どれほど大切にしても車はいつか寿命を迎えます。最近の車はずいぶん長く乗れるようになりましたが、やはり走行距離や経年による劣化は避けられません。とはいえできるだけ長く乗りたいのが本音でしょう。
ここでは、車の走行距離と寿命の関係と、長く乗るためのメンテナンスのポイントを解説します。
車の走行距離と寿命の関係は?
車の寿命は一般的に走行距離によって判断されます。また、統計データとしての平均寿命も公開されており、参考になるかもしれません。
車の走行距離と寿命の関係は?
新車の寿命を走行距離から見た場合、一般的には10万kmが目安といわれています。これは、10万km以上の走行で部品の劣化や破損に伴う故障が発生しやすくなるためです。たとえはエンジンが故障すると修理費用は一般的に高額になりがちなため、一旦故障すると廃車を選択されるユーザーが多くなります。従って、メーカーもエンジンのタイミングベルトの交換推奨時期を10万kmに設定しているのが一般的です。エンジン以外にも冷却装置の部品などの部品が交換推奨されています。
買取価格についても、このような理由から10万kmを超えると下がる傾向にあるのは同じです。
もちろん、定期的に交換する、メンテナンスをするなど手をかけていけば、たとえ20万km超えでも問題なく使用できる場合も多くみられます。
平均寿命は乗用車で約13年
それでは、世の中一般には車の寿命はどれくらいの年数なのでしょうか。一般財団法人自動車検査登録情報協会によると、令和2年3月末の軽自動車を除く乗用車の平均使用年数は13.51年だったそうです。
これは、前年に比べて0.25年長くなり、5年連続の増加で過去最高となっています。また、10年前の平成22年に比べて0.81年延びているとのことです。徐々に車の寿命が長くなっているのは事実のようですが、今のところは、平均では13年程度というところではないでしょうか。
メンテナンスの時期が判断のポイント
同じ車に長く乗っていると、次第に修理・交換費用が高い部品に問題の発生する確率が増えてきます。同じようなタイミングで交換推奨や修理される可能性も高く、合計すると数十万円に及ぶことにもなりかねません。それであれば今乗っている車を手放して新しい車を購入しようと考える方も多いと思います。
また、あまりにも古い車は修理できなかったり、交換用の部品が手に入らなかったりする場合もあります。この場合も手放さざるを得ず、寿命といえそうです。
売却するなら10万kmが目安
たしかに、走行距離10万kmを超えると故障や不具合がでやすい傾向にあるのは事実でしょう。しかし車の性能は年々向上しており、それにならって寿命も伸びていることを考えれば、まだまだ乗れると考えられます。
そういう意味で走行距離が10万kmに達することは、車をこれからどうするか考える目安ともいえるでしょう。年1万km平均換算で10年間、おそらくローンも完済し、ファミリー世帯であれば生まれた子どもが小学5年生になるほどの長い年数です。
車は使う状況に合わせて買い替えれば、ときどきに応じた便利な使い方ができます。まだ価値がある10万kmで一度きちんと検討してみるとよいでしょう。
大切なのは年式と走行距離のバランス
走行距離が長いほど車の劣化は激しく価値が低くなるなら、走行距離が短ければ価値が高いのかというと必ずしもそうとはいえません。ここで重要なポイントとなるのは年式とのバランスです。
通常、年式が古いほど走行距離も長くなります。ペースはさまざまですが、平均すると1年で1万km程度を多少超える程度なら比較的普通のペースといってよいでしょう。それが1年あたり5万kmとなるとこれは過剰です。短期間でかなり過酷に使われた可能性が高く、車のさまざまなパーツに劣化が見られても不思議ではありません。
一方、3年で走行距離1万kmという車も注意が必要です。この車は3年間ほとんど乗られることなく、放置されていた可能性があります。定期的にきちんとメンテナンスされていればよいですが、車は一般に動かさないと部品の傷みが激しくなるものです。走行距離が長すぎる車より状態が悪いケースもあります。
大切なのは、車の寿命を測るとき走行距離だけにとらわれないことです。年式も含めあらゆる情報を総合的に判断するよう努めましょう。
車の寿命が伸びた背景
以前は走行距離10万km超の車は寿命とされ、買取はおろか下取りもできないほどでしたが、現在では乗り換えの目安の1つ程度と扱われることが多いようです。この変化には大きく分けて2つの原因があります。
- 車の耐用年数が伸びた
- 海外で中古車として売れる
ここではそれぞれの状況について詳しくみてみましょう。
車の耐用年数が伸びたため
理由の1つは自動車製造技術の進歩によって、車の耐用年数が上がったことです。
車はさまざまな物を運んで移動する、走行するための機械です。走行距離が長いほどエンジンをはじめさまざまな部品が劣化し、結果として故障しやすくなります。
しかし近年、車のあらゆる部品の品質は向上し耐久性も上がっています。劣化しにくくなり故障もしにくくなりました。何も問題がなければとくに買い替える必要はありません。そのまま乗り続け、気がつけば10年経っていたといった方もいるでしょう。
10年間で平均使用年数が0.8年以上も伸びたのは、車の走行機構の耐用年数が伸びた結果です。これからも技術の進歩によって寿命は伸びていくことが期待されます。
海外で中古車として売れるため
もう1つの理由は、海外において日本の中古車が売れていることです。
日本は電化製品をはじめとした工業製品の信頼性が高いといわれます。その代表が車です。海外からは搭載されている機能もさることながら、基礎となる走行性能の評価は高く、耐久性も含め根強い人気があります。
もともと海外には、1台の車を修理不能になるまで部品交換などをくり返して乗るのが当然という国も多いのが現状です。走行距離10万kmの車などめずらしくないでしょう。
そのような市場で、高い燃費性能と高い耐久性を持つパーツ、2〜3年ごとの車検によるメンテナンスを兼ね備えた日本車が優遇されるのは必然といえます。買うときは高価でも、修理することが少なく燃費もよいならトータルで元が取れるかもしれません。
車種によって寿命は違うのか?
一口に車といっても、さまざまな車種が存在します。車種ごとの寿命の違いはないのでしょうか。
普通車よりも寿命が短い軽自動車
車には国が定めた法定耐用年数というものがあります。これは、その車があと何年業務に使えるかを定めたもの。新車購入時の法定耐用年数は、普通自動車が6年、軽自動車が4年となっており、軽自動車のほうが短いのです。
これは、エンジンの排気量が660cc以下と小さいため、同じ人数や荷物を載せたときにエンジンにかかる負荷が普通自動車よりも大きいことが一因とされています。実際に廃車ひきとり110番への依頼においても、10万km以上走行した軽自動車では、エンジンの不具合などで自走できなくなったという事例も多くあります。
また、走る・曲がる・止まるといった動作の際に起こる衝撃を受け止めるボディの耐久性も、軽自動車のほうが低いのもその理由の1つです。
ハイブリッド車のバッテリーは気にする必要なし
一方、駆動用バッテリーという劣化が心配される部品がついているハイブリッド車はどうでしょうか。
駆動用バッテリーの寿命は一般的に10年といわれており、あまり心配することはありません。たとえば、トヨタ自動車ではハイブリッド車のバッテリーが5年以内もしくは10万km以下で壊れた場合は、無償で交換してくれます。ハイブリッド車だからといって、特別寿命の短さを心配する必要はないといえるでしょう。
長く乗り続けた車は何が問題になるのか
長く乗ってきたけどまだ動く。そのような状態の車でもまだ乗り続けたいと思う場合もあるでしょう。しかしながら、あまりにも長く乗り続けた車にはいくつかの問題が発生します。
純正部品の在庫は10年まで
車には法律で部品を在庫としておかなくてはならない期間が定められています。この期間は日本では10年であり、10年以上経過した車は修理用の部品が手に入らない可能性があるのです。中古パーツやリビルトパーツを使用することで、この問題は回避できるかもしれませんが、新品部品のように、すぐに必ず状態のよいものが手に入る保証はありません。
こうなると修理したくても修理できないという状態になり困るかもしれません。
新車登録から13年経過すると税金がアップ
新車登録から13年経過すると、自動車税と自動車重量税がアップします。これは、地球環境への負担を減らす「グリーン化税制」と呼ばれる制度によるもの。新しい車のほうが一般的に環境性能が優れているため、買い替えを促すために税金が上がるのです。
ただし、ハイブリッド車については環境性能に優れているため、今のところ13年を過ぎても税金は上がりません。
増税額は10%以上になる一方、新車に対する自動車税が減税されたり、エコカーなど排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境への負荷が小さい自動車について、その性能に応じて税額が軽減されます。
10年が交換目安の部品が多い
最初の項目でも記載してある通り、車の各部品には交換目安の時期が定められています。10年が目安の部品は、タイミングベルト、プラグコード、ラジエター、マフラー、セルモータース、など種類も多様です。10年を過ぎたところでメンテナンスに多額の費用がかかる可能性があります。
車の寿命を感じたらどうするか?
では、車の寿命を感じたらどうすればいいのでしょうか。ここでは3つの選択肢を紹介します。
買取や下取り
最も一般的な手段は買取や下取りでしょう。ここで得た資金は、新しい車を買うために利用できます。
ただし、車の価値は一般的に年数とともに下がるため、あまりにも古い場合は高い査定価格を期待できません。1つの買取業者だけに見積もりを依頼するのではなく、複数の業者に見積もりを依頼すると高めに買い取ってもらえるかもしれません。インターネット上で複数の大手業者に対して一括で車査定を申し込みできるサービスもあります。査定をしに来られる担当者さんへの対応で時間、精神的負担はかかりますが、ハイグレードな車種であれば利用を検討してもよいでしょう。
廃車
買取や下取りで値段がつかなかったり、そもそも動かなかったりする場合には、廃車という選択肢があります。廃車とは、車の登録情報を削除し、公道を走れなくする手続きのことです。
運輸局で手続きできますが、あまり詳しくない個人では大変なため、そのようなときは廃車引き取り業者を活用するとよいでしょう。動かない車や事故車でも対応してくれ、無料で廃車にしてくれるところも少なくありません。廃車ひきとり110番ならLINEなどオンラインによる非接触での無料査定も受け付けており、気軽に廃車の相談が可能です。
修理するなどして乗り続ける
もちろん、気に入っている車であれば乗り続けるのも1つの手です。定期的なメンテナンスや、部品交換などの修理をおこなうことで、その車に乗っていられる期間を延長できます。
長く乗っている車には思い出も増え、手放したくなくなってくることでしょう。ただ、その車が原因で事故を起こさないよう、しっかりとメンテナンスはおこなっておきたいものです。
ただし、日本のメーカーは原則として、部品の保有期限を生産終了からおよそ10年としています。それ以降は在庫限りとなるためおそからず修理不能となることには注意が必要です。
また初回登録から13年をすぎると税額も上がります。車にかける費用を節約したいなら乗り続けるのも計画的に、ある程度の年数で区切りをつけるのがオススメです。
できるだけ寿命を延ばすためのメンテナンス
一度車を買ったら、できるだけその車に長く乗りたいですよね。寿命を延ばすにはどのようなことをすればいいのでしょうか。
洗車
まずオススメしたいのが洗車です。洗車の効果はボディをきれいにすることだけではありません。普段あまり見ない場所を見ることにより傷が発見できたり、エンジンルームの異臭に気づいたり、タイヤの摩耗や空気圧を目視でチェックできたりと、車の今の状態を確認する絶好の機会といえます。
ほかにもヘッドライトやウィンカーの点灯状況、タイヤの劣化具合など、洗車をするタイミングで一緒にさまざまな項目をチェックするといいでしょう。
エンジンオイルの交換
エンジンオイルは、エンジンに使われている潤滑油です。エンジンオイルには各部を円滑に動かすことはもちろん、気密性を保つ、冷却作用、汚れを取り込む、防錆作用などさまざまな役割があり、まさに車の心臓部であるエンジンの血液といえます。
それほど重要なエンジンオイルだけに、交換を怠るとエンジンの故障につながる可能性があります。目視で汚れをチェックする場合は、ガソリン車の場合、オイルチェックゲージに付着したオイルが黒色をしていると交換のタイミングです。
エンジンオイルの交換推奨時期は車種によっても異なりますが、一般的なガソリン車であれば5,000kmか6か月毎が1つの目安といわれています。交換時期が取扱説明書に記載してある車種もあるのでチェックしましょう。
オイルフィルターの交換
オイルフィルターは、エンジンオイルのなかに含まれる不純物を取り除くためのフィルターです。
エンジンオイルは、不完全燃焼した燃料の燃えカス、摩擦によって発生する部品の金属粉、空気中に漂っているごみなど、さまざまな不純物で汚れていくため、きれいに保つ必要があります。車に長く乗るほどオイルフィルターも汚れていくため、定期的に交換しないとせっかくのきれいなオイルがムダになってしまいます。
オイルフィルターの交換のタイミングは、走行距離10,000kmごとか、交換期間12か月ごとが一般的です。
タイミングベルトの交換
タイミングベルトはエンジンに関連する部品の1つで、エンジンの規則的な回転運動に必要な2つの部品のタイミングを合わせるための部品です。
ナイロンやグラスファイバーといった繊維のワイヤーが入ったゴムでできているため、切れにくい構造であるため寿命も長く、多くのメーカーが走行距離10万kmもしくは10年と定めています。しかし、実際の交換時期は車を使う状況によって変わるため、状態をみて交換するのが一般的です。
タイミングベルトは寿命に達して破損してしまうとエンジンが停止し、内部が損傷しエンジン自体も破損する可能性があります。
自動車のパーツにかかるコストの多くを占めるエンジンの修理費は高額です。車の寿命を伸ばしたいなら、タイミングベルトも適切に交換することが求められます。
バッテリーの交換
バッテリーの状態が悪いと、車の発電部品の故障や電気機器の劣化や損傷の原因になる可能性があります。近年の車には多くの電気機器を搭載しているため、わかりやすくヘッドライトの明るさが弱くなったりエンジンがかかりにくくなったりという症状があれば、早めに点検し交換することが大切です。
バッテリーは、次のような条件で劣化しやすいといわれています。
- 車に乗る頻度が少なく1回の走行距離が短い
- ライトやスイッチを常時点灯させる、または夜間に乗ることが多い
- 暑すぎる、寒すぎる条件で車に乗ることが多い など
バッテリーの交換時期の目安は、一般的なガソリン車で2年から5年、アイドリングストップ搭載車で2年から3年、ハイブリッド車だと4年から5年程度とされます。
とはいえ近年のバッテリーは性能が高く、切れる直前まで正常に動作するため、こまめなメンテナンスが重要です。
タイヤやデフオイルの交換
タイヤやデフオイルといった足回りのメンテナンスも車の寿命には大きく影響します。足回りに不具合があるとタイヤの摩耗に偏りが生じ、走行時の振動が激しくなってサスペンションなど足回りのパーツの劣化につながるため注意が必要です。
デフオイルとは、車がカーブするときタイヤの内輪と外輪の回転差を調整するディファレンシャルギアに使われるオイルです。デフオイルは使用期間2年または走行距離5万kmで交換が必要とされています。
とはいえカーブの多い走行をすることが多いと、デフオイルも早めに交換しておく方が安心です。こまめに点検して状況に応じて交換するよう努めましょう。
定期的に動かす
せっかく買った新車をもったいないと思うあまり、あまり動かさずに置いておく方もいるかもしれません。しかしながら車を含めた機械の多くは、動かさずに置いておくとエンジンオイルが流れ落ちて足回りが重くなったり、バッテリーがあがりやすくなったりと逆に状態が悪くなってしまいます。
エンジン以外にも、タイヤやホイールの一点に荷重のかかった状態が続いたり、駆動系の潤滑オイルも流れ落ちたりといった状態の改善には、定期的にエンジンをかけるだけでは不十分です。定期的に動かし、できるだけいい状態を保つよう努めましょう。
日常的に点検する
車の状態が悪くなっていないか、日常的に点検することも重要です。チェック項目を作って日ごろから点検することにより、故障を予防し、寿命を延ばすことができるでしょう。
エンジンオイル、オイルフィルター、ブレーキオイル、ラジエーター液といった液体類の色、走行中に異音がしないか、エンジンの音に違和感がないか、排気ガスがいつもより黒ずんでいないかなど日常的に車の状態を見ておくことは、車の小さな異常に気付きやすくなるという利点もあります。
自分で点検する自信がない方は、ディーラーの無料点検を利用するのもひとつの手です。
車の寿命を縮めるNG行為
逆に、車の寿命を縮めてしまう行為も存在します。できるだけ同じ車に長く乗りたいのであれば、このような行為は避けるようにしたいものです。
「急」のつく運転をしない
「急」がつく行為は車への負荷が大きく、寿命を縮める可能性があります。
たとえば、急ハンドルや急加速をおこなうと、タイヤなどの足回りの劣化を進めてしまいます。
急ブレーキは、ステアリング系統の劣化を早める原因の1つです。急加速はエンジンへの負荷がかかります。
さらに、これらの行為は事故につながる可能性もあるため、避けることで事故による車の寿命の短縮を防ぐことにもつながるでしょう。
不自然な状態での駐車
片側のタイヤだけ段差のあるスペースに駐車し続けたり、タイヤの輪留めに強く押し付けて駐車したりなど、タイヤやサスペンションにストレスをかけた状態が継続されることはできれば避けるべきです。長年蓄積された負荷は不要な修理を生むかもしれません。
不必要・負荷のかかるシフトチェンジ
シフトの操作手順によっても寿命を短くする可能性があります。不要なDレンジからNレンジへ、また完全停止前のDレンジからRレンジへのシフトチェンジは、オートマミッションに多大な負荷がかかります。最終的にはミッション滑りなどの高価な費用のかかる故障につながりかねません。
自分が正しい操作手順を守っているか、取扱説明書などでもう一度確認してみてはいかがでしょうか。
停車した状態でハンドルを切る
車が停車し、タイヤは回転していない状態でハンドルを切ることは、消しゴムを紙に押し付け、ぐりぐりとねじっているようなものだといえます。そうすると消しゴムは紙に接しているところからすり減りますが、これはタイヤも同じです。
また車の機構部分でいえば、ステアリング系やサスペンションなどにも、少しずつダメージが蓄積され、傷めることになります。停車や駐車のときも、ハンドル操作は少しずつ車を動かしながらできるような技術を身につけたいものです。
タイヤを車止めに押し付ける
整備された駐車場には、きちんと並んで駐車しやすいよう車止めを設置していることがあります。通常、駐車するときは車止めにタイヤが当たるくらいまで動かしますが、強く押し付けた状態で駐車し続けるとタイヤやサスペンションに負荷がかかるため、車の劣化を早めかねません。
すぐに発車するくらいの短時間なら影響はないかもしれませんが、あまり頻繁だと足回りを傷めてしまう可能性はあります。車止めからは、タイヤを少し離すくらいの位置に駐車するようにしましょう。
停車時や坂道のたびにギアをニュートラルに入れる
信号による停車のたびにギアをニュートラルに入れるのもオススメできません。これはギアが切り替えのたびにオートマチックトランスミッション内部を動作させ、わずかずつですがATフルードを劣化させるためです。
また下り坂でニュートラルギアへの切り替えは、ATフルードが高温になりやすくギアの機構を空回りさせて劣化を早めてしまいます。さらに、エンジンブレーキが効かない危険な行為でもあるため非常に危険な状態です。車を運転するときは、ギアをむやみにニュートラルに切り替えずにドライブのまま待つようにしましょう。
中古車を買うときの走行距離の目安
車の走行距離は、概算ではあるものの中古車を選ぶときの状態の比較に利用できます。しかし中には「何年か乗れればいい」という方や「これから長く乗りたい」という方もいるため、それぞれに適した目安も必要です。
ここでは、中古車の走行距離を基準にどのような方向けになのか大まかな水準を示します。
3万~5万km:状態を重視する方向け
1年で1万km走行するとすれば、走行距離3万〜5万kmの車は新車から約3〜5年程度経過した中古車だといえます。車検を1回受けたかどうかの、比較的年式の新しいよい状態が期待できる車です。新車と変わらない、かなりよい状態のものもあるかもしれません。
ただ年式が新しく、状態がよいほど車体価格もあまり下がらないのが通常です。年式にこだわりがなければ、年式は古いが走行距離3万km程度の、コンディションのよい中古車を探すという方法もあります。
5万~7万km:バランスを重視する方向け
走行距離5万kmを超えると、車体価格の相場も下がってきます。基準でいえば5年目、2回目の車検を受けるくらいの年式です。年式も車体自体も「新しい」とはいえませんが比較的悪くなく、価格も安くはないものの高くもない、といったバランスのよいあたりといえるでしょう。
バランスのよいこのレベルの走行距離は、安い価格で買える車のうち状態のよい車だともいえます。車種や年式にこだわりがなく、とはいえできるだけ長く乗れる車が欲しい方にオススメです。
10万km超:安さを重視する方向け
「状態はともかくとにかく安い車が欲しい」といった安さ重視の方には、走行距離10万kmを超える中古車から探すことをオススメします。10万kmといえば基準通りだと車検を4回は受けているくらいの年数を経た中古車です。中古車市場のニーズに合わせて車体価格も大きく下がる傾向があり、新車と比較して半額以下という中古車も中には存在するようです。
とはいってもしっかりメンテナンスされていれば、年式からは想像できないようなよい状態で、買った後長い間乗れることも少なくありません。ただ買う時点で状態を見極めるのは困難です。購入を検討するときは、その車の点検整備記録簿を見せてもらい、その内容から判断するとよいでしょう。
走行距離が多くなった車を高く買取してもらうには
ここでは逆に、走行距離の長い車をできるだけ高く買い取ってもらうための方法を考えてみましょう。通常の方法で買い取ってもらえない車は、廃車にしても費用や手間がかかってしまいます。どうせ廃車にするのなら、次の方法を試してからがオススメです。
希少価値の高い車なら中古車買取業者に相談する
年式が10年以上前の車でも、一部の車種は人気があるため市場に出回りにくく、希少価値が高いとされています。もしそのような車を買い取ってもらうなら、市場価値を適切に判断できる中古車買取業者に相談しましょう。
車種によっては走行距離が長くても需要があるため、廃車買取より高額な買取が期待できます。価値がわからなければ、電話で問い合わせることも可能です。
海外に販路を持つ専門店に相談する
国内では売れない国産車でも、海外では絶大な人気があるため、買取を相談するなら、海外に販路を持っている中古車買取業者がオススメです。そのような業者なら過走行車であっても買い取ってもらえる、しかも高い金額をつけてくれる可能性があります。
海外に販路を持つのは、全国規模の大型チェーン店や外国人が経営している専門店などです。実際に相談するときは、インターネットの検索サイトや口コミ情報などを参考にしましょう。
廃車専門の買取業者に相談する
希少価値がなく、海外への販売も期待できない場合は、廃車専門の買取業車に相談しましょう。車として売買できなくても、解体してパーツ単位にすれば買い手がつく場合があります。パーツ単位で希少なものなら、海外へ高額で売ることも可能です。
このような売買をするには、車を解体する、つまり廃車にする必要があります。廃車手続きは所有者自身でもできますが、先に業者に依頼して解体し、平日の昼間しか受け付けない陸運支局まで手続きに行かなくてはならないなど大変です。
廃車専門の買取業車なら、これらの手間を代行してくれます。かかる費用は買取代金から差し引かれることが多いため、費用も最低限で済むのもメリットです。廃車にするしかない車を売却する、まさに最後の砦といえるでしょう。
買取業者を選ぶポイント
もし今乗っている車を買い取ってもらうなら、走行距離を含めた車の寿命がまだ来ないうちに見積もりを取るのがオススメです。そうすれば車の価値の変わり具合が確認でき、できるだけ有利な売却のタイミングをつかみやすくなります。
とはいえ最近は、車の買取業者も大手有名チェーンから地元の整備工場や販売業車まで実に多く、すぐに見積もりを依頼したくてもどこを選べばいいか決めるのは大変です。
ここではそのような方に向けて、手始めの買取業者を選ぶときにチェックしておきたいポイントとその理由について解説します。
全国展開している
1つめのポイントは、全国展開していることです。車は山や海、夏や冬、カーブの多い坂道や平坦でまっすぐな道など周囲のさまざまな状況によって劣化します。国内でもたとえば九州・沖縄と北海道では気温や天候、地形の違いは大きいものです。さらされる状況がまったく違うため、車を査定するときはその経験やノウハウがなければ適切な金額はだせません。
そう考えると全国展開している買取業者は、広いエリアに展開しているほど適切な査定が期待できます。知名度も高いため、預けた車を持ち逃げするような悪徳業者ではないと安心できるのもメリットです。
また担当するスタッフが多いほど、もし相性がよくなければ他のスタッフと交代してもらうこともできるでしょう。大切な車の査定という重要な場面です。考えられる不安材料をできるだけ少なくする必要があります。
買取・販売実績が多い
もう1つのポイントは、買取・販売実績ができるだけ多いことです。買い取った車を自社で売っている業者は、中間マージンを支払うことなく自社のみで利益を得るしくみがあることを表しています。このような業者のホームページには、さまざまな買取査定の例が公開されているため、業者選びへの利用も可能です。
また買うにしても売るにしても、実績が多いという事実は数多い業者の中でも多くの方に選ばれているとの証明でもあります。選ぶ理由は人それぞれですが、これはこれから見積もってもらう自分にもまた、選ぶ可能性があるということです。
長く乗った車に寿命を感じたら廃車ひきとり110番へ
どれほど大事に乗ったとしても、いつかは愛車に寿命が来ます。大事に乗れば乗るほど、寿命が来るまでの期間は延び、寿命が来たときには買取や下取りができない状態になっているかもしれません。
そのようなときでも廃車ひきとり110番なら無料で廃車手続きが可能。無料どころか、買取金額が発生したり、自動車税や自動車重量税、自賠責保険が還付金として戻ってきたりすることもあります。
査定ももちろん無料で、LINEで写真を撮って車の情報を送るだけ。Webから車名や状態など、車の情報を送るだけでも査定できます。詳細な内容を知りたいという方は、ぜひ「廃車ひきとり110番」までお問い合わせください。