車の税金は、購入・売却の時期によって異なります。特に納税額が異なるのは3月から4月までの1ヶ月。そこで本記事では車の税金について、3月に購入・売却(廃車)した場合の金額を解説します。これから車を購入しよう、または手放そうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも車の税金とは?
車を購入する際、気になるのが「税金」ですよね。新車を購入した際に納付義務が課されるのは、消費税と環境性能割、自動車重量税、自動車税の4つです。
それぞれの税金が何を対象としたものなのか、また何を基準に税率が変わるのかを解説していきます。新車の購入を考えている方は、税金についてもよく確認してから決断しましょう。
収めるべき税金は4つ
前述したように、車を購入した際に納付義務が発生する税金は以下の4つです。
- 消費税
- 環境性能割
- 自動車重量税
- 自動車税
消費税とは言わずもがなですが、何かの商品を購入した際に発生する税金です。車本体はもちろんのこと、パーツなどを購入する際にも発生します。新車・中古車に限らず、販売価格が高いほど、より多くの消費税が課せられます。
環境性能割とは、これまで「自動車取得税」と呼ばれていた税金に代わって、2019年より設けられた税金です。これは自動車を購入した際の「取得価額」に対して課税されます。
自動車重量税は「車両の重量」に応じて、税率が変わり、支払い義務が発生します。そして自動車税は、主に車から出る「排気量」に応じて課税されるものです。ちなみに、車の購入時期によって税金が変わるのは「自動車税」です。
車によっても税負担が異なる
車によっても、税負担が異なります。特に「環境性能割」「自動車重量税」「自動車税」の3つは、車両に応じて税率が異なります。具体的な金額は後ほど一覧にて解説しますが、新車を購入する際は、車本体の金額はもちろんのこと、税金の金額も踏まえて検討しましょう。
また「自動車重量税」のように、新規登録から13年、18年を超えるタイミングで税率が上がります。「自動車税」については「毎年4月1日時点」で、車を保有している場合に課される税金です。
このように税金は、種類ごとに「課税対象」が変わるため、税率の基準もまた種類によって変動します。
税金を支払うタイミング
税金を支払うタイミングは、税金の種類によって異なります。たとえば自動車税の支払いは「5月末日まで」となっています。しかし消費税や環境性能割は、購入時に販売店へ向けて支払う税金であるため、購入時=支払いのタイミングとなります。
自動車重量税は「車検のタイミング」で支払います。車検は新車登録(購入)から3年後、以降は2年ごとにおこなうものであり、税金の支払い時期も同様の間隔となります。
まとめると税金を支払うタイミングは、以下3つの可能性があります。
- 購入時
- 車検時
- 5月末日
各税金を「いつ」支払わなければならないのか、よく確認しましょう。
車の税金は時期によって異なる
車の税金においては、購入する時期で金額が異なる場合もあります。もちろん税金のなかには、購入時期とは無関係なものもあります。また税金が変わると言っても、大幅に金額が異なるケースは少ないでしょう。
本章では「時期によって異なる税金」として、中古車を3月に購入した場合と軽自動車を購入する時期、廃車にしたうえで新車を購入した場合について解説します。
中古車を3月に購入した場合
中古車を購入する場合は、時期に注意しましょう。税率の改正がおこなわれるのは、新年度であるケースが多いため、3月に購入してしまうと、購入後すぐに税率が大きく変わる可能性があります。
しかし税率の改正は、毎年おこなわれるわけではありません。そのため4月まで待てば、必ず法改正でお得になるという保証はありません。税額が変化した場合、大きく損をしてしまう可能性もあれば逆もあります。
自動車を購入する際は、車に関する情勢にも注目しつつ、購入時期を判断するとよいでしょう。場合によっては、販売店の担当者が相談に応じてくれる可能性もあるため、気軽に相談してみてください。
軽自動車を購入する場合は4月
軽自動車を購入する場合は、3月よりも4月が断然おすすめです。普通自動車を購入する場合は、自動車税を月割りで支払います。しかし軽自動車の場合は、年単位で税金が課せられ、4月1日に車を所有している場合に課税の対象となります。
そのため、4月2日以降に軽自動車を購入することで、税負担が翌年度からスタートとなります。つまり約1年分の軽自動車税がお得になるということです。逆に3月の時点で軽自動車を購入してしまうと、購入後すぐに支払い日が訪れます。軽自動車の購入は4月2日以降を覚えておきましょう。
廃車の場合は3月がおすすめ
車を乗り換えるために現在保有している車を廃車にしてから新しい車を購入する場合もあるでしょう。購入だけでなく、この「廃車」のタイミングにも注目したいところです。
前述したように、自動車税は「4月1日時点」で所有している車に課される税金です。そのため、廃車にするのは「3月まで」がおすすめです。
もちろん間に合わなかった場合も、自動車を使用していない期間分の「自動車税」は、後から「還付制度」を利用して変換してもらえます。しかし全額変換してもらえるわけではないうえに、余計な手間が増えてしまいます。
以上のことから、買い替えの手続きは「3月まで」におこなうとよいでしょう。
3月に中古車を購入する場合の税金
ここまでの内容から、車を購入する場合に課される税金の種類や税率が変動する時期についてはお分かりいただけたでしょう。では具体的に、いくらほどの税金を支払わなければならないのでしょうか。
ここでは、3月に中古車を購入した際の「消費税」「重量税」「自動車税」の3つについて解説します。また最後には、自動車税の還付金についても解説するので参考にしてください。
消費税
繰り返しになりますが「消費税」は、何らかの商品やサービスを購入した際に課税対象となる税金です。中古車を購入する場合は、車両本体の価格はもちろんのこと「オプションパーツ」や「代行費用」などにも、10%の消費税が発生します。
ただし消費税は、買い手と売り手の間で譲渡される「お金」を対象とした税金です。そのため、印紙代と自動車税などといった「法定費用」は課税の対象外となります。
多くの場合、店頭で表示されている価格は「税抜き価格」であることもあるため、予算内に費用を抑えるためには「消費税」も考慮しましょう。
参考:消費税のしくみ
重量税
自動車重量税は、車体の重量に応じて課される税金のことです。基本的に自動車重量税は「2年ごと」または「3年ごと」の車検時に支払います。以下では「自動車重量税」をまとめているので、確認してください。
車両重量 | 車検期間(2年) | 車検期間(3年) |
軽自動車 | 6,600円 | 9,900円 |
500kg以下 | 8,200円 | 1万2,300円 |
500〜1,000kg以下 | 1万6,400円 | 2万4,600円 |
1,000〜1,500以下 | 2万4,600円 | 3万6,900円 |
1,500〜2,000以下 | 3万2,800円 | 4万9,200円 |
2,000〜2,500以下 | 4万1,000円 | 6万1,500円 |
2,500〜3,000以下 | 4万9,200円 | 7万3,800円 |
ただし「エコカー」に該当する車を購入した場合は「免税」または「軽減対象」となります。しかし経過年数13年、18年以上となるタイミングで増額すること留意しておきましょう。
自動車税
自動車税は、車から出る「排気量」と「新車登録時期」によって税額が異なります。普通自動車を購入する場合は、名義の登録月の「翌月から」はじまり、その年の「年度末」までの自動車税を月割りで支払います。具体的な金額は以下の表にまとめているため、参考にしてください。
車両重量 | 新規登録月2019年9月30日以前 | 新規登録月2019年10月1日以降 |
1,000cc以下 | 2万9,500円 | 2万5,000円 |
1,000cc〜1,500cc以下 | 3万4,500円 | 3万500円 |
1,500cc〜2,000cc以下 | 3万9,500円 | 3万6,000円 |
2,000cc〜2,500cc以下 | 4万5,000円 | 4万3,500円 |
2,500cc〜3,000cc以下 | 5万1,000円 | 5万円 |
3,000cc〜3,500cc以下 | 5万8,000円 | 5万7,000円 |
3,500cc〜4,000cc以下 | 6万6,500円 | 6万5,500円 |
4,000cc〜4,500cc以下 | 7万6,500円 | 7万5,500円 |
4,500cc〜6,000cc以下 | 8万8,000円 | 8万7,000円 |
6,000cc〜 | 11万1,000円 | 11万円 |
軽自動車の場合は、2015年3月31日以前と2015年4月1日以降とで変わります。前者の場合は7,200円、後者は1万800円です。
参考:総務省 公式HP
参考:総務省 公式HP
自動車税の還付金について
年度の途中で車を処分する場合は「還付金制度」が適用されます。自動車税は、5月の時点で「1年分」の税金を一括で支払います。しかしその途中で車を手放した場合は、それ以降の税金は前払いで支払っているでしょう。還付金制度を適用することで、前払いしていた金額が返金されます。
還付金制度で変換される金額は、以下の計算式によって決定します。
1年分の自動車税÷12ヵ月×登録抹消翌月〜3月までの残月数(※100円未満切り捨て) |
この還付金は、廃車手続きが完了していれば、自動的に振り込まれます。特別な手続きは不要です。
廃車手続きと税金について
車を廃車にする際にも税金が変動する可能性があります。車の廃車手続きには「永久抹消登録」と「一時抹消登録」とがあります。
「永久抹消登録」とは車を廃車にしたのち、登録を永久に抹消するための手続きです。廃車以降に、その車に二度と乗ることがない場合はこの手続きをおこないます。
そして「一時抹消登録」は、文字どおり「一時的に」車の使用を中止する手続きのことです。一時的には車を使用しないものの、将来的に再び車を使用する可能性がある場合は、この手続きをおこないます。
また廃車にする際の税金は、3月31日までに廃車の手続きが完了しているか否かが重要なポイントとなります。
税金に関する相談はどこでできる?
税金に関する知識は、素人でもある程度は身につけておくべきです。しかし専門的なこととなると、専門知識がなければ判断が難しいこともあります。車という大きな買い物をする場合、必要となる費用も大きいため、課される税金も高額になります。
「税金で損をしたくない!」と考える場合は、税理士や中古販売店に相談できます。それぞれのケースについて解説していきます。
税理士
税金に関する相談先として、まず思い浮かぶのは「税理士事務所」ではないでしょうか。税金に関するプロであるため、安心して相談できます。
しかしプロの税理士に相談するとなると、相応の費用がかかります。法人ではなく、個人で支払う税金について、わざわざお金をかけたくないと感じてしまうこともあるでしょう。そのような場合は、次の中古車販売店がおすすめです。
中古車販売店
中古車販売店のスタッフは、車そのものに対する知識はもちろんのこと「車の税金」についても豊富な知識を有しているケースが多いです。専門の資格を保有しているわけではありませんが、ある程度の相談にはのってくれるでしょう。
特に大規模で長年営業している店舗であれば、豊富な知識を持っていると期待できます。気軽に相談してみてください。
支払いのタイミングを考慮して車を購入しよう
3月に車を購入した際の「税金」について解説しました。自動車税は4月1日の時点で車を保有している者に対して、支払い義務が発生する税金です。そのため3月に車を購入する際は、少しタイミングを待って4月2日以降に購入するのがおすすめです。
ぜひ本記事を参考に、税金の支払い・課税のタイミングを見極めて車を購入してください。