車が整備不良と判断された場合、どのくらい点数が加算されてしまうのでしょうか。またどのような罰則があるのでしょう。整備不良を放置しないため、こまめな点検は必要不可欠です。 今回は車が整備不良であった場合の点数や罰金について解説します。
そもそも整備不良の車とは?
では実際に、整備不良と判断される車とは、どのような状態を指すのかご存知ですか?反対に「整備がしっかりとされている」とは、どのような車なのでしょう。 ここでは整備不良とされる基準について簡単に解説したうえで、道路交通法での定義を確認します。また整備不良をそのまま放置してしまった場合のリスクも説明するので、参考にしてください。
運転手自身が危険となる他にも、整備不良を認識していながら、放置して運転していた場合には、さまざまなリスクが伴います。 まずは周囲の人への影響。たとえ整備不良が確認できているところが一箇所であっても、車はさまざまなパーツが連動してエンジンを動かしています。予想外に、他のパーツへ悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。重大な事故を引き起こした場合、歩行者や他車へ危害が及ぶことも十分に考えられます。 また、警察によって整備不良が認められた場合、違反点や罰金が課せられる可能性もあります。ときには、保険が適用されなくなるケースもあるため、運転手の方は日頃から、しっかりと車を整備しておきましょう。
どういう状態の車を「整備不良」とされるのか
整備不良の車を、ひと言で説明すると「車検にとおらない車」です。車検にとおらない、即ちそのままの状態では、公道を走るのが危険と判断される車のことを指して、整備不良といいます。
整備不良の車として、多く見られるのはヘッドライトやウインカーのランプが切れているものです。 もちろん、車検のときには問題なく付いていたのに、その後にランプが切れてしまうといったケースもあるため、整備不良だからといって、すぐに厳しい処罰がされるわけではありません。
しかし、ウインカーが切れていれば車線変更時、後ろの車に合図が送れず、事故を起こしてしまうかもしれません。 後ほど詳しく説明しますが、整備不良の車をそのまま運転し続けることは、自身や周りの人の安全を脅かす可能性があると、意識しましょう。
道路交通法での記載は?
整備不良の車について、道路交通法上では、どのように記載されているのでしょうか。整備不良については、道路交通法の第63条に記載されています。 同項目では、整備不良の車について、以下のように定められています。
整備不良を放置した場合はどうなる?
運転手自身が危険となる他にも、整備不良を認識していながら、放置して運転していた場合には、さまざまなリスクが伴います。
まずは周囲の人への影響。たとえ整備不良が確認できているところが一箇所であっても、車はさまざまなパーツが連動してエンジンを動かしています。予想外に、他のパーツへ悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。 重大な事故を引き起こした場合、歩行者や他車へ危害が及ぶことも十分に考えられます。
また、警察によって整備不良が認められた場合、違反点や罰金が課せられる可能性もあります。ときには、保険が適用されなくなるケースもあるため、運転手の方は日頃から、しっかりと車を整備しておきましょう。
整備不良が発覚した場合の点数や罰則は?
さきほど、警察によって整備不良が認められた場合は、違反点や罰金などの罰則を受けると説明しました。 では整備不良の車を運転していた場合、どのくらいの違反点が課されるのでしょうか?ここでは整備不良による違反点や、可能性として考えられる罰則について解説します。 罰則点が重なると最悪の場合は、免許取り消しという事態も考えられるので、くれぐれも注意しましょう。
整備不良の点数は?
ひと言で整備不良といっても「どの部分が整備されていないのか」によって、違反点は変わります。 細かな部品ごとの違反点や罰則については、後ほど紹介するため、ここでは平均的な点数について解説します。
制動装置などが整備不良であった場合の違反点は、2点ほど。尾灯などの整備不良の場合は1点であることが多いようです。
「1点や2点では大したことないのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、違反点が6〜7点になると、30日間免許停止となります。積み重なると、数年間停止されてしまう可能性もあるため、1点だからと油断しないようにしてください。
整備不良の罰則は?
罰則は違反点だけでなく、罰金も課されます。罰金は車両の大きさによって、異なります。
制御装置の場合、原付車は6千円、二輪車は7千円、普通車は9千円、大型車は1万2千円の罰金が発生します。
尾灯の場合は、原付車が5千円、二輪車は6千円、普通車は7千円、大型車は9千円。点数だけでなく、罰金も支払わなければならないため、やはり整備不良を放置しておくのは避けるべきでしょう。
整備不良の部分ごとに点数や罰則が異なる
前述したように、どの部品が整備不良であったのか、パーツによっても罰則は異なります。制御装置など、故障していることで事故に直結する可能性の高い部品は、当然ながら罰則も厳しくなるでしょう。
「整備不良かもしれない」と感じているパーツがどこなのか、しっかりと確認しておきましょう。
もちろん、どこのパーツでも車の整備不良は、放置すべきではありませんので、参考程度にしてください。
灯火類
整備不良のパーツは、大きく「制動装置」と「尾灯」に分けられます。前述したように、違反点は制動装置が2点、尾灯が1点です。 最も多く見られる整備不良である「灯火類」は尾灯に分類されるため、違反点は1点。
テールランプやヘッドライト、ナンバー灯、ウインカー、バックランプなど、車には多くのライトが付いています。ライトが切れているケースだけでなく、ヒビが入っている、破損があるなどの場合も整備不良です。
そしてもちろん、それら全てが整備対象であるため、ひとつでも整備不良と認められてしまえば、罰則が発生します。
エンジンルーム
エンジンルームは制動装置に分類されます。そのため、整備不良であった場合、違反点は2点です。
エンジンルームには、エンジンオイルやバッテリー液、ウィンドウォッシャー液なども含まれます。エンジンが不調などの場合だけでなく、これらのオイル類を切らしていることも整備不良と判断されてしまうため、無くなりそうだと感じたらすぐに補充しましょう。
またあまりにもオイルの減りが早い場合は、どこかでオイル漏れを起こしている可能性があります。速やかに整備・点検を依頼してください。
制御装置
ブレーキをはじめとした制御装置も「制動装置」に含まれます。整備不良が発見された場合は、2点の違反点が課せられるでしょう。
ブレーキは、車を安全に運転するうえで欠かせません。しかし、多くの方が自分自身でブレーキパットの交換をおこなうことはないでしょう。専門知識をもった業者にチェックしてもらう必要があるため、こまめな点検が重要となります。
運転席周り
運転席周りもエンジンルームと同様です。点検する項目としては、サイドブレーキやワイパー、ブレーキペダル、エンジンのかかり具合、作動音などが含まれます。つまり整備不良と判断されてしまうのも、これらの項目に沿ったパーツということです。
こちらも制動装置なので、違反すれば2点+罰金が課されます。罰則だけでなく、事故を未然に防ぐためにもしっかりと点検してもらいましょう。
タイヤ
整備不良を避けるためには、タイヤの点検も欠かせません。タイヤをチェックするうえで、見ておきたいポイントは、タイヤの空気圧と溝です。
タイヤの空気圧は、自宅で確認するのは難しいため、車検やガソリンを補給する際にチェックしましょう。タイヤは空気圧に異常をきたすと、破裂や剥離のリスクがあります。こまめに点検してください。
タイヤの溝が浅くなってしまうと、スリップの危険性を高めます。残り1.6mmほどになっている場合は、速やかに交換しましょう。
整備不良車が事故を起こした場合の責任は?
整備不良を放置したことで、事故を起こしてしまうのは最悪のケースです。では事故を起こしてしまった場合、運転手にはどのような責任があるのでしょうか?刑事責任と民事責任の両方から見ていきます。また整備不良が原因となる事故は「未然に避けられた事故」です。その場合、自動車保険は適用されるのでしょうか、あわせて解説します。
刑事責任では?
整備不良の車を運転していて、事故をおこしてしまった場合、刑事法上では運転手に対してどのような責任が認められるのでしょうか。
事故によって、他者に怪我をおわせてしまった場合や死亡させてしまった場合は、法律5条「過失運転致死傷罪」が適用されます。この場合7年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金刑となります。
民事責任では?
民事責任としては、整備不良の車による事故の場合、事故による損害を賠償する義務が課せられます。ときには運転手だけでなく、整備担当者への責任が認められるケースもあるでしょう。整備不良車両が社用車であった場合は、会社側へも責任義務が生じます。
また整備不良による事故は、整備不良であったことに加えて、運転手の注意義務違反であるケースも多いです。その場合運転手には、さらに重い責任が問われるでしょう。
自動車保険は使える?使えない?
整備不良によって交通事故を起こしてしまった場合、自動車保険は適用されるのでしょうか。保険会社によって適用されるケースとそうでない場合があり、内容が異なります。
通常の事故であれば、任意保険や自賠責保険などから保険金が支払われます。事故の相手には対人(物)賠償保険が支払われ、本人には人身傷害保険が支払われるでしょう。
しかし、整備不良が原因であり「過失」と見なされた場合は、事故を起こした本人には、保険金が支払われない可能性があります。
整備不良の車を売却するときの注意点
車が整備不良であり、且つ修理をするよりも売却してしまったほうがいいという場合もあります。修理にかかる費用は、パーツによって異なりますが、部品によっては、修理にかかる費用が高額になってしまう可能性があるためです。ここでは整備不良の車を売却する際の注意点や、業者の選び方、廃車にする場合について解説します。
売却するときの注意点は?
整備不良の車であっても、売却する場合は注意点がいくつかあります。具体的には以下5つです。
- 査定額が時期によって変わることを認識しておくこと
- 修理歴などを偽らないこと
- 契約後のキャンセルは避けること
- 不具合箇所を伝えること
- 慌てて契約せず、2-3社の査定をとること
整備不良の車であっても、買取業者を選ぶ際には、しっかりと下調べをしておきましょう。買取に適した時期やいくつかの業者に問合せすることで、足元を見られることを避けることもできます。
いくつかの業者に査定を出そう
整備不良の車を売却する場合であっても、せっかくならば少しでも高い値段で売りたいですよね。業者を選ぶときは、いくつもの業者に見積もり依頼を出しましょう。
一括で複数の買取業者へ査定依頼ができるサービスもあるので、賢く利用してみてください。いくつか比べることで相場観ができますので、あとは対応などで決めましょう。また、不具合箇所はしっかり伝え、あとから減額がないかなどは必ず念を押しましょう。
値段がつかないときは廃車買取してもらおう
故障がひどく、値段がつかない場合もあるでしょう。そのようなときは思い切って廃車にしてしまうしかありません。もちろん故障していない部品はリサイクルできるため、ただ廃車にするのではなく「廃車買取」を利用してください。
比較的高額な部品がリサイクルできると判断された場合は、買取価格も高額になる可能性があります。
こまめに点検して、整備不良を避けよう!
整備不良の車を運転していたことで発生する、違反点について解説しました。違反点や罰金は、誰しも避けたいところです。日頃の点検がそうした罰則や事故を回避することに繋がります。
点検によって重大な故障が見られ、廃車にしなければならないこともあるかもしれません。そんなときは気軽に「廃車ひきとり110番」に相談してみてください。