1. 廃車するときの豆知識

車を処分するのに解体屋はどう?部品取りなどで儲かる理由についても解説

解体屋

車を処分する際に考えられる手段はいくつもありますが、そのなかで昔からのイメージとして存在しているのが車の解体屋さん(以下、解体屋とします)ではないでしょうか。 処分の方法として適切なのかや、解体屋が部品取りなどでどうやって儲かっているのかについても解説します。

車の解体屋とは

まずは車の解体屋とはどのようなものなのか、基本的な事柄について解説します。

車を解体して金属や部品を回収する業者

車の解体屋とは、簡単にいうと車を解体し、その際に発生する金属や部品を回収して売る業者のことです。

なんとなく怖いというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、近年は厳しい許認可、排出する側の選別もあり、いわゆるガラの悪い業者は淘汰されてしまったといえます。後述する解体屋の選び方に従って選べば、安心して任せられることでしょう。

修理して中古車として販売することも

解体屋は常に車を解体するわけではなく、修理して動くものであれば、修理をおこなった上で中古車として販売することもあります。

このときの買い手は主にパキスタンなどの南アジア系もしくは中東系外国人バイヤーであり、世界的ネットワークで海外への輸出をおこなっています。日本車は海外でも評判が高いため、解体しないことで環境への負荷も下げることができ、解体屋としてもより利益を出すことが可能です。

青空解体が禁止されるなど規制や監視は厳しい

車の解体屋に対する規制や監視は厳しくなっています。たとえば2005年(平成17年)から施行されたいわゆる自動車リサイクル法では、自動車を正しくリサイクルすることが義務づけられました。解体作業場では青空解体が禁止され、塀で囲むこと、油水分離層の設置義務など周辺環境に悪影響を及ぼさない設備がないと解体業の許可が取れなくなりました。

保管可能台数や保管可能期間なども設定され、無秩序に放置されることを防止しています。

また、自治体によっては「ヤード規制条例」と呼ばれる条例が定められ、解体施設について経営者の届け出義務や、自動車や部品の取引記録を作成する義務が生まれました。警察官の立ち入り権限強化や規定に違反した業者に是正命令を出すこともでき、命令に違反した場合の罰則も定められています。

解体屋の数は減少傾向

市場環境の悪化、人的問題により日本における解体屋の数は減少傾向にあるようです。調査によると、2010年には4,367あった解体事業者の数は3,367まで減っています。

中古車販売、リース・レンタカー、タイヤショップといった多角経営をしているところもあり、純粋な解体屋の数はさらに少ないとみられます。

解体屋での車の解体手順

解体屋ではどのように車を解体するのでしょうか。その手順を見てみましょう。

エアコンガス(フロン類)やエアバッグ類の展開・取り外し

まずは法令で定められた部品などの処理をおこないます。

まず、オゾン層破壊の原因物質といわれているフロン類をカーエアコンから抜き取ります。専用ボンベに回収し、専門の破壊処理業者に引き渡します。

また、爆発の危険性があるエアバッグ装置については転売が禁止されているため、破壊もしくはインフレーターを専門の処理業者に引き渡します。

この際に合わせて廃タイヤの取り外しも行います。タイヤとホイールに分けて廃タイヤは有償処分、ホイールは有価物として転売というパターンと、タイヤとホイールを付けたまま無料もしくは状態やホイールの素材により有価で転売するパターンがあります。

ガソリンやエンジンオイル、冷却水を取り除く

続いて、ガソリンやエンジンオイル、冷却水などの液体類を抜き取ります。引火物に該当するため、消防法にのっとった設備環境下のもと、抜き取り機もしくは物理的にタンクに穴をあけて自然落下などの形で分別回収されます。

ガソリンは場内の作業用リフトなどに転用されたりしますが、余った燃料や廃オイル、冷却水は有償で専用の回収業者に引き渡されます。

環境を汚染するものであるため、分離層、コンクリート張りなど地下浸透を防ぐような設備環境が求められています。

再利用可能な部品の取り外し

ここまでの事前処理を経て、次に転売できるような有価物の取り外しとなります。

ドア、バンパー、ライト、ミラーなどの外装部品、オーディオ、カーナビの他、メーター類などの内装部品、エンジン、ミッション、マフラー、ハーネス類、ストラット、コンピューター類、ラジエター、バッテリーなどなど、自動車を構成するありとあらゆる部品が細かく取り外されます。

取り外された部品は国内市場、海外市場で中古部品、リビルト用コア部品、金属くずなどとして再販されます。

なお、希少金属を含むハイブリッドバッテリーなどはメーカーへ返却される場合もあります。

なお、この取り外し工程は、解体屋によりニブラと呼ばれる解体専用重機で取り外される場合と人の手で一点一点取り外される場合があります。

破砕処理

最終的に残った残がい(ガラといいます)はプレスされたのち、シュレッダー業者でさらに資源化できないゴミと資源に分別、もしくは製鉄会社に運ばれ溶解、リサイクルされます。

資源化できない残りのものは埋め立て処分されます。

解体屋が儲かる仕組みは?利益を出す手段を知っておこう

車の解体屋はどのように利益を出しているのでしょうか。その手段について解説します。

鉄資源のリサイクル

自動車部品の多くは鉄を原料として製造されています。解体時に出た鉄は、資源価値があるため、リサイクル業者に売ることで利益を得ます。例えは鉄資源会社の買取金額がキロ20円だとしますと、一般的な車に使われる鉄は0.75トンほどといわれていますので、車1台あたり15,000円の利益が出ることになります。軽自動車の場合は0.4トンほどなので8,000円程度です。

鉄スクラップの卸売市場での金額は新聞などのメディアでも確認できますが、リサイクルされる鉄の種類などにより金額は異なるため、実際に車の解体から出る鉄の換算額はわかりません。しかし、大きな資源価格の流れを見るうえでは参考になるでしょう。

パーツを販売

国内市場で修理需要のあるパーツは中古部品やリビルト用部品として、海外で人気のあるメーカーのものはコンテナに詰められ海外へ中古部品としてそれぞれ転売されます。

海外バイヤーの中には日本に現地スタッフが来て買い付けている業者もあります。

中古車として販売

日本では過走行などを理由に手放された車でも海外で修理して使えるものもあります。海外で人気のあるメーカーの車や車種は解体をせずそのまま車両として転売されます。

ただ、各国の年式規制(製造から何年以内のもの)やハンドル規制(右ハンドル不可など)、関税などの問題で日本車であればなんでもOKということはなく、限られた年式、車種が海外へ出ていきます。実際、解体したほうが売り上げがあがる車もたくさんあります。

数をこなさないと儲からない

その他、エアバッグの展開やエアコンガスを抜く作業代としての何百円~千数百円かの手数料があります。製品を生産するのではないため、売り上げを上げるためには当然数を集めてこないと固定費をカバーできないため、数を集めることが必要な商売です。

車の処分時には解体屋を選ぶべき?

車を処分したいときには解体屋を最初から選ぶべきでしょうか。答えは「車による」です。自身では判断がつかないので、複数の業者を当ってみましょう。

まずは車の買取業者をあたる

自分では価値がないと思っていても、実は意外な価値があって高く売れる可能性があります。

査定だけなら無料という業者も多く、インターネット上には一括査定を依頼できるサイトもあるため、年式が新車登録から10年以内と比較的新しく、走行距離も10万キロも走っていないという車であればそういったところをうまく利用して買取してもらいましょう。

廃車買取業者もお忘れ無く

買取業者では数万円もつかなかった、もしくは0円だったという場合は、廃車買取業者に尋ねてみましょう。故障している、事故をしているといった場合でも買い取ってくれる場合がほとんどなので一聞の価値ありです。

たとえば廃車ひきとり110番なら、これまでの取引の90%以上は1,000円以上で買取をおこなっております。引取や廃車処理の代行、税金や保険の還付金手続きも行います。

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解体屋でも買取をおこなっていることがある

解体屋のなかにも一般からの買取をおこなっている業者があります。サービスに関しては業者によりまちまちですが、解体屋のほうが買取価格が高いケースもあります。

近所にある、自分で手間をかけても良いから少しでも高く売りたいという場合は、検討してみると良いでしょう。

解体屋に依頼する際の4つの注意点

解体屋はどのように選べば良いのでしょうか。4つの注意点を解説します。

許認可を確認する

まず、国が認可しているリサイクル工場を持っている業者を選びましょう。

車を解体できるのは、国が認可した工場を持っている業者だけであり、「自動車解体業」の許認可が必要です。もし万が一、それ以外の会社が解体をしている場合は違法におこなっているということになります。

廃車ひきとり110番においても、許認可を持つ自社グループ会社もしくは提携の業者にて解体処分を行っています。

「自動車リサイクルシステム」で許認可を持っている業者を確認できるので、自動車リサイクル法による許認可や解体業認可を取得している会社かどうかをあらかじめ確認しておくと安心です。

廃車手続きを代行してくれる

車を解体する際は行政に対する廃車手続きも必要ですが、自分でやると面倒なもの。この手続きを代行してくれる業者を選ぶと楽です。代行手数料を無料にしている業者もあるため、そういった観点で探してみると良いかもしれません。

見積額が適正

買取にせよ処分費用にせよ、適正な見積もり額の業者を選ぶことが大事です。前述の通り解体業者は1台で大きな儲けが出る商売ではありません。それにもかかわらず、あまりにも高い買取見積もりや、あまりにも安い処分費用を提示された場合は、たとえば買取時に大幅な減額を提示するなど、後々トラブルになる可能性もあります。

見積もりについて丁寧な解説をしてくれるなど、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

廃車ひきとり110番ならほとんどの車が買取可能

車の処分を考えているなら、廃車ひきとり110番を検討してみてはいかがでしょうか。処分にかかる費用は、鍵がない、トラックで作業できない場所に車があるないなど特殊な場合を除き、引取料も含め0円のうえに、引き取り実績の9割以上は1,000以上での買取を実施しています。

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