車を動かしたくても動かせないときにはレッカーを依頼するしかありません。でも、普段なじみのないレッカー移動だけに、どこに依頼すればいいのかわからない方も多いことでしょう。また、できるだけレッカー代を安く抑えたい場合にはどのようにすればいいのでしょうか。この記事ではレッカー代にまつわる費用や注意点について解説します。
レッカーが必要になるのはどんなケース?
そもそもレッカーによる車の移動が必要になるのはどのようなケースなのでしょうか?
ここでは3つのケースを紹介します。
車検が切れた場合
第1のケースは車検が切れている車を移動させる場合です。
車検とは正式名称を「自動車検査登録制度」といい、安全性の確認や公害防止という観点から道路運送車両法で定められている検査のこと。車検が切れたまま公道を走行した場合には、刑事処分として6カ月以上の懲役または30万円以下の罰金、行政処分として違反点数6点が課されます。
このため、車検が切れた車に対して、保管場所を変えたい場合などはレッカー移動を依頼せざるを得ません。
もし車検を受けるために、運輸局や民間車検場に車を移動したい場合は、自治体で「臨時運航許可」を申請すれば、仮ナンバーと呼ばれる臨時ナンバーを貸してもらえるので、それをつけて車検を受けに行くことは可能です。
故障などで車が動かなくなってしまった場合
車が事故にあったり故障した場合、故障の種類や程度によっては車が動かない状態に陥るかもしれません。そうなると修理工場へ車を自ら移動させることもできず、レッカー移動を依頼することになります。 また、車を動かすことはできても、ウインカーが割れたり、ブレーキランプがつかなかったりするなどの保安上の問題が発生している場合も公道の走行は法律違反。安全のためにもレッカー移動を依頼するようにしましょう。
レッカーにかかる費用の内訳
レッカーによる移動を依頼する際に気になるのは費用。レッカー移動にはどのような費用が必要になるのかチェックしてみましょう。もちろんトラックなどは高額になりますので軽・小型車の場合の例を見ていきましょう。
基本料
距離や時間などにかかわらず、一出動あたり必ずかかってくるのが基本料です。料金の目安は業者によっても異なりますが、15,0000円程度です。
もちろん、業者や車の状態によっても変わりますので、あくまで目安として頭の中に入れておきましょう。
走行距離に応じた費用
レッカー移動は、動かせなくなった車を移動する距離に応じて料金が変わります。おおよそ1kmで500~700円程度です。例えば20kmなら10,000円~15,000円程度が目安です。
従いまして、自宅や車が動かなくなった場所から修理工場が近ければ安く済みますが、近くにない場合は高額になることが予想されます。
時間帯や場所による割増費用
レッカーによる移動の料金は依頼する時間によっても変わり、20時以降翌朝8:00の夜間や早朝には料金の上積みが発生しますし、正月や日曜日などの休日も追加の出動料がかかります。また、雨天や難気象時にも追加で発生することがあります。休日出動料や早朝夜間料金は5,000円程度、正月期間などは10,000円程度出動料がかかるようです。
もちろん高速道路上であれば、通行料金もかかります。
不動車の引き上げ費
動かない車をレッカーで移動する際、引き上げが必要になると別途料金が発生します。動かない車でウインチで引き上げないといけない場合や、タイヤが回らず台車でレッカー移動が必要な場合は追加で5,000円程度の作業料が発生します。
さらに、転落や横転といったケースでは、落ちた場所によりさらに費用が高額になります。特別な作業には30,000円を超える金額が必要になることもあります。
レッカーサービス・ロードサービス
実際にレッカー移動サービスをおこなってくれる業者にはどのようなものがあるのでしょうか。
JAF(ジャフ)
JAFは日本自動車連盟の略で、さまざまなロードサービスを提供しています。もちろんレッカーサービスもおこなっており、非会員であってもサービスを利用することが可能です。
会員の場合は基本料、作業量、15kmまでのけん引料が無料であるのに対し、会員の場合は時間帯や場所に応じた料金が必要になります。その場で入会しても会員としてのサービスは受けられませんので、利用を考えているなら事前の入会が必要です。
また、JAFのロードサービスは「車」ではなく「会員」を対象としているため、契約以外の車両トラブルやバイクのレッカー移動もおこなってくれる点がメリットといえます。さらに、保険では回数制限(通常1保険期間に1回)があるパンクなどの応急処置も、回数制限なしで受けられるのも安心です。
任意保険や保険会社附帯のロードサービス
自動車の任意保険や保険会社もレッカーサービスを提供しています。15kmまで無料のJAFに比べて、100kmまで無料などより長い距離を無料でけん引できるのがメリットです。 一般的には自動付帯かつ無料で利用できますが、ロードサービスを特約としてオプション契約が必要なケースも。ご自分の保険の契約内容をもう一度確認しておくと安心です。 ただし、JAFとは異なり、保険をかけている対象の車以外のロードサービスは受けられない点には注意してください。
地域のロードサービス会社や整備業者
JAFだけでなく、地域にはロードサービス会社が一定数あります。通常、保険会社からの案件などはそのような会社が対応するようです。また、自動車の整備工場でも、ロードサービスを事業としておこなっているところもあります。
契約のロードサービスが使えない3つのケース
たとえ附帯のロードサービスやJAF会員に入っていたからと言って全ての場面で適用されるということではありません。ここでは、附帯のロードサービスなどが使えない例を挙げてみます。
1. 相手の車をレッカー移動
考えたくもないことではありますが、自身の過失で相手の車が損傷し、動かせなくなるというケースがあります。 この場合、自分がJAFに入会していたり、任意保険に加入していたりしても、それらのロードサービスを利用することはできません。というのも、JAFや任意保険はあくまで加入者自身や加入者の車をサービス対象にしているためです。
このため、相手の車を自分の責任でレッカー移動することになると、通常の費用が発生することになります。
2. 指定のロードサービスを使わなかった
事故現場であわてて近くにあるレッカー会社に直接電話してレッカー移動をお願いしてしまったとします。この場合のレッカー代は完全に自己負担となる可能性があります。JAFの会員であったり任意保険のロードサービスに加入していたりするなら、それらに連絡してレッカー手配しないといけません。任意保険に加入しているのであれば車両保険の補償として後日でも請求できる可能性があるため、支払い時にもらった領収書はとっておき、保険会社に相談しましょう。
3. 遠方で事故にあった
旅行や出張などで遠出した際に事故にあい、レッカー移動が必要になることもあります。このときに自宅や自宅の近くまでレッカー移動を依頼すると、距離が長いためにレッカー代が高額になることが予想されます。特にネット自動車保険のロードサービスは無料レッカーの距離が数十キロ程度であるため、注意が必要です。
比較的長距離の移動を無料でおこなってくれる損害保険会社のロードサービスであっても無料の限度はあるため、補償額の上限を超えた分を自己負担したり、補償が受けられず全額自腹となる可能性があったりします。 費用を抑えるには、事故現場近くの提携修理工場に運んでもらって修理するのがおすすめ。修理完了後に自分で運転して帰るか、自宅まで輸送を依頼するといいでしょう。
レッカー代は経費になるのか?
レッカー代は高額になることもあるため、できれば経費として確定申告の際に利用したいもの。 個人事業主あるいは法人が業務で利用している車をレッカー移動する場合は、経費にすることが可能です。また、レッカー後の保管費用も経費として申告できます。 レッカー代の勘定科目については特に決まりはなく、雑費や支払手数料、車両関係費など、後から問い合わせがあったときに説明ができるようになっていれば問題ありません。
廃車ひきとり110番ならレッカー代無料!
動かなくなってしまって、もう廃車にしようと考えている車があるのであれば、廃車ひきとり110番へのご売却をご検討ください。弊社での買い取り、処分をご依頼いただいたユーザー様であれば、通常の積載車などで作業できるところに保管されているのであれば、不動車や事故車であっても、引き取り料は基本的にいただいておりません。
レッカー移動しなくてはならないような車であっても買取価格がつくこともあります。お問い合わせはメールフォームやLINEからも可能。ぜひお気軽にご連絡ください。