1. お車ユーザーの豆知識

車のお祓いってするべき?場所や料金など気になるアレコレを解説!

交通安全の祈願としておこなわれる車のお祓い(おはらい)。車は数年単位で付き合っていくうえに、交通事故によって命を危険にさらす可能性もあるものです。
だからこそ、しっかりとお祓いをして「悪いもの」は、排除しておきたいところでしょう。本記事では、車のお祓いをテーマに、料金や有名スポット、当日の服装についてなどを解説します。

車のお祓いは必要?

購入した住宅に住み始める前に、これからの安心安全を願って「地鎮祭」をおこなうことは、もはや周知のことかもしれません。

しかし、家だけでなく「車」にも、お祓いがされることはご存知でしょうか?家よりも短い付き合いである車には、お祓いは不要だと考える方もいるかもしれません。

では車のお祓いは何のためにするもので、どの程度の必要性があるのでしょうか。

そもそも車のお祓いって?

お祓いといっても、その種類はさまざまです。厄払いや家のお祓いだけでなく、赤ちゃんの健康を願う「お宮参り」も、お祓いに含まれるという考え方があるようです。

良くないことが続くから何とかしたい、安全に暮らしたいといった願いから、人は「お祓い」をします。これは、車であっても同様です。車のお祓いは、安全運転を願っておこなわれます。

購入から数年間、付き合っていく車。万が一、交通事故などがあれば怪我をしますし、場合によっては命にも関わります。家と同様に、安全を願ってお祓いをすることは、ごく自然なことでしょう。

やるかやらないかはドライバーさんの気持ち次第

もちろん車のお祓いは「義務」ではありません。これは初詣や家のお祓い、厄払いなどと同じです。「特別、お祓いの必要性を感じない」「お祓いをしなくても気にならない」という方にとっては不要です。

要するに、お祓いは「気持ちの問題」なのです。お祓いをして、無事故であったり、事故に遭っても大事に至らなかったりしたときには「お祓いのおかげ」と思えるかもしれません。

「気持ちだけの問題なら、わざわざ車のお祓いに行く人がいるのはなぜ?」と思うかもしれませんが、この「気持ちの在り方」こそがお祓いをする理由ともいえます。お祓いには、神社などで払うことによって、安全運転の心構えや精神の安定といった効果があります。

結局のところ、車で事故を起こさないためには、ドライバーが安全運転を心がけることが一番であり、お祓いはその心がけをする儀式なのです。

車のお祓いをするタイミング

車をお祓いする場合、ベストなタイミングなどはあるのでしょうか。「お祓いはしたいけれど、いつやればよいか分からない」という方へ向けて、本章では「お祓いの時期」について解説します。また、時期によっては避けたほうがよいタイミングもあります。おすすめの時期と合わせて紹介するので、車のお祓いを検討している方は、参考にしてください。

基本的には好きなタイミングで

先程、車をはじめとした「お祓い」には、特別な義務や決まりがないと説明しました。義務ではないため、当然お祓いをするタイミングにも決まりはありません。ドライバーにとって、都合の良いタイミングで構わないのです。

一般的には、中古車や新車が納車された日や、新年ということもあって、1月中にお祓いをおこなう人もいらっしゃるようです。まとめると、車のお祓いは、基本的に好きなタイミングで良いが、自分にとっての「区切り」となる時期を選ぶ人が多いということです。

大安吉日もおすすめ

結婚式や納車の日などでは、今でも六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)を意識し、日取りを決めている方が多いかもしれません。

六曜のなかでも、縁起が良いとされるのは「大安」。これからの安全運転を願うお祓いを、この日に設定したいという方もいらっしゃるでしょう。

もちろん、大安でなければならないということはありません。基本的に車をお祓いする際、六曜については、考慮する必要がないとされています。車のお祓いは大安でなくても良いですが「縁起が良い」ことを重視したい方は、大安がおすすめです。ただし、皆さん同じことをお考えなので、神社が混み合う恐れがあるため、事前に予約をしておきましょう。

廃車のタイミングでおこなうこともある

納車ではなく、廃車のタイミングでお祓いを受ける方もいらっしゃるかもしれません。これは、廃車供養、すなわち「今まで安全に走ってくれたことへの感謝」という意味を込めておこなうものです。

神社や寺院で依頼すれば執り行ってもらえます。

また、実際に廃車を行う自動車の解体業者などが年に一度定期的に会社として行っていることもあるようです。

長年愛用してきた車には、愛着も湧いていることでしょう。廃車となる車に対して「今までありがとう」といった気持ちをもつ方も、少なからずいらっしゃるはずです。これまでさまざまな場所へともに訪れた車なので、しっかり区切りをつけたいという方は、廃車のタイミングでのお祓いがおすすめです。

立て続けに事故があったとき

廃車や納車に関係なく、立て続けに交通事故を起こしてしまったタイミングで、自身とあわせてお祓いをするという方もいらっしゃいます。車についた「悪いもの」を祓う、安全運転への意識を入れ替えるなどの理由から、このようなタイミングでお祓いを受けるようです。

前述したように、お祓いをする一番の目的は「安全への意識を高めるため」です。お祓いによって気持ちを引き締めるとともに、事故を起こしてしまいネガティブになっている気持ちを切り替えることができるでしょう。

避けるべきタイミングもある

車のお祓いを避けるべきタイミングもあります。それは神社が混み合う時期です。初詣や七五三などのシーズンには、多くの人が神社に足を運びます。大安の日も混み合う可能性がありますが、これは神社によって異なるため、確認が必要です。

待ち時間が発生しても、そのタイミングが良いという方は、事前に予約をしておくとよいでしょう。また有名な神社で、お祓いを受けたい場合は、シーズンに関係なく混在している可能性があります。この場合でも、事前予約が必要となるでしょう。

自動車のお祓いの相場は?

神社で車のお祓いをしてもらう場合は、相応の「祈祷料」が必要です。しかし、神社の料金システムはあまり一般的ではなく、相場がわからないという方もいらっしゃるでしょう。車のお祓いにかかる費用は「祈祷料」または「初穂料」と呼びます。どちらも似たものを指しますが、本章ではそれぞれについて、意味と合わせて相場価格を解説します。

祈祷料の相場

車のお祓いをする際、神社に納めるお金のことを「祈祷料」と呼びます。金額は神社によって差があり、3,000円~10,000円ほどの場所もあります。そのため祈祷料の相場は、5,000円前後と考えて良いでしょう。

祈祷の他にも、神社にはお守りやお神酒なども用意されています。それらの値段は、お守りなどの内容や神社によってまちまちなので、気になる方は事前に確認しておきましょう。事前にインターネットで目安を表示されている神社もあります。

ただ、祈祷料を比較してというより、平素より何かの時にご祈祷をお願いされている神社に依頼されるのが通常ではないでしょうか

初穂料について

祈祷料と似たものに「初穂料(はつほりょう)」というものがあります。祈祷料とほとんど同じ意味を指し、どちらの名前で呼ぶのかは、神社によって異なります。

昔は、その年の最初に収穫した稲穂のことを「初穂」と呼び、神社に納めていたとされています。時代とともに稲穂ではなく、お金を納める習慣に変わっていきましたが、呼び方は昔のまま「初穂」となっています。そしてこの習慣こそが「初穂料」の起源です。

呼び方は違いますが、祈祷料も初穂料も意味は同じであるため、どちらの記載であっても相場価格は、5,000円前後と思って良いでしょう。

お祓いの流れ

初めて神社でお祓いをする方は、何から始めればいいのかよくわからない方も多いでしょう。神社で車のお祓いを受ける際は、次のような手順で準備をします。

  • 申し込みをする
  • 服装の準備をする

申し込みについては、直接出向き社務所で受付するのが通常ですが、普段は神主さんが不在なので事前予約が必要という場合もあり得るので、不安な場合は事前に電話やホームページで確認してください。服装については、後ほどマナーとともに解説します。

当日は、基本的に以下の流れで車のお祓いをおこないます。

  • 社務所で受付
  • 祝詞奏上
  • 自動車のお清め
  • 玉串拝礼
  • お守りの授与

まずは神社で受け付けをして、祈祷料を支払います。お祓いが始まったら、まずは神職による祝詞奏上。御幣による自動車のお清め、榊の枝(玉串)を捧げて拝礼します。最後に神職からお守りなどを受け取り、お祓いは完了となります。

お祓いのマナーは?

お祓いには、守らなければならないマナーがあります。当日の服装や祈祷料の包み方などがマナーに含まれます。もちろんマナー違反だからといって、当日お祓いを受けることができないというケースは稀ですが、知らずに当日を迎えてしまうと、思わぬ恥をかいてしまうかもしれません。ここでは基本的なマナーや服装、のし紙について解説します。

マナーや当日の服装

自動車のお祓いにかかわらず、神社参詣時には、マナーや作法があります。まずは、以下を参考に基本的な神社参拝のマナーを確認しておきましょう。

  1. 鳥居をくぐる前に一礼
  2. 参道の真ん中は歩かない

鳥居とは、いわば住宅で言うところの玄関。無言で人の家の玄関を通らないことと同じように、神社に入るときにも鳥居の前で一礼してください。また参道の真ん中は、神様の通り道です。神様が通れるように、真ん中を空けて歩きましょう。

お祓い当日の服装に決まりはありません。しかし、露出が激しい服や過度な装飾は、避けるましょう。大事な面接にそのような恰好で行かないですよね。ブラックやダークグレー、ネイビーなど、落ち着いた色味の服装を意識しましょう。

のし紙について

祈祷料や初穂料は、そのまま渡しません。「水引き」のある封筒にいれて渡すか、のし袋に入れて、受付に渡します。文房具店や百円ショップ、コンビニなどで販売されています。

のし袋の表に「祈祷料(初穂料)」と記載し、事前に確認した金額を封入します。表面下部中心には、氏名を記入してください。

急に依頼することになった場合を除き、基本的に現金のまま渡すのはマナー違反です。

車のお祓いで有名なスポット

いざ、神社に車のお祓いをお願いしようとすると、一体どこへ頼めばよいのかわかりませんよね。結論から言いますと、神主さんが常駐しているような神社であれば、基本的にどこでも受けられます。

ですが、安産や学業向上に強い神社があるのと同じ様に、交通安全の祈願が有名な神社もあるのでしょうか。いくつか都市部の神社をピックアップしました。

東京 谷保天満宮(ヤボテンマングウ)

東京都国立市にある「谷保天満宮」は公式ホームページでも「交通安全発祥の地」とうたっている神社で東日本最古の天満宮だそうです。

10:00-16:00まで随時受け付けられており予約の必要はありません。祈祷の際の玉串料はのし袋に包んでお持ちくださいとのことです。

自動車専用の祈祷所があります。アクセス方法などの詳細は谷保天満宮公式サイトに記載があります。

大阪 大阪成田山不動尊

神社ではありませんが、寺院である大阪府寝屋川市にある成田山不動尊(成田山大阪別院明王院)が有名です。

同院サイトによると”日本で初めて交通安全祈祷殿を建立し、交通災害からの救済を記念した寺院として広く知られ、年間二十万台のご祈祷車を迎える交通安全祈願の根本道場”だそうです。

新年に「新年お車安全祈願大祭」が開催される他、春と秋の交通安全運動に合わせ、3月15日から5月15日までの2カ月間と、9月15日から11月15日までの2カ月間に「交通安全祈願大祭」が行われています。

その他、毎日7:00~16:00まで交通安全祈祷が行われており、祈祷時間は15分程度とのこと。こちらも予約不要です。

詳細は成田山大阪別院明王院公式サイトに記載があります。

愛知 熱田神宮

愛知県で一番有名な神社といえば「熱田神宮」ではないでしょうか。

熱田神宮では「車祓い(くるまばらい)」というようで毎日朝8:30~16:00まで行われています。

こちらも詳細は熱田神宮公式サイトに記載があります。

福岡 宗像大社

福岡県で交通安全祈願といえば宗像市にある「宗像大社」が有名です。公式サイトでも古くから交通安全の信仰があり、全国各地より祈願に来られるそうです。

受付時間は毎日9:00~17:00で初穂料は普通車で5,000円とのことです。

詳細は宗像大社公式サイトに記載があります。

愛知 車神社

珍しいところでは愛知県新城市にある、その名も「車神社」です。社名、社紋、祭神が車と関わる全国唯一の神社だそうです。

車の安全祈願は毎日受け付けられているわけではなく、また御朱印も毎月第二日曜日の午前中と決まっているようです。

詳しくは車神社紹介サイトをご参照ください。

車もお祓いをして、安全に運転しよう

車のお祓いについて解説しました。納車時はもちろんのこと、新年の交通安全祈願でお祓いをすることもあるようです。安全運転を祈願したい、これまでの感謝を伝えたいなど、お祓いをする理由は、人によってさまざまでしょう。お祓いをすることで、より安全運転を心がけることができます。この機会にぜひ、車のお祓いについて考えてみてください。

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