車に乗っていると、エンジン始動時や走行中、減速時に異音が聞こえてくる場合があります。車の異音はただの不調に留まらず、大きな事故の原因となることも。
当記事では異音がする部分を、エンジン周りや足回り、排気系の3つに分けて原因や対策を解説します。不安を感じたら早めに整備業者へ相談して適切な対策を行いましょう。
車から異音がしたら危険な合図かも?
車から異音がしたら危険の合図かもしれません。車は通勤や日常の移動手段として欠かせないものですが、車から聞こえてくる異音を放置していると場合によっては大きな事故を引き起こしかねません。
また車から聞こえる音の種類によって原因や対策が異なり、それぞれ適した対応が必要です。しかし車に詳しくない方の場合は、何が悪いのかを見つけるのは難しいでしょう。
異音がした場合は「どのような異音がするのか」を把握したうえで整備工場などでの点検が必要です。
【エンジン周り】注意すべき3つの異音
エンジンからの異音はエンジンそのものやエンジンオイル、タイミングベルトなど、あらゆる部分の異常が原因と考えられます。中でもエンジンが急に止まると大きな事故につながるおそれがあるため、エンジンからの異音に気がついたときは可能な限り早く点検を受け、原因追求と対策をしましょう。
ここでは「ゴロゴロとしたぶつかり合うような音」「カンカンと甲高い音」「キュルキュルと滑るような音」の3つに分けて原因と対策を解説します。
1.ゴロゴロ・ガラガラ
「ゴロゴロ」や「ガラガラ」と異音がする場合は、エンジンオイルを確認しましょう。エンジンオイルはエンジン部品同士がスムーズに動くように作用しているため、エンジンオイルの量が足りなくなると部品が擦れ合い、摩耗してしまう可能性が高まります。
「ゴロゴロ」「ガラガラ」と異音がしたらオイルレベルゲージでオイルが十分に入っているかをチェックしましょう。エンジンオイルが極度に減っている場合は、オイル漏れしているおそれもあるため、補充を兼ねて点検をしてもらいましょう。
2.カンカン・キンキン・カリカリ
「カンカン」「キンキン」「カリカリ」といった金属がぶつかり合うような異音がする場合は、オーバーヒートを疑います。初期の状態ではカリカリと聞こえ、次第にカンカン、キンキンと甲高い音へ変化すると危険信号です。
走行中にこのような甲高い音が聞こえたらすぐに安全な場所へ車を停車し、エンジンを止めましょう。異音を無視して走行し続けるとエンジンそのものが破損してしまうおそれもあります。
リザーバータンクの冷却水が減っていないか確認し、もし減っているようであれば補充してください
3.キュルキュル
「キュルキュル」と異音が聞こえてくる場合の多くは、スピードの加速・減速時です。タイミングベルトに緩みが生じていたり、滑っていたりすると考えられます。
原因はさまざまですがベルト自体の劣化や、水やオイルが付着し、キュルキュルと音が鳴っている可能性があります。万が一、タイミングベルトが走行中に切れてしまうとエンジンの停止や大きな事故につながるおそれがあるので早めに点検してもらいましょう。
【足回り】注意すべき3つの異音
タイヤやサスペンション、ブレーキなど足回りは車を操作する上でもっとも重要な「走る」「止まる」などの操作性に直結します。そのため足回りからの異音に気がついた際に早めの調整や点検をしなければ、大きな事故につながる可能性が高いといえるでしょう。ここでは、足回りの注意すべき異音を「キーキー」と引っ掻くような音、「ゴトゴト」とたわむような音、「ゴー」とガタつくような音に分け、原因と考えられる部品を紹介します。
1.甲高いキーキー
「キーキー」と異音が聞こえてくる場合は、ブレーキパッドの調整不足やブレーキパッド自体の摩耗が考えられます。ブレーキパッドの残りが少ない場合や経年劣化によりローターの表面が荒れている可能性が高いです。
ローターとパッドが振動し、「キーキー」と異音を立てる状態のままだと、ブレーキの利きが悪くなり事故につながるケースもあるため、早めの点検や交換を行なってください。
2.ゴトゴト・ボコボコ
「ゴトゴト」や「ボコボコ」といった異音は、段差を越えるときに聞こえてくるケースがあります。このような音が聞こえてくる場合は、サスペンションの異常が疑われます。
ダンパーや取り付け部分の緩みであったり、ガスやオイルが抜けていたりする場合もあるでしょう。サスペンション異常のまま走行し続けると、乗り心地にも大きく影響するため、早めに点検・整備を行いましょう。
3.ゴー
「ゴー」となる異音は、ブレーキパッドを支えるブレーキキャリパーが錆びているなどの劣化が原因と考えられます。ブレーキキャリパーは、ブレーキを踏んだ際の摩擦熱を放出する働きがあります。
劣化が原因で異音がする場合はブレーキディスクの研磨を依頼し、メンテナンスすると解決することがほとんどです。
4.シャーシャー
ハンドルを切ったり、走行中にかすかに「シャーシャー」となる異音は、ブレーキのディスクローターに傷がついているなどでブレーキパッドが干渉していることが考えられます。ブレーキディスクローターを交換すると30,000円以上かかりますが、わずかな音のみであれば傷の表面を研磨し音を消してもらうこともできます。できれば交換したいものですので、整備工場に相談してみましょう。
4.ハンドルを切るとゴトゴト
ハンドルを切ると「ゴトゴト」となる場合は、シャフトブーツ内のボールジョイントが傷ついている可能性があります。シャフトブーツが破れている場合はその可能性が高いので、修理をしないといけません。通常修理費用は20,000円以上するので、あまり費用をかけたくない場合はドライブシャフトの中古パーツを検討するのも一つの手です。
【排気系】注意すべき4つの異音
排気系から聞こえてくる異音は、マフラーや遮熱板が原因である場合がほとんどです。そのままにしているとマフラーが損傷したり、穴が開いてしまったりと大きなトラブルにつながります。
ここでは「ブオーとこもるような音」「ザワザワと擦れるような音」「カラカラと振動するような音」「カンカンと甲高い音」の4つに分けて原因となる部分を解説します。
1.ブオー
「ボー」とした異音はマフラーの破損や部品不良が疑われます。マフラーが破損、調整不良になるとガス漏れを引き起こし、異音が生じる場合があるのです。
長期間そのままにしているとマフラーへ水が残り、金属が腐食してしまいます。最悪の場合、穴が開いてしまう可能性もあり、早めの対応が必要です。最近の車では少なくなったものの、過去にはよくあったトラブルとして知られています。
2.ザワザワ
「ザワザワ」とした異音は遮熱板と車体が触れ合うことで発生します。排気部品を固定しているゴムなどの劣化や損傷が原因であるケースが多いでしょう。
車が揺れる発進時や減速時に「ザワザワ」と聞こえてきたら要注意です。早めの点検で修理するように心がけましょう。異音が聞こえた初期に対策すれば交換や修理の時間も短く済み、費用も抑えられます。
3.カラカラ
「カラカラ」とした異音は「マフラーの内部へ異物が入っている」「遮熱板の過度な振動」が主な原因です。またマフラー部品である「触媒」の劣化や不具合である可能性もあります。
触媒にトラブルや異常を抱えたまま走行すると排気ガスを無害化させることなく排出してしまいます。いずれの場合も早めの点検を心がけましょう。
4.カンカン
「カンカン」と鳴る異音は、停車中と走行中によって原因となる部分が異なります。走り出す前から「カンカン」と聞こえてくる場合は、遮熱板の劣化や歪みがほとんどの原因です。
一方で走行中に聞こえてくる場合は、マフラーが車体と擦れ合っている可能性が高く、当たっている部分を早めに特定して固定部品の調整や交換を行いましょう。
異音で不安を感じたらプロに相談しよう
車から聞こえてくる異音をエンジン周りや足回り、排気系と部位ごとに分けて原因や対策を解説しました。異音がする場合は早めに異常箇所を見つけ出し、早めの点検整備や修理を心がけてください。
そのまま乗り続けていると重大な事故の原因となることも考えられます。高額な修理になる場合は、売却や乗り換えなど最適な提案をしてくれるプロへ気軽に相談してみましょう。「廃車ひきとり110番」は無料相談が可能です。ぜひご相談ください。