1. 廃車するときの豆知識

車の永久抹消登録とは?必要書類・費用・流れの解説とよくある質問

永久抹消登録の手続きが不安な人のために、一時抹消登録との違いから手続きに必要な書類と費用、流れを説明します。さまざまなケースにおける必要書類やよくある質問にも答えています。永久抹消登録を検討している方はぜひ参考にしてください。

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車を物理的に廃車にする場合には永久抹消登録の手続きが必要です。

解体工場で車をスクラップして永久抹消登録をすることで、車はご自身のものではなくなり、税金や駐

車場代がかからなくなります。

例えば車が全損してしまった場合や、長年乗ってボロボロになってしまった場合などに永久抹消登録の手続きが必要です。

しかし、永久抹消登録は多くの方に取ってなじみのない手続きであるため、どのように進めればよいか分からない方も多いことでしょう。

こで、本記事では永久抹消登録とはどのようなものかについてわかりやすく解説します。

手続きに必要な書類・費用・手続き方法などをまとめているので、車の解体を検討している方は必見です。

1. 永久抹消登録とは?

車の抹消登録とは、自動車の使用を中止・解体・輸出などをする場合に必要な手続きのことです。

どの手続きであっても抹消登録後は、公道を走ることができなくなります。

永久抹消登録は、その名のとおり登録を永久に抹消することを指します。

抹消登録後は自動車をリサイクル事業者に引き渡し、適正に解体処分することが必要です。

2. 永久抹消登録と一時抹消登録の違い

抹消登録と呼ばれるものには、永久抹消登録と一時抹消登録の2つがあります。

永久抹消登録は廃車にする場合の手続き、一時抹消登録は将来乗る可能性がある場合にする手続きです。

二度と乗らないのであれば永久抹消登録、税止めしたい場合や観賞用として保管したい場合は、一時抹消登録がおすすめです。

そのほか、手続きの流れと再登録の可否が大きく異なります。

2-1. 手続き

永久抹消登録の場合は解体作業が必要ですが、一時抹消登録の場合は必要ありません。

売却や解体などの手続きがないため、一時抹消登録の方が抹消を早く進められます。

2-2. 再登録の可否

永久抹消登録をすると再登録できませんが、一時抹消登録では可能です。

再登録すれば、ナンバープレートをつけて再び公道を走れるようになります。

二度と乗らないのであれば永久抹消登録、将来乗る可能性があれば一時抹消登録をしましょう。

3. 永久抹消登録に必要な書類

自分で永久抹消登録の手続きを行うことを前提として、必要な書類について解説します。

必要な書類がいくつかあるため、事前に準備できるものは記入し、必要書類を集めておくことをおすすめします。

3-1. 永久抹消登録申請書

永久抹消登録申請書に実印を押印し、解体報告記録日や解体にかかる移動報告番号を記載します。

解体報告記録日は解体を依頼した業者に確認しましょう。

移動報告番号は、リサイクル番号のハイフンを除いた番号です。

永久抹消登録申請書は、国土交通省「自動車検査登録総合ポータルサイト」でダウンロードできます。

運輸支局にも用意されていますが、印刷して事前に準備しておくと手続きがスムーズです。

3-2. 手数料納付書

永久抹消登録にかかる手数料は無料です。

しかし、手数料納付書を記入する必要があります。

納付書にある「自動車登録番号又は車体番号」「所有者又は使用者の氏名又は名称」を欄に記入し、永久抹消登録にチェックを入れてください。

3-3. 所有者の印鑑(登録)証明書

所有者の印鑑証明書は、発行されてから3か月以内のものを使用してください。

印鑑証明書は役所の窓口か、コンビニのコピー機を使って取得できます。

手数料は役所が300円、コンビニのコピー機が200円前後です。

役所で取得する場合は印鑑登録証、コンビニのコピー機で取得する場合はマイナンバーカードを用意してください。

所有者が未成年で印鑑証明書が発行されない年齢の場合は、印鑑証明書の代わりに住民票を添付する必要があります。

3-4. 自動車検査証

自動車検査証とは、車検証のことです。

自動車検査後に発行されますが、紛失または盗難、破損した場合は再発行が可能です。

運輸支局や自動車検査登録事務所の窓口で手続きしてください。

なお、車検証の不携帯は違反行為となります。

そのため、紛失しないよう一般的にダッシュボックスなど車の中で保管する人も多いでしょう。

もしどこにあるか心当たりがなければ、車の中を重点的に探してください。

限定自動車検査証が交付されている場合は、限定自動車検査証を用意しましょう。

限定自動車検査証とは、車検を受けたときに不適合となり、当日整備ができない場合に発行される検査証です。

車検の際に不適合になった記憶があれば、限定自動車検査証が発行されていないか確認してください。

3-5. 自動車登録番号標

自動車登録番号標とは、ナンバープレートのことです。

車の登録時に交付されます。

永久抹消登録をする場合、解体前に取り外すか解体業者に取り外しを依頼して保管しましょう。

3-6. 所有者の氏名・名称の変更の事実・住所のつながりが証明できる書面

所有者の氏名・名称・住所に変更がある場合、それぞれ変更の事実やつながりが証明できる書面を用意しましょう。

例えば結婚して氏名と住所が変わった場合、住所のつながりが証明できる住民票もしくは住民票の除票や戸籍の附票、氏名の変更の事実が証明できる戸籍謄本か戸籍の全部事項証明書や住民票が必要です。

住民票の除票とは前住所を記録した書類のことで、役所の窓口で発行してもらえます。

ただし、記載されているのは1つ前の住所のみのため、何度も転居している場合は戸籍の附票が便利です。

本籍を置いている間のすべての転居の流れを追うことができます。

4. 【特殊なケース別】永久抹消登録に必要な書類

「永久抹消登録の方法を検索しても思ったとおりの結果が表示されない」

「私のようなケースでは永久抹消登録できないのかな?」

このようにお悩みの方のために、特殊なケースにおける永久抹消登録に必要な書類について解説します。

4-1. 盗難・遺失などにより自動車検査証がない

自動車検査証を盗難または遺失などにより返納できない場合は、返納できない旨の記載と使用者の記名のある理由書が必要です。

理由書の様式は国土交通省や運輸局の公式サイトからダウンロードできます。

盗難・遺失または紛失では理由書の様式が異なるため、ダウンロードする際は注意してください。

4-2. 盗難・遺失などにより自動車登録番号標がない

ナンバープレートが盗難または遺失などにより返納できない場合は、返納できない旨および届出警察署名・届出日・受理番号の記載、および所有者または使用者の記名のある理由書が必要です。

盗難の場合は盗まれた年月日と届け出を出した警察署の名前、届け出をした年月日と受理番号が必要です。

盗難届を出した際には、これらを控えておきましょう。

4-3. 所有者が死亡している

永久抹消登録申請においてその所有者が死亡している場合、相続人のうち1名が申請したものを受理することになっています。

この場合、相続による移転登録はしません。

永久抹消登録申請書を提出する際は、被相続人と申請人の相続関係および被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本なども用意してください。

なお、所有者が死亡した場合は車を相続することも可能です。

永久抹消登録ではなく相続する場合は「所有者が死亡した自動車はどうする?名義変更の方法や流れを解説!」をご覧ください。

4-4. 所有者が外国人で印鑑証明書が提出できない

申請人(所有者)が外国人で、印鑑(登録)証明書の提出ができないケースでの対処法を説明します。

この場合、大使館または領事館もしくは官公署が発行したもので、氏名と住所が記載されたサイン証明書であれば印鑑証明書とみなされます。

所有者が外国人で印鑑証明書がない場合は、いずれかの場所で発行を依頼してください。

また、所有者が外国法人で国内に拠点がなく、印鑑証明書の発行を受けることができない場合もあります。

この場合は、次のうちいずれか1つを用意してください。

・本国法に準拠して成立し法人格を有していること、法人を代表する権限を有するものおよびその者のサインについて、当該外国の官憲が証明した書面

・日本における領事等が当該商事会社は本国において法人格を有する旨および日本における代表者である旨を認証した書面と日本における代表者のサイン証明書

なお、添付書類が外国語により作成されている場合は、必要に応じて翻訳した者が氏名と住所を記載した訳文を添付してください。

5. 永久抹消登録に必要な廃車費用

永久抹消登録に必要な費用は無料です。

しかし、解体して廃車にする過程において費用が発生します。

解体業者によって費用は異なりますが、廃車を部品として買い取ることで相殺することも可能です。

一時抹消登録の手続き費用や還付金について知りたい方は、「廃車登録は自分でできる?手続きの方法・費用・還付金を解説!」をご覧ください。

5-1. リサイクル料金

車を解体する場合、リサイクル料金が約6,000~18,000円かかります。

リサイクル券を持っている人がほとんどのため、解体時にかかることはあまりありません。

リサイクル券を解体業者に渡して、車を処分してもらいましょう。

なお、廃車にせず中古車として売却した場合、リサイクル料は返金されます。

5-2. レッカー費用

動かない車を永久抹消登録するには、解体するために業者までレッカー車で運ぶ必要があります。

このときにかかる費用は約10,000~30,000円です。

なお、距離が遠ければ遠いほど費用は高くなります。

解体業者までの距離が遠ければ、かなりの費用がかかってしまうことでしょう。

5-3. 解体費用

車の解体費用の相場は、約10,000~20,000円です。

ただし、パーツや部品を売却することにより解体費用が相殺できることもあります。

解体費用やレッカー費用などを合わせたトータル費用は業者によって変わるため、相見積もりを取って検討するとよいでしょう。

6. 永久抹消登録の流れ

永久抹消登録の手続きをするときは、まず業者に解体を依頼してください。

その次に必要書類を準備し、運輸支局などに書類を提出して完了です。

6-1. 業者に解体を依頼する

永久抹消登録申請書には解体報告記録日と解体にかかる移動報告番号を記載する必要があります。

そのため、まずは解体業者を探して依頼してください。

永久抹消登録するための解体には、レッカー費用や解体費などの費用がかかります。

これは業者によって異なるため、複数社で相見積もりを取ってから決定するとよいでしょう。

6-2. 必要書類を準備する

解体が終わったら、先ほど紹介した以下6つの書類を準備します。

・永久抹消登録申請書

・手数料納付書

・所有者の印鑑(登録)証明書

・自動車検査証

・自動車登録番号標

・所有者の氏名・名称の変更の事実・住所のつながりが証明できる書面

申請書は運輸支局などでも作成できますが、自動車検査登録総合ポータルサイトでダウンロード可能です。

事前に作成しておくとスムーズに申請できます。

6-3. 運輸支局などに書類を提出する

必要書類が用意できたら、普通車の場合は運輸支局、軽自動車の場合は軽自動車検査協会に提出してください。

受理されたら永久抹消登録完了です。

7. 永久抹消登録に関してよくある質問

永久抹消登録の必要性や代理人による申請の可否など、永久抹消登録に関する質問はいくつかあります。

その中でも特に多い質問に対してお答えします。

7-1. 永久抹消登録をしないとどうなる?

使用しない車を永久抹消登録しない場合、使用していたときと同様に納税する義務が生じます。

使用していない車の税金を支払うのは損になるため、この先も乗る予定がなく観賞用としても保管しない場合は、永久抹消登録がおすすめです。

7-2. 永久抹消登録をしなくても税止めできる?

転出・譲渡・抹消などの手続きを行った際、税止めの手続きができます。

ただし、転出・譲渡・抹消の手続きなしで税止めすることはできません。

永久抹消登録をせずに税止めしたいときは、一時抹消登録を行いましょう。

なお、自治体によっては税止め手続きが不要のこともあります。

例えば東京都立川市の場合、手続き場所が東京都内である場合は手続き不要です。

都内に限り、登録内容の変更情報が立川市に届くようになっています。

7-3. 代理人が永久抹消登録をすることは可能?

代理人による永久抹消登録は可能です。

所有者の委任状に自動車登録番号と車台番号、委任者の氏名または住所を記入し、実印を押印して提出します。

なお、自動車重量税の還付申請も代理人が申請する場合、永久抹消登録の委任状と併用することも可能です。

詳しい方法については「廃車の手続きは代理人にもできる?代理手続きの手順と委任状について解説」をご覧ください。

7-4. 車の解体後でないと手続きができない?

申請時に解体報告記録や移動報告番号を記載する必要があるため、解体後でなければ手続きできません。

解体せず登録を抹消したい場合は一時抹消登録を行いましょう。

7-5. 永久抹消登録をすると再登録できない?

永久抹消登録は解体してスクラップにすることを前提としているため、再登録はできません。

永久抹消登録には、解体報告記録日を記載する必要があるため、解体せずに永久抹消登録をすることもできません。

将来乗る予定があれば、一時抹消登録を行ってください。

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9. まとめ

永久抹消登録とはその名のとおり、車の登録を永久に抹消することです。

手続きするには解体が必要であり、二度と乗車できなくなります。

永久抹消登録するには、まずは解体業者を選定しましょう。

複数社で相見積もりを取って、1番条件に合う業者に依頼してください。

永久抹消登録の手続きに不安があれば、廃車の引き取り業者への依頼がおすすめです。

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査定額やトータル費用は業者によって異なるため、複数社を比較したうえでご検討ください。

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