいもの
忙しくて立ち合いができない、感染症などにより査定員と接触したくないといった理由から、画像などで査定をご依頼いただく場合は、できる限り多くのお写真やできれば修理見積などがあると大変有効です。簡単な写真のみであったりするとどうしても保守的な買取価格設定になりかねません。
事故周辺のほか、斜め前後から撮影した写真、エンジンルーム内の写真、下回りの写真、車内の写真などあれば損傷していない証拠になります。
もちろん、引取時に買取業者さんに伝えていなかった大きな損傷があり、一から査定のし直しになったという余計なトラブルも防げます。
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