アイドリングが不安定になると、異音や振動といった症状を引き起こします。そのまま放置していると重大なトラブルや事故にもつながりかねません。
そこで、本記事ではアイドリングが不安定と感じた際の対処法や関連部品を解説します。また、関連する部品を交換する際の費用相場もみていきましょう。
アイドリングとは何?
アイドリングとは、エンジンが掛かったままアクセルを踏まずに停止している状態のことです。アイドリング状態では、再度走行するために必要なエンジンの回転数を維持し続けており、エアコンの稼働や燃焼状態によっては、アイドリング状態に不安定さを感じるケースも少なくありません。
ここでは、アイドリングが不安定な車の特徴を理解するためにも、具体的な状態やハンチングについて解説します。
アイドリングが不安定な状態とは?
アイドリングが不安定な状態では、エンジンの異音や細かい振動を感じるケースが多いです。アイドリング中は車が停止した状態であるため、異音や振動を気に留めないという場合もあります。
しかし、何かしら違和感を覚えた場合は、何らかの問題が起きている可能性があります。原因によっては、走行にも大きな影響を与える可能性があり、そのままにしておくのは大変危険なので注意しましょう。
ハンチングとはどんな状態?
アイドリングが不安定になると「ハンチング」を起こす可能性があります。ハンチングとは、アイドリング中のエンジン音が急に大きくなったり小さくなったりする現象のことです。
エンジンの回転数を指示する計器の「タコメーター」を搭載した車では、メーターが上下に大きく振れる場合もあります。
多くの場合、走行を始めるとエンジンの回転は安定します。しかし、修理や点検をせずにそのまま放置していると、意図しない状況でエンストするケースもあるため注意しましょう。
アイドリングの不安定を引き起こす5つの部品
初めてアイドリングに不安定さを感じた方が原因を判別するのは難しいといえます。まずは、原因となりえる部品を知る必要があります。主な部品は次の5つです。
いずれも安定したアイドリングに欠かせない部品ばかりです。ここでは、部品ごとの役割や特徴について詳しくみていきましょう。
1.点火プラグ
点火プラグとは、燃料と空気を混ぜた混合気を火花によって発火させるための部品です。
エンジンは混合気の爆発を動力として動いています。そのため、エンジン内部では点火プラグが常に動作している状態であり、大きな負荷のかかっている部品の1つです。継続的な負荷によって劣化が生じると火花の飛びが弱くなり、アイドリングの不安定さを引き起こします。
i本でも完全に稼働しない状態になると加速ができなかったり、パワー不足に陥ります。
2.スロットルボディ
スロットルボディとは、燃料や酸素を取り込み、エンジンに送るための部品です。
スロットルボディ内部には、エンジンが燃焼した際に排出されるカーボンが溜まります。その結果として、スロットルボディに汚れや詰まり、劣化が生じてアイドリングが不安定になりエンストを起こす場合もあります。
多くの場合、カーボンによる汚れを取り除くことで、正常な状態に戻りますが、すすが溜まりやすい車種などがあり、その場合はまた距離を走ると同じような症状が発生しがちです。
3.イグニッションコイル
イグニッションコイルとは、ガソリンの燃焼に必要な点火プラグを作動させるための部品です。点火プラグが火花を飛ばすために要する電圧を供給する役割を果たします。
イグニッションコイルに劣化や故障が生じると、エンジンに必要な火花や電圧を供給できず、アイドリングの不安定さを引き起こします。さらに、加速力の低下やエンジン始動の不良にもつながるため、注意が必要な部品の1つです。
エアフィルター
エアフィルターはメンテナンスを怠ると、アイドリングの不安定につながります。エアフィルターとは、取り入れた空気をろ過し、きれいな空気だけをエンジンに送り込むための部品です。ろ過の機能を果たすエアフィルターを放置すると、目詰まりや汚れなどによって空気をエンジンに送り込めなくなります。
エアフロメーターやエンジンオイル
エアフロメーターとは、エンジンへの空気の吸入量を測定するための部品です。
エアフロメーターによって燃料の噴射量を決め、内燃機関に噴射します。そのため、故障すると正しい噴射量が測定できず、アイドリングの不安定さを引き起こします。また、センサーの汚れによって誤検知を起こしている場合もあるため注意が必要です。
なお、O2センサーという部品もエアフロメーターと同様の役割があり、この故障でも同様にアイドリングが不安定になります。
また、エンジンオイルはエンジンの部品の潤滑や冷却、清浄といった役割を果たす重要な部品です。エンジンオイルも放置しておると汚れが溜まり、エンジンの動きに不具合が生じます。
アイドリングが不安定と感じた際の5つの対処法
アイドリングに不安定さを感じた際の対処法に、次の5つが挙げられます。
- オイル交換やパーツ洗浄の実施
- 問題のある部品の交換
- 専門業者に点検依頼
- ガソリン添加剤の使用
- 新しい車への乗り換え
これら1つだけでなく、複数の対処法に同時に取り組むことで、より早く症状を解消できる可能性が高まります。ここでは、各対処法の詳しい内容についてみていきましょう。
1.オイル交換やパーツ洗浄の実施
アイドリングに不安定さを感じたら、まずオイル交換を実施してみましょう。
前述の通り、エンジンオイルはエンジン内のパーツが効率的に働くための重要な役割を果たします。機能を十分に発揮するためにも、走行距離では「3,000km~5,000km」、期間では「3ヶ月~6ヶ月ごと」のエンジンオイル交換をおすすめします。
また、目視による汚れのチェックも可能です。エンジンの熱が冷めた状態でボンネットを開け、輪っか状の取っ手がある「オイルレベルゲージ」を引き抜きます。ゲージの先端についたエンジンオイルの色が黒くなっていれば、交換のサインです。
2.問題のある部品の交換
エンジンオイルやエアフィルターといった消耗品以外にも、問題のある部品は積極的に交換しましょう。最近の車は品質や耐久性が向上しているものの、年数や走行距離が伸びるほどに部品が故障するリスクは高まります。
メーカーの新車であっても一般部品で「3年・5万キロ」、重要部品で「5年10万キロ」の保証期間となっており、アイドリングに影響する部品はそれよりも早く交換を要するケースも少なくありません。
車検などの際に問題があると指摘された部品は、アイドリングの不安定を引き起こさないように、交換することをおすすめします。
3.業者に点検依頼
アイドリングに不安定さを感じたら、ディーラーや修理工場などの専門業者に点検を依頼しましょう。
エンジンオイルやエアフィルターといった部分は、素人でも汚れや詰まりなどを発見できるかもしれません。しかし、点火プラグやスロットルボディ、エアフロメーターといったエンジンの補機はプロに依頼して、確認をしてもらう必要があります。
また、部品によっては取り外して洗浄するだけで症状が解消されるケースも少なくありません。一方、自身で確認しようと分解して元に戻せなくなれば、余計な修理費用が生じる可能性もあり注意が必要です。
4.ガソリン添加剤の使用
アイドリングが不安定な原因がガソリンタンクの錆や汚れである場合、ガソリン添加剤の使用で症状が緩和される場合もあります。
ガソリン添加剤とは、エンジン内部の不純物を取り除き、エンジンの性能を取り戻すためのものです。燃費向上やパワーアップ、エンジン不調の改善・排気ガスのクリーン化といった効果を期待できます。また、使用方法も簡単でガソリンタンクの給油口から注入するだけです。
ただし、ガソリン添加剤を使用することで、エンジンが抱えるすべての問題を解消するとは限りません。あくまで、エンジンのメンテナンス方法の1つとして使用しましょう。
5.新しい車への乗り換え
アイドリングの不調を引き起こす原因によっては、大きな修理費用を要する場合もあります。高額な修理費用を払うことをためらい不調を感じたまま放置していれば、ハンチングを起こして意図しない状況でエンジンが停止してしまうケースもあります。
その結果として症状が悪化すれば、修理費用がかさむ他、不要な出費を引き起こしかねません。そのため、車を売却して新しい車に乗り換えるほうが良い場合があります。
遠方に出かけたところで動かなくなってしまい、大変な目にあったなどとならないよう、アイドリングが不安定な場合は乗り換えのタイミングかもしれません。
アイドリングに関連する部品交換の費用相場
アイドリングの不調によって修理する際の費用は、交換部品によって大きく異なります。主要部品の費用相場は次の通りです。
点火プラグ 約15,000円~30,000円
点火プラグの交換にかかる費用相場は約15,000円~30,000円です。点火プラグの交換費用は車の気筒数やプラグの品質によって異なります。
気筒数とは「シリンダーの数」を意味します。軽自動車は「3気筒」、乗用車は「2〜8気筒」が一般的です。
点火プラグ1本あたりの価格は約1,000円程度で、4気筒のエンジンなら「約4,000円」、8気筒のエンジンなら「約8,000円」が部品費として必要です。また、工賃の目安は「約12,000〜15,000円」と考えておきましょう。
スロットルボディ 約35,000円~80,000円
スロットルボディの交換にかかる費用相場は「約35,000円~80,000円」です。ただし、作業が難しい車種の場合は、費用がさらに膨らむケースもあります。
一方で、スロットルボディの清掃だけであれば「約5,000円~10,000円」で対応してもらえる場合が多いでしょう。
アイドリングが不安定な場合はもちろんのこと「エンジンチェックランプが点灯した」「エンジンがスムーズにかからない」といった場合もスロットルボディに問題がある可能性があります。
イグニッションコイル 約10,000円~30,000円
イグニッションコイルの交換にかかる費用は「約10,000円~30,000円」です。イグニッションコイルもスロットルボディ同様に、車種によってこれ以上の費用が必要となるケースもあります。
また、再利用のために整備や検査が実施されたリビルト部品を使えば、品質は新品と変わらないまま費用を抑えられるでしょう。
エアフロメーター約20,000円~80,000円
エアフロメーターの交換にかかる費用は「約20,000円~80,000円」です。エアフロメーターもメーカーや車種によって、費用が異なります。
最近の車の多くは「ホットワイヤー式」と呼ばれるエアフロメーターが搭載されています。しかし、昔の車では超音波で噴射量を判定する「カルマン渦流式」と呼ばれるタイプを搭載する場合もあり、交換費用は高額になるため注意しましょう。
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アイドリングが不安定になった車はエンジンの異音や細かい振動を起こし、さらには意図しない状況でエンジンが停止してしまうケースもあります。アイドリングの不調は、整備業者によって原因を特定してもらい、修理や交換といった対応をとる必要があります。
ただし、対象となる部品や箇所によっては、大きな修理費用を要するケースも少なくありません。そのため、金額次第では車を下取りに出し、新車や中古車に乗り換えたほうがお得な場合もあります。
もし車の年式が古く、ほとんど値段がつかないような場合は廃車も検討してみてください。廃車ひきとり110番では廃車手続きを代行するうえに、スクラップでも買い取りいたします。
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