車庫証明は自分で取得するとお得だと知っていますか?しかし自分で車庫証明を取得するにはメリットはもちろん、注意点もあります。本記事では、車庫証明を自分で取得するメリットと注意点から、取得する際の流れや必要書類までを解説します。これから車庫証明を取得しようと考えている方は、参考にしてください。
車庫証明ってどんな書類?
自動車を購入した際、取得しなければならないのが「車庫証明(軽自動車は車庫届出)」です。普通車は一部の地域を除き必ず取得が必要で、軽自動車は都市部のみ必要です(要不要の地域は国により決められています)。
本来車庫証明が必要であるにもかかわらず、取得せずに自動車を保有した場合、最悪のケースでは、3ヶ月以下の懲役、または20万円以下の罰金刑に処される可能性もあります。それほど大切な車庫証明ですが、初めて自動車を購入される方にとっては、どのような書類であり、なぜ必要なのかわからない場合もあるでしょう。本章では、車庫証明が何のために取得するものなのか解説していきます。
車庫証明とは
ごくシンプルに説明すると、「車庫証明」とは車の保管場所を証明するために用いられる書類のことです。日本では、一般の道路を駐車場として使用することはできず、自動車を購入した際は、その保管場所もしっかりと確保しなければならないと決まっています。
自動車の保管場所を決めておくことには、駐車における規制を取り締まるとともに、道路を適切に使用し危険を防止する、または交通を円滑にするといった目的があります。そして、このとき、自動車の保管場所を明確にするのが「車庫証明」です。
普通自動車と軽自動車の違い
普通自動車と軽自動車とでは、取得しなければならないタイミングが異なります。普通自動車の場合は、自動車の新規登録や使用者住所の変更の申請の際に警察署が発行した車庫証明が必要です。つまり、車庫証明を取得→ナンバープレートの発行(登録申請)といった流れになります。
軽自動車の場合は、ナンバープレートの発行(登録申請)後に、車庫証明を提出しても構いません。ただし15日以内と期限は短いので注意してください。
車庫証明の提出有効期限
普通自動車の登録の際に必要な車庫証明ですが、いつ取得したものを使用してもいいというわけではもちろんございません。取得からおおむね一か月以内と決められており、陸運局が期限切れと判断した場合は、再度取得しないといけなくなってしまいます。
時間も労力も手数料も無駄になりますので、慌てて早くとりすぎないように注意しましょう。
車庫証明取得までの流れ
車庫証明は、業者に依頼することで代わりにやってもらうこともできますが、自分で取得することもできます。自分で取得する際は合計2回、警察署へ出向く必要がありますが、その分、代行費用を節約することもできます。本章では、自分で車庫証明を取得する際の流れを、3ステップに分けて解説していきますので、初めての方は参考にしてください。
1.必要書類をそろえる
まずは必要な書類をそろえてください。具体的には以下4つのような書類を集める必要があります。
- 自動車保管場所証明申請書(保管場所標章交付申請書)
- 保管場所の所在図・配置図
- 保管場所使用権原疎明書面(自認書)
- 保管場所使用承諾証明書
それぞれの書類については後ほど詳しく解説します。
車庫証明の申請書は、個人様であれば警察署でもらうこともできますが、ディーラーから自動車を購入した際は、そこで受け取ることもできます。
他府県の警察署でもらった申請書でも使用できますので、三重県警のサイトのエクセル版をリンクしておきます。
2.警察署へ提出
上記を保管場所の位置を管轄する警察署交通課に提出します(交番では受付てもらえません)。
上記で、車庫証明に関連した書類をまとめてご紹介しましたが、場合により全てが必要な訳ではありません。4つのうちどんな書類が必要となるのかは、申請する駐車場が自身で保有する土地なのか、そうでないのかによって異なります。どちらのケースに何の書類が必要なのか、以下で一覧にしているので、確認してください。
書類 | 所有する土地に駐車する | 他の土地に駐車する (月極駐車場など) |
---|---|---|
自動車保管場所証明申請書 (保管場所標章交付申請書) |
要 | 要 |
保管場所の所在図・配置図 | 要 | 要 |
保管場所使用権原疎明書面(または自認書) | 要 | 不要 |
保管場所使用承諾証明書 | 不要 | 要 |
3.受取に行く
書類を警察署へ提出したら、車庫証明が完了する日にちを教えてもらえます。そして、指定された日に再度、警察署へ出向き、車庫証明を受け取ることで全ての手続きは完了となります。
大体は書類を提出してから、3〜5日程度で車庫証明は取得できます。ただし土日・祝日を挟む場合は、もう少し期間が長くなります。車庫証明の交付時には、手数料として2,500円程度を請求されます。
車庫証明は自分で?代行?
先ほど、車庫証明は自分で取得することもできるが、代行を依頼することもできると解説しました。自動車を販売店から購入した場合は、車庫証明に関する手続きを代行してもらうことができます。忙しい方や面倒な手間を省きたい方は、この方法もおすすめです。どちらの方法にするか迷っている方は、本章で紹介するそれぞれのメリット・デメリットを参考にしてください。
自分でやるメリット・デメリット
自分で車庫証明を取得することのメリットは、費用を抑えられることです。ディーラーに代行を依頼すれば、当然車庫証明代行手数料」が発生します(これが結構します)。このような費用をカットしたい方は、車庫証明を自分で取得するとよいでしょう。
反対に、自分で車庫証明を取るためには、先に解説したように必要書類を集める、2回警察署へ出向くといった手間がかかります。デメリットとしては、この点が挙げられます。
警察署の窓口は、平日の9時〜17時頃に限られているため、仕事で忙しいという方は、難しいかもしれません。
販売店に依頼する
車庫証明をディーラーなど販売店に依頼し、代行してもらうことのメリットは「手間が省ける」「失敗がない」といった2点です。警察署へ行くことや書類作成の手間を代行してもらえます。またプロがおこなうため、書類の不備などもなく、スムーズにおこなえる点も代行サービスを活用する魅力でしょう。
デメリットは高額な費用がかかることです。ディーラーに車庫証明の手続き代行を依頼した場合、手数料として1万〜2万円ほどの費用が発生します。
廃車ひきとり110番のスタッフがおすすめするもう一つの方法
自分で行くには時間がない、販売店に代行してもらうと高額な費用がかかるということで、「行政書士」に直接依頼するという手もあります。
販売店も行政書士に依頼しているだけというところもありますので、であれば直接依頼してしまおうということです。他の案件とまとめて手続きにいくので、ディーラーなどの販売店に依頼するよりも割安です。
「車庫証明 代行」などのキーワードでお近くの行政書士を探してみましょう。
作成は自分で、提出のみ行政書士でといった依頼の仕方をすれば、送料や代金の振込手数料はかかるものの、代書料の節約になりそうです。
車庫証明に必要な書類は?
前述したように、自分で車庫証明をおこなう際は、必要書類も自分自身で揃えなければなりません。揃えるべき書類はすでにご紹介したので、本章では、各書類がどのようなものなのかについて解説します。車庫証明をする人全員が共通して必要な書類もあれば、そうでないものもあるので、自分に何の書類が必要なのか、ここで確認してください。
自動車保管場所証明申請書
自動車保管場所証明申請書とは、車庫証明を取得する際に、最も重要となる書類です。これは自分自身で保有する土地を駐車場とする場合でも、駐車場を賃貸する場合も必要となる書類です。保管場所標章交付申請書とも呼ばれています。普通車は4枚セット、軽自動車は3枚セットになっており、警察署でもらえる用紙は複写式になっています。参考までに同書類に記載する内容は、以下の通り。
- 車検証情報(車名・型式・車台番号・自動車の大きさ)
- 自動車の本拠の位置(住所)
- 自動車の保管場所の位置(駐車場が本拠の位置以外の場合)
- 申請者の住所・氏名
- 乗り換え、増車、代車の区別と前車のナンバープレートの番号
- 連絡先(行政書士など本人以外が申請する場合)
なお、以前は申請者の捺印が必須でしたが、押印廃止の流れで現在は不要となっています
自認書もしくは保管場所使用承諾証明書
自分の土地の場合は自認書に住所氏名を記載します。駐車場を借りる場合は、その所有者に「保管場所使用承諾証明書」を記入してもらいます。通常、契約駐車場やアパートの駐車場の場合、仲介不動産会社に依頼すれば予め準備されたものを有料でもらえると思います。
なお、以前は所有者の捺印が必須でしたが、押印廃止の流れでこちらも不要となっています。
保管場所の所在図・配置図
所在図には周辺の道路など地図を記入し、配置図は置き場所の詳細を書きます。
配置図に関しては前の道路幅、車多くスペースの実測寸法、おける台数分の駐車スペースを描き、ここに今回の車を置くということを明確にします。この時点で車のサイズに比べ駐車場のサイズが小さいと車庫としても止められません。
なお、所在図は簡単に書いて、Yahoo!やGoogleの地図をプリントアウトして添付しても大丈夫です。
車庫証明に関するQ&A
最後に「初めて車庫証明を取得するので、わからないことが多い」という方や「これってどうすればよいの?」などの疑問点がある方に向けて、車庫証明に関する細かなQ&Aを紹介します。賃貸住宅の場合の車庫証明やステッカーの種類、再発行の方法などを解説していくので、気になることがある方は、ぜひ参考にしてみてください。
車庫証明は賃貸住宅でも必要?
車庫証明は原則、どのような住宅に住んでいる方であっても必要なものです。もちろんこれは、賃貸住宅であっても同様です。駐車場がある場所についても、住宅が建つ敷地内にある場合でも、少し離れた近隣にある場合でも、車庫証明は必要となります。
ステッカーについて
車庫証明が取得できると同時に「保管場所標章」というステッカーを受け取ります。そして、このステッカーをフロントガラスに貼ることで「車庫証明がされた自動車」と証明することができます。しかし、しっかりと車庫証明がされていれば、ステッカーを貼り付けないことへの罰則はありません。しかしステッカーには、必要な情報が記載されているので、できる限り貼っておくようにしましょう。
保管場所標章についての詳しい解説 自動車の保管場所標章って貼らないといけないの?
保管場所標章の再発行について
事故などによって、ステッカーを貼っているガラス部分を交換しなければならないケースがあります。その場合、新たに車庫証明を申請しなければならないのでしょうか。
再度車庫証明の申請までは不要で、自動車保管場所証明申請書と似た書類に、必要事項を記入し保管場所標章を再発行してもらってください。車名や車台番号など、車検証に書いてある情報を転載するだけでよいので、比較的手軽に再発行できます。
車庫証明は自分でやるとお得!
以上、車庫証明とはどんな書類なのかに始まり、自分で取得するメリットやデメリット、代行を依頼することのメリットとデメリットなどについて、解説しました。車庫証明を代行すると、警察署へ行く、書類を作成するといった手間は省けますが、その分費用がかかります。忙しい方にとって、平日に時間を作るのは大変かもしれませんが、申請書類は簡単で当日も時間はかからないので、購入諸費用を減らしたい方は自分で取得することをお勧めします。