1. お車ユーザーの豆知識

車のオーバーヒートの原因は?症状や対処法についても紹介

オーバーヒート

オーバーヒートが車の故障ということを知っている方は多くても、それがどういう症状で、どのような原因が考えられ、どのように対処すればいいか知っている方は少ないのではないでしょうか。オーバーヒートは誰にでも起こりうる故障であり、その知識を持っておくことは無駄にはなりません。頭の片隅にでもいいのでしっかり入れておきましょう。

車のオーバーヒートとは?

オーバーヒート1
車のオーバーヒートとは、エンジンが発する熱が冷却性能を上回ってしまった状態を指します。自動車の排出ガス規制により、エンジンの冷却方法は多くの車で水冷式となりました。空冷式に比べて冷却性能が高いため、オーバーヒートは昔に比べて起きにくくなったといわれています。

ただし、オーバーヒートは水冷式であっても起きるものであり、起きた場合には深刻な事態につながる可能性も捨てられません。単に走行できなくなるだけならまだいいですが、車両火災を引き起こしたり、エンジンの焼き付きが起こり載せ替えが必要になったりすることもあります。オーバーヒートに関する知識を身につけ、適切に対処できるようにしましょう。

オーバーヒートが起こる6つの原因

オーバーヒート原因
一口にオーバーヒートといっても、その原因はさまざまなものが存在します。ここでは代表的な6つの原因をご紹介しましょう。

1. 冷却水の漏れや不足

車のエンジンはガソリンなどを燃焼させて走るもののため、高温になることは避けられません。熱くなりすぎるとエンジンはオーバーヒートし、それを防ぐために冷却水と呼ばれる液体で絶えず冷やし続けています。冷却水(クーラント)は、エンジンの熱を逃がし、適温を保つために不可欠です。この冷却水が何らかの原因で漏れてしまうと、エンジンを十分冷やせなくなり、オーバーヒートへとつながるというのが原因の1つです。

  • 経年劣化によるホースやラジエーターからの漏れ
  • クーラントの補充不足
  • クーラントの蒸発や劣化

2. ウォーターポンプの故障

ウォーターポンプ

ウォーターポンプは冷却水を循環させる役割を持ち、それによってエンジンをしっかり冷やすことが可能です。しかしながら、ウォーターポンプに不具合が起こると、冷却水の循環が滞り、エンジンの冷却ができなくなり、オーバーヒートにつながります。

  • 経年劣化やベルトの破損
  • 冷却水不足によるポンプの空転

ウォーターポンプは丈夫な部品ではありますが、交換が必要な消耗品です。一般的には10万km前後で交換が必要といわれており、同じ使用期限であるタイミングベルトの交換時にウォーターポンプの交換も推奨されます。

3. エンジンオイルの漏れや不足

エンジンオイルはエンジンの摩耗や摩擦を低減し、エンジンの動きをスムーズにする効果があります。しかし、エンジンオイルが劣化したり、漏れや揮発などにより量が足りなくなったりすると、十分に潤滑油として働くことができなくなり、エンジンが高温になりオーバーヒートにつながるのです。

  • オイルの経年劣化や蒸発
  • エンジンオイルの漏れ(ガスケットやシールの劣化)

エンジンオイルの不具合は、最悪の場合オイルへの引火で火災につながる可能性もあります。エンジンオイルは消耗品ですので、定期的に交換するようにしましょう。

4. 冷却用電動ファンの故障

冷却用電動ファンとは、ラジエーターの熱を外に逃がす役割を果たしているファンで、特に渋滞時やアイドリング時に重要です。

このファンはエンジンの回転やモーターで駆動されていますが、不具合などにより故障すると風が発生させられなくなり、エンジンを十分冷やせなくなります。

  • モーターやリレーの故障
  • 電気系統のトラブル
  • ラジエーターの詰まり

5. サーモスタットの故障

サーモスタットは、冷却水の温度を検知し、水温を調整する役割を担っている部品です。これが故障すると冷却水を低い温度に保つことができなくなり、エンジンを冷却できず、オーバーヒートへとつながります。

  • サーモスタットの経年劣化
  • 錆や異物の詰まり

6. ラジエーターに異物が付着

ラジエーターは冷却水を冷やす役割を持ちます。レアなケースではありますが、ラジエーターに雪やごみなどの異物が付着することにより、詰まると風が当たらなくなって冷却性能が落ち、オーバーヒートの原因になります。

  • ホコリや虫、ゴミが付着
  • 冷却水に錆や汚れが溜まる

オーバーヒートが起きたときの6つの症状

オーバーヒートマーク
車がオーバーヒートを起こしたときには特徴的な症状が現れます。ここで紹介する6つの症状を見逃さないようにし、早めに対処するようにしましょう。

1. 警告灯の点灯

車には 冷却水温警告灯(赤いサーモマーク)が点灯することがあります。この警告灯は、エンジンの温度が異常に高くなっていることを示しています。これらのサインを見逃さずに、すぐに安全な場所に停車し、エンジンを停止することが重要です。

2. 水温計が示す値の異常

車の水温計は、通常、エンジンの温度が正常な範囲にあるときは、 「C」(Cold)と「H」(Hot)の間 を示しています。一般的に、水温計の針は 「C」と「H」の中間あたり に位置し、これが正常範囲を示しています。
しかし、もし水温計の針が 「H」(Hot)の方向に近づいていく ようであれば、それは オーバーヒート が発生している疑いがあるため、注意が必要です。この状態が続くと、エンジンが過熱しているサインとなり、車に深刻なダメージを与える可能性があります。

水温計の針が 「H」 に近づいている場合は、すぐにエンジンを停止し、安全な場所に車を停めて冷却を待つことが大切です。また、 赤い温度警告灯 が点灯した場合も、エンジンが過熱していることを示すサインですので、冷却水をチェックしたり、冷却系統に問題がないか確認する必要があります。

オーバーヒートの初期兆候として、水温計の異常が最もわかりやすいので、運転中は水温計のチェックを怠らないようにしましょう。

水温計

3. エンジンの動作が正常でなくなる

オーバーヒートが進行すると、エンジンの動作が不安定になり、 加速が悪くなる ことがあります。アクセルを踏んでも、エンジンがスムーズに回らず、力強さを欠いたり、ガクガクと震えたりします。
エンジンが熱くなることで、 燃焼効率 が悪くなり、車が必要な力を発揮できなくなります。これにより、エンジンの動作が鈍くなり、通常の走行が難しくなることがあります。また、そもそもエンジンが止まってしまったり、かからなくなったりすることもあります。こういった症状が現れた場合はオーバーヒートを疑うようにしましょう。

4. エンジンから異音がする

オーバーヒートが起きた場合は、エンジンから異音がすることがあります。この異音は「カリカリ」「カタカタ」「ガラガラ」「カンカン」「キンキン」といった金属がこすれるような音で、エンジンオイルが過熱して劣化し、潤滑性が低下すると、金属部品同士が接触して異音が発生します。また、ボンネット付近から「キーキー」という高い音が聞こえることもあります。

5. エンジンから異常なにおいがする

オーバーヒートが進行すると、 エンジンから異常なにおい が発生することがあります。
例えば、冷却水が漏れたり蒸発したりすると、甘い香りのようなにおいがすることがあります。これは、冷却水の成分が熱で蒸発している証拠です。
また、エンジンオイルが過熱して焦げたようなにおいを発することもあります。このにおいは、エンジン内部のオイルが焼けている可能性を示しています。
さらに、ゴムやプラスチックの部品が高温で溶けると、 焦げた匂い が発生することもあります。

6. ボンネットから水蒸気や煙が出る

オーバーヒートが進行すると、 ボンネットから白い煙や水蒸気 が出ることがあります。
白い煙は、冷却水が過熱し、蒸発して出てきた水蒸気です。ラジエーターやホースに亀裂が生じて冷却水が漏れ、蒸発している場合が多いです。
この白煙は、一度冷却を待ってから対処することが必要です。しかし、もし 黒煙青白い煙 が出ている場合は、異常がかなり進行しているサインです。これらの煙は、燃焼不良やオイルの過熱によるもので、無理に走行を続けるとエンジンにさらにダメージを与える可能性があります。

オーバーヒートしたときの対処方法


オーバーヒートはそう頻繁に経験するものではないため、いざ発生したときには冷静ではいられなくなるかもしれません。しかし、そんなときこそ落ち着いて以下のような手順で対処するようにしましょう。

1. 安全な場所に車を停める

オーバーヒートの兆候を感じたら、まず最初に行うべきことは 安全な場所に車を停めること です。

・水温計が「H」に近づいたり、警告灯が点灯した場合は、無理に走行を続けないようにしましょう。
・走行中は車のエンジンに負担をかけ続けることになりますので、できるだけ早く車を停めて、エンジンを停止してください。
・交通の流れや周囲の安全を確認した上で、 路肩や駐車場など、安全な場所に車を停める ようにします。

2. ボンネット内をチェック

車を停めたら、まずは ボンネットを開けてエンジンルームの状態 を確認します。しかし、エンジンが過熱している状態 では、 すぐにボンネットを開けないように してください。ボンネットを開ける前に、 エンジンが冷めるまで待つ ようにしましょう。急に開けると、 熱くなった冷却水や蒸気が吹き出す可能性 があるため危険です。

ボンネットを開けたら、以下の項目を確認します

冷却系統の状態
・ラジエーター や ホース に亀裂がないか、冷却水が漏れていないかをチェックします。

冷却水の量
・リザーバータンク に入っている冷却水の量が、Low より上にあることを確認します。
・もし冷却水が Lowより下であれば、冷却水が不足している可能性があります。この場合、水道水やミネラルウォーター で代用することができますが、冷却水が白濁している 場合は、エンジンオイルが混入している可能性 があるため、水道水やミネラルウォーターの使用は避けてください。

エンジンオイルの確認

・エンジンを停止してから5分以上経過 してから、レベルゲージをチェックします。
・レベルゲージを抜いたら、先端についたオイルを拭き取り、元に戻してから再度抜きます。
・先端のオイルの量がメモリの間 に収まっていれば異常なしですが、減りすぎている場合は、エンジンオイルの不足が原因となっている可能性があり、修理が必要 かもしれません。

3. 車を冷やす

車を停めてから、次に必要なのは 車を冷やすこと です。

・車のエンジンが過熱しているときは、エンジンを停止し、 ボンネットを開けたままにしてしばらくエンジンを冷却します。これによりエンジンの温度が下がり、走行できる状態になるかもしれません。通常、オーバーヒートから回復するには 20分〜30分程度 が必要です。

・エンジンを冷ますことで、冷却系統の内部圧力が下がり、冷却水の沸騰を防ぐことができます。冷却が進んだら、冷却水やエンジンオイルの状態を再度確認します。

4. 冷却水の確認

エンジンが冷えた後は、 冷却水の状態を確認 しましょう。冷却水が足りない、または漏れがある場合は、オーバーヒートが原因で車が加熱してしまった可能性があります。

・ラジエーターのキャップを外して、冷却水の量をチェックします。キャップを外す際は、冷却水が熱湯になっている可能性があるため、 慎重に行ってください

・冷却水が不足している場合は、水や専用の冷却液を補充する必要がありますが、それでも改善しない場合は、エンジンの冷却系統に問題がある可能性が高いです。

5. 回復しなければロードサービスに相談

車のロードサービス

もし冷却水を補充しても、車の状態が改善せず、水温計が依然として高いままであったり、エンジンを冷やしても回復しなかったりする場合は、 ロードサービスあるいはJAFに相談 することをお勧めします。

・無理に走行を続けると、エンジンに重大な損傷を与える可能性があるため、 車を動かさずにロードサービスに連絡 して、プロの助けを求める方が安全です。

・ロードサービスが到着するまで、車の中で安全を確保し、外に出る際は交通の妨げにならない場所に停めておきましょう。

オーバーヒートの修理費用

オーバーヒートが発生した場合、修理にかかる費用は車両の状態やオーバーヒートの原因によって異なります。以下は、一般的な修理費用の目安です。

1. 冷却水の補充や交換

冷却水の不足や劣化がオーバーヒートの原因となる場合、冷却水の補充や交換が必要です。

・冷却水の補充:冷却水が不足しているだけであれば、補充で済む場合があります。

費用の目安:500円〜1,500円(冷却水の量や車の種類による)

・冷却水の交換:冷却水が汚れていたり、長期間交換していない場合は、冷却水の交換が必要です。

費用の目安:3,000円〜7,000円(車種によって異なります)

2. ウォーターポンプの交換

ウォーターポンプが故障している場合、エンジンに必要な冷却水が循環しなくなり、オーバーヒートを引き起こします。ウォーターポンプの交換には専門的な作業が必要です。

費用の目安:10,000円〜30,000円(部品と作業費用込み)

3. ラジエーターの交換

ラジエーターに亀裂や漏れがあると、冷却効率が落ちてオーバーヒートの原因になります。ラジエーターの交換が必要になると、費用はかなり高額になることがあります。

費用の目安:20,000円〜60,000円(車種や部品によって異なる)

4. サーモスタットの交換

サーモスタットが故障すると、冷却水の循環が正常に行われず、オーバーヒートを引き起こします。交換が必要な場合、比較的安価で修理が可能ですが、車種によっては費用が変動します。

費用の目安:5,000円〜15,000円(部品代と工賃込み)

5. エンジンオーバーヒートによる損傷

オーバーヒートが原因でエンジン自体に損傷がある場合、修理費用が非常に高くなる可能性があります。エンジン内部の部品(ピストンやバルブ)が損傷している場合は、エンジンのオーバーホールや交換が必要です。

費用の目安:50,000円〜200,000円以上(エンジンの状態や修理内容によって大きく異なります)

オーバーヒートの予防法

車の点検

オーバーヒートを防ぐためには、車の冷却系統やエンジンの管理が重要です。以下は、オーバーヒートの予防法です。

1. 定期的な冷却水の点検と交換

冷却水の量や状態を定期的に確認することがオーバーヒート予防に重要です。

  • 冷却水の量:ラジエーターとリザーバータンクの冷却水量を定期的にチェックしましょう。冷却水が不足していると、エンジンの温度が上がりやすくなります。
  • 冷却水の交換:冷却水は時間が経つと劣化し、冷却性能が低下します。車の取扱説明書に従って、冷却水を定期的に交換しましょう。

2. ウォーターポンプの点検

ウォーターポンプは冷却水をエンジン内部に循環させる重要な部品です。ウォーターポンプが故障すると冷却水が循環せず、エンジンがオーバーヒートします。

  • 点検方法:ウォーターポンプの動作音や漏れがないかを確認し、異常があれば早めに交換しましょう。

3. サーモスタットの点検

サーモスタットはエンジンの温度を適切に保つために重要な部品です。サーモスタットが故障すると、冷却水が適切に循環しなくなり、オーバーヒートを引き起こします。

  • 点検方法:サーモスタットが正常に動作しているか、冷却水が規定の温度に達しているかを定期的にチェックします。

4. エンジンオイルの定期的な交換

エンジンオイルはエンジンの動作をスムーズに保つために不可欠です。オイルが劣化しているとエンジンの熱がうまく放出されず、オーバーヒートの原因になります。

  • 定期的なオイル交換:エンジンオイルは走行距離に応じて定期的に交換することが大切です。

5. ラジエーターの清掃

ラジエーターに汚れやゴミが詰まっていると、冷却効率が低下し、オーバーヒートの原因になります。

  • ラジエーターの清掃:ラジエーターのフィン部分にゴミや汚れがたまらないよう、定期的に清掃を行いましょう。また、ラジエーターの冷却性能を保つために、エアフィルターやグリルのメンテナンスも行うと良いです。

6. 車の走行状態に注意

急激な加速や長時間のアイドリングなど、過剰にエンジンに負担をかける運転を避けることもオーバーヒート予防には重要です。

  • 適切な運転:走行中はエンジンに過度の負荷をかけないよう、急加速や急停車を避け、長時間のアイドリングを控えましょう。

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オーバーヒートが発生したときの修理費用は、冷却水の補充程度なら高額にはなりませんが、エンジンの載せ替えが必要ともなるとかなりの出費が必要となります。修理費用が高額すぎると感じた場合は、廃車引き取り業者の利用も検討してはいかがでしょうか。

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