車が動くために必須であるタイミングベルトは時間とともに劣化する部品であり、定期的に交換が必要となります。タイミングベルトが切れるとエンジンが動かなくなるため、寿命が来る前に交換するようにしましょう。交換費用の目安や交換時期、劣化の原因やタイミングベルトの劣化によって起こる異常について解説します。
タイミングベルトはどのような部品?
まずはタイミングベルトがどのような部品なのか、概要を解説します。
クランクシャフトとカムシャフトを連動させる部品
タイミングベルトとは、一言でいえばクランクシャフトとカムシャフトを連動させるための部品です。
クランクシャフトはエンジンの上下の動きを車輪の回転動作へと変換するための部品であり、カムシャフトはエンジンの吸気と排気のタイミングでバルブを開閉するための部品です。
どちらもエンジンの動作に欠かせない部品であり、タイミングベルトも重要な部品であるといえるでしょう。
吸排気のタイミングをつかさどるので「タイミング」ベルト
タイミングベルトはその名のとおり、「タイミング」をつかさどっています。
一般的にエンジンは、吸気→圧縮→燃焼→排気という4つの動作を繰り返しおこないますが、この動作と車輪の回転が同期していないとうまく動くことができません。
タイミングベルトによってクランクシャフトの動力をカムシャフトに伝えることにより、適切なタイミングでバルブが開閉し、エンジンを正しく動作させ続けることができるのです。
エンジンルーム内に見えるベルトはタイミングベルトではない
エンジンルームを開けたときにベルト状の部品が見えるかもしれませんが、これはタイミングベルトではありません。ファンベルト、オルタネートベルト、エアコンベルト、パワーステアリングベルトである可能性があります。
このため、目視でタイミングベルトの状態を確認することができず、他の方法で寿命を判断することになります。
タイミングベルトの寿命は?
目視できないタイミングベルトに対し、どのように寿命を判断すべきでしょうか。
10万kmでの交換が一般的なタイミング
メーカーでは新車から10年または走行距離が10万キロ以内の交換を推奨しています。
従いましてその前後の車検のタイミングで交換を進められることが多いと思いますが、10万キロ前半で廃車を考える方が多いので、交換したことがないという方も多いと思います。
ただし、後述するとおり使用環境によってはもっと早く劣化が進み、10万kmに達する前に切れることもあり得ます。
「タイミングチェーン」が主流になりつつある
タイミングベルトはゴム素材でできているため、どうしても時間とともに劣化が進みます。
このため、最近は金属製のタイミングチェーンが使われることが多いです。
以前は音がうるさく、性能が悪かった部品のようでしたが、最近は技術の改善によりタイミングベルトに取って代わる存在となりました。
タイミングベルトが劣化する3つの要因
基本的には寿命が長いタイミングベルトですが、使用環境によっては寿命が短くなります。その要因を2つご紹介しましょう。
劣化したエンジンオイルを使用
エンジンオイルが古い、または汚れた状態で走行するとエンジンの動きが鈍くなり、タイミングベルトに負荷がかかるようになります。大きな負荷がかかるとゴムでできたベルトは劣化が進み、切れやすくなるでしょう。
古いエンジンオイルは他にもエンジンに悪影響を与えるため、適切なタイミング(半年か5,000kmごと)で新しくすることをおすすめします。
冷却水やエンジンオイル不足
ゴムでできたタイミングベルトは熱によって劣化が進みます。このため、冷却水やエンジンオイルが不足に陥るとオーバーヒート気味になり、タイミングベルトの劣化を早めることになるでしょう。
冷却水もエンジンオイルも不足するとエンジンにダメージを与えますので、漏れがないか、量は足りているかなど定期的にチェックするようにしてください。
タイミングベルトが切れる前は何か異常が出る?
外から見えないタイミングベルトは、もう交換しないとまずい、切れかかっているなどの予測ができません。その理由解説します。
異常が出てからでは遅い
タイミングベルトは切れてしまうとエンジンが止まってしまいます。そのため、異音を発した時点で切れているため、そろそろ変えないとまずい音がしているななどという予測ができないのです。
もし、走行中にエンジンルームから異音が聞こえた場合、それでもまだエンジンが動いているようであれば、それはタイミングベルトが切れたのではなく、ファンベルトやエアコンベルトが原因であると考えられます。
車検でもタイミングベルトは点検されない
車検の時もタイミングベルトをチェックされることはありません。というのもタイミングベルトはカバーでおおわれているため、作業数が伴うため、無料診断する範囲を超えてしまうのです。
もちろん、しっかり工賃を払えばチェックはしてもらえるかもしれませんが、そこまでするのであれば交換したほうが良いでしょう。
当然、タイミングベルトのチェックというのは車検点検整備項目にはありません。
タイミングベルトが切れてしまったら
タイミングベルトが仮に切れてしまった場合、愛車にどのような影響があって、またそれは修理できるのでしょうか?以下でご説明します。
走行不可能になる
タイミングベルトは先述の通り、エンジンの吸気と排気のタイミングに作用するものであり、万が一切れてしまうとバルブの開閉ができない、すなわちエンジンが動かなくなってしまいます。
急にエンジンがとまり、エンジンの駆動に紐づいている電気系統も全て停止してしまいます。これはブレーキやパワーステアリングも効きにくくなることを意味しますので非常に怖いです。
エンジンが深刻なダメージを受けることも
エンジンでは、熱がこもり過ぎないように空気が常に循環しています。その役割を担うタイミングベルトに異常があると、場合によっては吸気と排気のタイミングがずれ、シリンダー内でピストンとバルブが干渉する可能性が生じます。
その結果、エンジン自体が深刻なダメージを受け、その場合、高額な修理費が必要となることになります。
タイミングベルト交換費用は安
タイミングベルトを交換する際に必要となる費用について解説します。
ベルト自体は安いが工賃が高い
タイミングベルト交換費用の相場は、軽自動車で30,000円前後、普通自動車で60,000円前後です。また、車種によっては10万円以上かかることもあるでしょう。
ベルト自体は数千円で購入できます。しかしながら、エンジンベルトはエンジンカバーのなかにあるため、カバーを外して作業する必要があるので工賃が高いのです。
さらに、スポーツカーなどミッドシップレイアウトなどの場合は、エンジン自体を車から外して作業する必要があるため、さらに高額になります。
一緒に交換が推奨される部品もありさらに高額に
車の走行距離が10万kmに達していた場合、交換が推奨される部品はタイミングベルトだけではありません。
ウォーターポンプ、点火プラグ、サーモスタット、ラジエーターホースやキャップ、フィルター類、オルタネーターなど、さまざまな部品の交換目安が10kmの走行となっており、同時に他の部品も交換が必要となるでしょう。
その総額は10万円から30万円が相場であり、かなりの出費となります。
タイミングベルトの交換ってどのくらいかかるの?
タイミングベルト交換のタイミングで廃車を考えてみては?
タイミングベルトの交換時期にはさまざまな部品の交換が必要となり、大きな出費が必要となります。このため、タイミングベルト交換の時期となる10万キロから15キロ程度で車の買い換えを検討される方は多いのです。
ただ、そのタイミングですと一般に年式が経過しており、また走行距離も10万キロオーバーとのことで、中古車買取業者が買取に値段をつけてくれない可能性もあるでしょう。
そんな時は「廃車ひきとり110番」でオンライン査定をご利用ください。
リサイクル券が払われていない、引取困難な地域にあるなどの特別な場合を除き、例え20万キロ走った軽でもほぼお値段をつけてお買取りさせていただいております。
もし不運にもタイミングベルトが切れてしまったお車でも、レッカーされた先の車屋さんなどに無料でお引取りにお伺いさせていただきます。
「廃車」というとお金がかかる、面倒だというイメージをお持ちかもしれませんが、車の購入時に比べると準備していただく書類も少なく非常に簡単です。唯一手間のかかる運輸局や軽自動車検査協会への登録も弊社で無料代行させていただきますので、お客様のお手間は最小限です。
電話する時間もないよというお忙しい方のために他社様と違い、LINEやメールで、査定や個別のやり取りも対応していますので、ぜひ弊社をご利用ください。