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今さら聞けない!車のシフトのあれこれ Bレンジ!?

いまさら聞けない車のギア・シフト

普段何気なく乗っている車ですが、ふとシフトレバーを見るとさまざまなシフトレンジ(ギア)があることがわかります。それぞれどのような目的で使うのか知っておくと、より快適にドライブできるかもしれません。また、ギアの故障についても解説します。

車のギアのタイプは大きく分けて2種類

車のシフト(ギア)チェンジのタイプには大きく分けて、オートマチック(AT)とマニュアル(MT)があります。これらの特徴について見てみましょう。

オートマチック(AT)

オートマチック車はオートマとも呼ばれ、不慣れだと乗り心地が悪くなりがちなクラッチ操作やギアシフトチェンジの必要がなく、手軽に乗れる車のことです。
運転時の作業が少ないため、渋滞の際や運転にふなれなかたでも使いやすいといえるでしょう。
日本自動車販売協会連合会の2019年のデータ によると、国産乗用車の98.6%がオートマック車となっており、日本で売られている乗用車はほぼオートマ車といっても過言ではありません。
さらに最近はマニュアル車のグレード設定がある新車自体が少なくなっており、一部のスポーツカーや軽自動車のみです。
結果、以前はAT設定、MT設定の両方ある場合、AT車のほうが希望小売価格が高かったのですが、最近は一部で逆転しています。

マニュアル(MT)

マニュアル車は、運転時にクラッチやギアシフトチェンジなどの作業が必要となる車のこと。
従来、トラックはマニュアル車が一般的でしたが、最近では技術革新によりオートマチック車やクラッチ操作のいらないセミオートマ車も増えています。
車と一体となって運転している感覚を味わえるため、車好きのなかでは根強い人気があります。また、高齢者の方では以前からMT車になれており、逆にAT車が不慣れという方が多くいらっしゃいます。
その為、前述のような車種にMT設定がのこっているといえます。

あまり知られていないシフト(=レンジ)の種類について

車のシフトレバーを見るとさまざまなシフト(レンジ。PやRやSなど)が用意されていますが、なかには見慣れないものもあります。
レンタカーや知り合いから借りた車に乗った際に、何のために使えば良いのかわからないという経験をした人もいるかもしれません。
また、普段自分が乗っている車でも使ったことのないレンジ(レベル)があれば、知っておくと役立つことがあるでしょう。

「B」はブレーキ(BRAKE)

「B」と表示されているレンジはブレーキを意味します。もちろん、ここにギアを入れることで車が停止するわけではなく、勾配の急な坂道などでエンジンブレーキが必要なときに利用するものです。
この「B」は電気自動車やプリウスなど一部のハイブリッドカーなどにのみ設定されています。通常のエンジンであれば、アクセルを離すと自然と負荷がかかり、エンジンブレーキがかかります。
しかし、ハイブリッドカーなどでDレンジを離したときに回生ブレーキによって発電される仕組みになっており、エンジンブレーキがかからないようになっています。
その為、エンジンブレーキを利かせるレンジとして「B」レンジが設定されています。

「S」はスポーツモード(SPORTS)

「S」はスポーツモードを意味し、マニュアル車においてギアを下げるためのものです。これにより、強い加速が得られたり、エンジンブレーキの効果が得られたりします。メーカーは上り坂や下り坂といった坂道で使うことを想定しているようです。

「L」はロー(LOW)

「L」はローを表し、オートマチック車においてギアを1速に落とすことを意味します。用途は「S」と同じですが、最近のオートマチック車ではそもそも「L」が用意されていないものも多いです。
これは、昔のオートマチック車は、シフトダウンを積極的におこなわず、十分なエンジンブレーキを得るために手動でギアを落とす必要があったのに対し、最近では「D」に入れておくだけで最適なギアを選択するようになっており不要になったためです。
新しい車であれば、「L」があってもあえて使う必要はないのかもしれません。

「M」はマニュアルモード

「M」はオートマチック車において自分でギアを操作して運転を楽しむためのもの。クラッチなしのかんたんな操作でマニュアル車のような車との一体感を楽しむことができます。
ただし、ギアポジションごとに限界速度が存在し、それを超えないようにすることが推奨されている点には注意が必要です。これを守らないとエンジンが過度に回転し、エンジンを傷めることにつながるので必ず確認しましょう。

ニュートラルギア(N)は何のため?

すべてのオートマチック車に備わっているのに使ったことがない人が多いであろうニュートラルギア(N)。
何のためにあるのでしょうか?

押したり牽引したりするときに利用

ギアをニュートラルギアにすると、ギアがエンジン動力から外れた状態になります。このため、エンジンを回しても車は動きません。つまり、ギアがエンジン動力から外れることでタイヤが回転するときの抵抗が減ることから、ニュートラルギアは車を押したり牽引したりするときに利用します。
パーキング(P)やドライブ(D)に入れていると車を押すときに強い力が必要となり人間の力では動かすことができません。
ニュートラルギアなら数人で押せば動かすことが可能。踏切で立ち往生したときなど、いざというときのために覚えておきましょう。

走行中は使うべきではない

ニュートラルギアは緊急時のためのものであり、走行中には使うべきではありません。
その理由はまず、オートマチック車は頻繁なギア変更が想定されておらず、ギアチェンジを繰り返すことでギアを傷める可能性があることが挙げられます。
また、停車時にニュートラルギアにしていると、後続車に追突されそうになったときに急発進して回避することができません。
このため、ニュートラルギアは普段は使わないようにすることがおすすめです。

下り坂で使っても燃費は良くならない

ニュートラルギアについて、下り坂で使うと燃費が良くなりそうな感覚。残念ながらこれは正しくなく、むしろ燃費が悪くなる可能性があります。
ギアをドライブに入れていると負荷が低い場合は燃料がカットされ、エンジンへガソリンが送られなくなるのですが、ニュートラルギアの場合はアイドルを維持するための燃料が使われます。
さらに、ニュートラルギアの場合はエンジンブレーキが働かないため、その状態でずっと峠道をくだろうものなら、最悪ブレーキパッドやブレーキ液が加熱されることによるフェード現象やベーパーロック現象により、ブレーキが効かなくなる可能性もあるのです。
従いまして下り坂でニュートラルギアを使うことは速度オーバーになるだけで、メリットがなさそうです。

車のシフトチェンジにおける注意点

ギアチェンジをおこなう際はどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。オートマチック車とマニュアル車それぞれについて解説します。

オートマ車の場合

オートマチック車では、まず、パーキングギアに入れるのは車が完全に停止してからにしましょう。まだ動いているときにパーキングギアに入れると、車が急停止し、トランスミッションに負荷がかかるほか、追突などのリスクがあります。
また、上り坂でギアをドライブにしたままアクセルを離し、バックするとブレーキが効きにくくなったり、ハンドルが重くなったりするため注意しましょう。

マニュアル車の場合

マニュアル車の場合は走行のためにギアチェンジが必須であり、燃費にも直結します。
気をつけたいのは、高速で走行中に低いギアに入れないようにするという点。エンジンの回転数が許容回転数を超えてしまい、壊れてしまう可能性があります。
また、平地でブレーキペダルを踏まずにエンジンブレーキだけで速度を落とすのもおすすめできません。シフトダウンをおこなうとエンジンの回転数が高くなり、エンジンやクラッチが摩耗する可能性があります。
当然、エンジンやトランスミッションの修理より、ブレーキパッドの交換の方が安いため、減速には素直にブレーキペダルを踏むのがおすすめです。

ギアの故障について

車が走る上で重要なギアは、比較的故障頻度の低いパーツですが、故障が起きないわけではありません。故障の原因や修理の費用、長持ちさせるコツについて解説します。

故障の原因

オートマ車においてギアが故障する原因としては、まず、経年劣化が挙げられます。走行に伴い、部品の摩耗や破損が起きるため、乗り続ければいつかは故障するでしょう。
また、ATFと呼ばれる、ギアの潤滑や油圧の調整を担っているミッションオイルに漏れや不適切な交換が起きると、ギアの故障につながることもがあります。
実際、廃車ひきとり110番でお買取りさせていただくお車にも、特に長く乗られた軽自動車や外車において、ギアが空回りするようなオートマ滑りという状況でスピードが出ない、オートマのギアチェンジのショックが大きくガタッとなるなどの理由で廃車になるお車もございます。
ミッション車においても、やはり、経年劣化が故障の原因です。また、一番多い故障はクラッチの摩耗といわれ、半クラッチ状態が長かったり、エンジン回転数が高い状態でクラッチをつないだりすると、クラッチの寿命は短くなります。
クラッチペダルの上に足を乗せ続けて運転されるくせがある方は、少しずつクラッチの摩耗がはっせいしているかもしれません。

修理費用の目安

ギアの修理費用は、オートマチック車の場合、ATFの交換であれば5,000円から30,000円程度で済むといわれています。しかしながら、ATミッションの交換やオーバーホールが必要な場合は軽自動車でも20万円、ミニバンなどでは60万円かかるといわれ、かなりの出費に。
排気量が大きいエンジンや、機関の構造が複雑な場合はより高くなるでしょう。
マニュアル車についても、ミッション交換やオーバーホールには20万円から100万円以上かかるといわれており、新しい車を買った方が安いこともあるかもしれません。

ギアを長持ちさせるには?

では、ギアを長持ちさせるにはどうしたらいいでしょうか。
オートマチック車の場合は、

  • 完全に停車してからパーキングやリアにシフトチェンジする
  • タイヤをスリップさせない
  • 坂道でブレーキを使わずにアクセルだけで停車しない
  • 走行中にニュートラルにしない
  • 走行前に暖気する
  • できるだけ一定速度で走行する
  • 定期的にATFを交換する

といったことを心がけると良いでしょう。
マニュアル車の場合、

  • 半クラッチ状態を長く維持しない
  • シフトチェンジ時はクラッチを床まで踏む
  • エンジンが高速回転しているときにシフトダウンしない
  • ギアを力で無理矢理変更しな
  • シフト操作は丁寧かつ一定速度でおこなう
  • オイル交換を適切におこなう

といったことをおこなえば長持ちするでしょう。

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