1. お車ユーザーの豆知識

ウォーターポンプの交換にかかる費用は?故障原因・寿命も解説!

ウォーターポンプ

長年車を使っていると、どうしてもウォーターポンプの交換が必要となります。 しかし、その際に気になるのが費用。今回はウォーターポンプをテーマに、交換の際にかかる費用や故障の原因、製品の寿命、交換方法について解説します。

ウォーターポンプとはどんな部品?

いつも何気なく使っている車ですが、全体を構成する一つひとつの部品の構造や役割まで理解している方は少ないでしょう。 各部品がなぜ必要なのかわからないまま、普段何気なく車を使っているかもしれません。 今回のテーマとしている「ウォーターポンプ」もそのひとつです。ここではウォーターポンプを構成するそれぞれのパーツ紹介から、部品の役割やエンジンを冷却する仕組みまでを解説します。

ウォーターポンプの構造

そもそもみなさんは「ウォーターポンプ」と聞いて、どのようなパーツかイメージできますか?ここでは、どんな構造をしたパーツなのか、初めに説明します。

エンジンルームにあるウォーターポンプは、大きく以下5つのパーツに分かれた構造となっています。

  • ボディ(本体)
  • フランジ
  • メカニカルシール
  • ウォーターポンプベアリング
  • インペラー

ボディとはポンプ本体のこと。フランジ(別名ハブ)というパーツは、ウォーターポンプを動かす部品とつながっているパーツのことを指します。メカニカルシールはウォーターポンプの内と外の区切り、冷却水が外部に漏れ出すことを防ぐ役割を果たしています。そしてポンプの回転軸は、「ウォーターポンプベアリング」によって支えられています。

最後に、冷却された水をエンジンへ送り出すためのポンプが「インペラー」です。インペラーの故障によって、冷却された水を正常に送り出すことができなくなってしまうため、エンジンが正常に作動しなくなってしまいます。

まとめると、ウォーターポンプとは冷却水の「循環器」ということです。

ウォーターポンプの役割とは?

ウォーターポンプはラジエターで冷却させた水をエンジン本体に循環させる役割をもっている部品です。エンジンは回転運動などにより熱を帯びるため、車を正常に走らせるうえで、この循環器が重要なパーツであるとわかります。

稼働中のエンジンはかなり高温になっており、そのままにしていると当然オーバーヒートをまねきます。その状態で使用し続けると周囲の鉄やアルミを変形させてしまいエンジンを損傷させます。このような事態を防ぐためには、エンジンを冷却し続けないといけません。この冷却水をエンジンに送りこむ役割をしているのがウォーターポンプです。冷却水はエンジン内の通り道「ウォータージャケット」を循環し、本体そのものを冷やします。
深い関わりのある「ラジエーター」は、ウォーターポンプによりエンジン本体に送られた冷却水が熱を吸収することで暖められたものを冷やす働きをします。冷やされた冷却水は、またウォーターポンプによりエンジンに送られます。

エンジンとの繋がりが深いウォーターポンプが故障してしまったり、ベルトが切れたりしてウォーターポンプが作動しないと、当然オーバーヒートやエンジンストップを引き起こします。

冷却水とは

冷却水は「クーラント液」と呼ばれます。この液は不凍液で、氷点下以下でも凍らないため、氷点下の状態でも循環することができます。また、防腐剤、防錆剤が含まれており、通常2~3年使用できます。冷却水に水道水を使わずに専用のクーラント液を使うほうがいろいろな意味でメリットがあります。
なお、このクーラント液は猛毒であり、私たちの解体工場でも廃油業者さんに有料で処分をしてもらっています。

ウォーターポンプが故障する原因は?

ウォーターポンプは、エンジンを正常に作動されるためには欠かせません。ただ、機械である以上、ウォーターポンプも故障することもあります。ウォーターポンプの故障原因として多いのは、寿命であるケースや走行距離が長いことで劣化したケース、シャフトベアリングの破損・冷却水の漏れなどが考えられます。ここでは、これら3つのケースについて解説します。

寿命

そもそもウォーターポンプが寿命を迎えてしまったことによる故障のケースが考えられます。ウォーターポンプの推奨交換時期は、一般道を走る車の場合で10年もしくは走行距離100,000kmと言われています。

しかしウォーターポンプは、周辺にあるタイミングベルトなどと密接につながっている部品。そのため、ウォーターポンプ自体が寿命を迎えていない場合でも、交換工賃などの関係から他部品の交換と一緒に新しいものに取り替えておくケースが多いようです。交換費用はおおよそ3万円~4万円といったところです。

走行距離が10万キロ前後である

ウォーターポンプだけでなく、車のエンジンを動かす多くの部品は、走行距離が長ければ長いほど劣化していきます。同じように購入してから5年経った車であっても、たまにしか使わない車(=走行距離が短い)と頻繁に使う車(=走行距離が長い)では、ウォーターポンプの劣化速度は大きく異なります。

ウォーターポンプが故障してしまうタイミングとして多く見られるのは、走行距離が10万キロ前後とされています。しかしこれは、ポンプ本体に異常があるわけではなく、タイミングベルトの寿命と関係しています。タイミングベルトが故障することで、結果としてどちらも故障してしまうと考えられるでしょう。

そのため、繰り返しになりますが、ウォーターポンプとタイミングベルトは同じタイミングで交換するのがおすすめだということです。

シャフトベアリングの破損・冷却水の漏れ

シャフトベアリングが故障した場合も、ウォーターポンプに影響を及ぼします。シャフトベアリングによって、ウォーターポンプの回転は支えられているため、ここの故障によって、ポンプの劣化も早めてしまうということです。

何が原因で冷却水が漏れ出しているのか、素人には判断が難しいかもしれません。そのため、冷却水の漏れを確認したら、できるだけ早く修理を依頼すると良いでしょう。

ウォーターポンプが故障するとどうなる?

繰り返しになりますが、ウォーターポンプはエンジンと密接につながっているパーツ。ウォーターポンプの故障を見逃したまま車を走行させていると、重大な故障に繋がる可能性もあります。またエンジンに不具合が生じることで、修理費用が高額になってしまうことも。予定外の出費を避けるには、できれば先述のタイミングで予防的にウォーターポンプを交換することがおすすめです。

もし、ウォーターポンプが故障してしまった場合に見られる症状について解説します。

水漏れが起きる

ウォーターポンプが故障すると、高確率で水漏れが発生します。しかし、ひと言で「水漏れ」といっても、その症状はさまざま。以下4つのなかで、いずれかの水漏れが発生した場合は、ウォーターポンプが故障している可能性が高いため、はやめにメンテナンスをおこなってください。

  • エンジンの下に、冷却水がポタポタと滴っている
  • 2〜3週間程度で冷却水が減る
  • エンジン付近に白い固まりが付いている
  • エンジンルームから甘ったるい臭いがする

白い固まりや冷却水の残量などは、注意していなければ、見落としてしまうかもしれません。日頃から見逃さないよう、心がけてください。

オーバーヒートしてしまう

ウォーターポンプの故障によって「オーバーヒート」も頻繁に見られる症状です。車がオーバーヒートしてしまうと、エンジンが正常に稼働せず回転が止まってしまう可能性があります。

完全にオーバーヒートしてしまう前に気がつくポイントとしては、水温計に注目してください。水温計がH(高温)を示している場合はオーバーヒートの前兆です。気づかず走行していると、エンジンルームから煙が上がったりします。

水温計が異常を示したら、すぐに安全な場所に車を止めて、エンジンを止めてください。

異音がする

ウォーターポンプの故障によって、異音が発生することがあります。異音の種類は「キーキー」といった高音や「ガラガラ」、「ウォー」などさまざまです。

異音の他に症状がなければ、エンジンにはそこまで大きなダメージが及んでいない可能性があります。この段階でウォーターポンプを修理できれば、修理費が高額になることは避けられるでしょう。もちろん時間の問題なので、早めにメンテナンスをすることが前提。くれぐれも異音をそのまま放置しないようにしましょう。

ウォーターポンプ交換にかかる費用は?

ウォーターポンプが故障した場合は、早急に修理、交換する必要があります。
ではウォーターポンプを交換する場合の費用は、いくらほどかかるのでしょうか。ここでは、ウォーターポンプ交換にかかる費用の相場や車種別の費用、軽自動車の場合の費用、依頼先別の交換費用を解説します。さらに費用が高額になってしまうケースも紹介するので、参考にしてください。

交換にかかる費用の目安

ウォーターポンプの部品自体は、1万円前後です。しかし、ディーラーや整備工場へ交換を依頼する場合は、交換工賃が発生します。

工賃+技術料などを合わせて、ウォーターポンプの交換にかかる費用は1〜2万円ほどです。ただ、車種によっても、交換費用は異なります。また、ウォーターポンプと合わせてタイミングベルトの交換もおこなう場合は、10万円を超えることもあります。

ですが、交換費用が高いからと、ウォーターポンプの交換を先延ばしにしていると、エンジンも修理しなければならない事態を招く可能性もあるので、注意してください。

車種別、ウォーターポンプの交換費用

さきほど、車種によってウォーターポンプの交換費用は異なると説明しました。ここでは、比較的大きな車として「ハイエース」のウォーターポンプ交換費用を紹介します。

水漏れに気がついてウォーターポンプを交換した場合の費用は、37,000円ほど。内訳は、部品代13,000円に加えて、交換工賃が24,000円です。水漏れによって失った冷却水の補充などが必要な場合は、その費用も上乗せされます。

軽自動車のウォーターポンプ交換費用

軽自動車のウォーターポンプを交換する場合は、いくらほどの費用が必要なのでしょうか。軽自動車の代表的なメーカーごとに、ウォーターポンプの交換費用の相場を以下で紹介します。

メーカー ウォーターポンプの交換費用
スズキ 3.5〜4.5万円(F6A型エンジン)
1.5〜1.8万円(K6A型エンジン)
ダイハツ 3.8〜5.2万円(EF型エンジン)
1.5〜1.8万円(KF型エンジン)
ホンダ 4〜6万円(P07A/E07Z型エンジン)
1.5〜1.8万円(S07A型エンジン)
スバル 2.5〜3.5万円(EN07型エンジン)
三菱 3.5〜4.5万円(3G83型エンジン)
1.5〜2万円(3B20型エンジン)

依頼先別、ウォーターポンプの交換費用

ウォーターポンプを交換する場合、依頼先によっても費用が異なります。代表的な依頼先は「ディーラー」「カーショップ」「整備工場」の3つでしょう。 ディーラーやカーショップへ依頼してウォーターポンプを交換する場合、相場価格は6〜8万円です。整備工場でウォーターポンプの交換を依頼した場合の費用は、大きな差があるようで、一概に「相場」とはいえません。個人経営の整備会社などは、価格交渉がしやすいことも多いです。

料金が高額になるケース

ウォーターポンプの故障を放置してしまうと、交換費用が高額になってしまいます。ではどのようなケースで高額な交換費用が発生するのでしょうか。

最も多いケースは、ウォーターポンプ単体の交換では修理できない場合です。ウォーターポンプの故障によって、他の部品にも負荷がかかり、それらも交換しなければならない可能性があります。場合によっては、修理・交換費用が数十万円にも及ぶこともあるでしょう。

自分で交換する場合の手順と注意点

細かなパーツが多く、専門的な知識を要するウォーターポンプの交換は、素人がおこなうのは難しい作業であるため、ディーラーや整備工場に依頼するのが一般的です。しかし、車に関する専門知識をもった方であれば、自分でウォーターポンプを交換することも可能。ここでは、セルフでウォーターポンプを交換する場合の手順や注意点を解説していますが、一般的には整備工場さんなどでしていただくことをお勧めしますので、参考程度でお読みください。

手順

自分でウォーターポンプを交換する場合は、おおよそ以下の手順になります。

  1. ラジエーターの下にある「ドレンボルト」を外す
  2. 冷却水を抜く
  3. ラジエーター本体を取り外す(フィンを傷つけないように注意)
  4. タイミングベルトを外す
  5. ウォーターポンプを新しいものと交換する
  6. ウォーターポンプを交換したら、これまでと逆の手順でもとに戻す
  7. 冷却水を補充する

注意点

自分でウォーターポンプを交換する際は、既に解説した「ラジエーターフィンを傷つけない」以外にも、タイミングベルトの締め過ぎと、エアの抜き忘れにも注意してください。
タイミングベルトを強く張りすぎてしまうことで、ウォーターポンプの劣化を早めてしまいます。初めは少し緩めに締めておき、後から微調整をおこなうと良いでしょう。
また最後に冷却水を補充する際、エアを抜き忘れてしまうケースもあります。エアが抜けきれていないことによって、交換してもまたすぐに水漏れが再発する可能性があるため、忘れずにおこないましょう。

交換費用が高額になるときは廃車も検討しよう

ウォーターポンプの交換費用について解説しました。ウォーターポンプの不具合を放置したままの走行には、高額な修理費が発生したり、事故につながってしまったりなどのリスクがあります。
エンジンなどが損傷し、修理費が高額になる場合は、廃車も視野にいれる必要があるでしょう。
そんなときは「廃車ひきとり110番」に相談してみてください。

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