軽自動車には還付金制度があります。
不要になった軽自動車を解体・廃車にして所定の手続きをすると、自動車重量税や自賠責保険の未消化分が受け取れます。
申請しないと受け取れないため、損したくない方は、必ず手続きを行いましょう。
本記事では、軽自動車の還付金についての基礎知識や、還付金の計算方法を解説します。
また手続きの手順も分かりやすくご紹介。
初めて還付金申請をする方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
不要になった軽自動車を廃車にすると、支払った税金の一部が「還付金」として戻ってきます。
軽自動車に乗るために納める税金は、基本的に一定期間分を先払いすることになっているためです。
この章では、軽自動車の還付金の概要をご紹介します。
1-1. 還付金を受けられる2つの項目
還付金を受けられるのは、主に以下2つの項目です。
・自動車重量税
・自賠責保険
1-1-1. 自動車重量税
還付金を受けられる1つ目の項目は「自動車重量税」です。
自動車重量税とは、車体の重量に応じて課税される税金のことで、軽自動車の自動車重量税額は以下のとおりです。
新車の新規登録からの年数 | 金額 |
~12年目 | 定額3,300円 |
13~17年目 | 定額4,100円 |
18年目~ | 定額4,400円 |
自動車重量税は毎年払うのではなく、新車購入時に3年分、以降は車検時に2年分まとめて払います。
なお環境性能が優れたエコカーの場合、燃費基準の達成度合に応じて25~100%の減税が、新車登録時と初回車検時に適用されます。
1-1-2. 自賠責保険
還付金の対象となる別の項目は「自賠責保険」です。
※還付金ではなく「解約返戻金」と呼ばれることもあります。
自賠責保険は「強制保険」とも呼ばれ、軽自動車を所有するユーザーが必ず加入しなければなりません。
加入すると、対人賠償が補償されます。
2024年1月時点での保険料は以下のとおりです(代表的な月分を抜粋)。
12カ月分 | 13カ月分 | 24カ月分 | 25カ月分 | 36カ月分 | 37カ月分 |
1万1,440円 | 1万1,950円 | 1万7,540円 | 1万8,040円 | 2万3,520円 | 2万4,010円 |
※沖縄県や離島地域は保険料が本土と異なります。
※保険料は年度により変動することがあります。
自賠責保険は、自動車購入時や車検のタイミングで、一定期間分をまとめて支払います。
中古車を購入する場合の自賠責保険の契約期間は、購入時から次回の車検までの期間分(未経過分相当額)です。
1-2. 還付金を受けられる条件
還付金を受けるには、以下の条件を満たしている必要があります。
・車検の残存期間が1カ月を超えてあること
・廃車手続き(「解体返納」もしくは「自動車検査証返納届」)をすること(自動車重量税の還付は解体返納のみ)
・解体返納の場合は法律に基づいた適正な解体がされること
・還付金の申請をすること
これらの条件の確認が漏れていて、期限を過ぎていたり、手続きを忘れていたりすると受け取れるはずの還付金を全く受けられなくなるため、注意しましょう。
1-3. 還付金に関する注意点
還付金に関する注意点として押さえておきたい点は、軽自動車税は還付金の対象にはならないということです。
軽自動車税は、軽自動車などに対して課せられる地方税で、1年に1回、4月1日時点での軽自動車の所有者に課せられます。
軽自動車税の金額は、新規検査からの年数や軽自動車の用途によって異なりますが、原則10,800円です。
自動車重量税や自賠責保険と同様に還付の対象となると考えられがちですが、いったん課税の対象となった軽自動車税については還付を受けられません。
2. 軽自動車の還付金の計算方法は?シミュレーション解説
ここからは、軽自動車の還付金を計算する方法について解説します。
「どれくらいの還付金が返ってくるのか、おおまかに額を計算しておきたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
2-1. 廃車で戻ってくるお金の計算方法
自動車重量税の還付金の計算方法は以下のとおりです。
納付済みの自動車重量税額×車検残存期間÷車検有効期間
自賠責保険料の還付金については以下の早見表が役立ちます。
残り月数 | 24ヶ月 | 23ヶ月 | 22ヶ月 | 21ヶ月 | 20ヶ月 | 19ヶ月 |
還付金額 | 14,500 | 13,890 | 13,280 | 12,670 | 12,060 | 11,450 |
残り月数 | 18ヶ月 | 17ヶ月 | 16ヶ月 | 15ヶ月 | 14ヶ月 | 13ヶ月 |
還付金額 | 10,840 | 10,230 | 9,620 | 9,010 | 8,400 | 7,790 |
残り月数 | 12ヶ月 | 11ヶ月 | 10ヶ月 | 9ヶ月 | 8ヶ月 | 7ヶ月 |
還付金額 | 7,180 | 6,580 | 5,980 | 5,390 | 4,790 | 4,190 |
残り月数 | 6ヶ月 | 5ヶ月 | 4ヶ月 | 3ヶ月 | 2ヶ月 | 1ヶ月 |
還付金額 | 3,590 | 2,990 | 2,390 | 1,800 | 1,200 | 600 |
※2021年4月~2023年3月31日の間に自賠責保険の契約をした場合を想定。
2-2. 具体的な還付金をケース別にシミュレーション
還付金の受取額を理解するためには、具体的なケースを想定したシミュレーションが役立ちます。
この章では、2つのケースでのシミュレーションをご紹介します。
ケース1:初回車検時の重量税が6,600円で、次回の車検までの残存期間が10ヶ月の場合の還付金
重量税の還付金:
2,750円
※計算式は以下のとおりです。
6,600(円:2年分の車検代)×10(カ月:車検残存期間)÷24(カ月:車検有効期間)
自賠責保険還付金:5,980円
※2-1の早見表より、残り月数10ヶ月を参照
ケース2:新車登録時に9,900円の重量税を支払い、車検まで残り3ヶ月で申請する場合
重量税の還付金:825円
※計算式→9,900(円:3年分の車検代)×3(カ月:車検残存期間)÷36(カ月:車検有効期間)
自賠責保険還付金:1,800円
※2-1の早見表より、残り月数3ヶ月を参照
廃車ひきとり110番では、戻ってくる自動車重量税と自賠責保険の計算をシミュレーションできます。
普通自動車の場合は「自動車税還付金」の計算も可能です。
還付金シミュレーションページ
3. 軽自動車の還付金を受け取る手順と費用
ここからは、軽自動車の還付金を受け取るプロセスや、必要な費用について解説します。
これから廃車する予定の車がある方は、こちらを参考にして手続きを進めるとスムーズでしょう。
なお今回は、車を二度と使わないことを前提にした「解体返納」の例を解説します。
3-1. ステップ1:軽自動車を解体する(費用は業者による)
解体返納には、必ず解体作業が必要です。
そのため還付金手続きの前に、まずは車を解体してくれる業者に依頼しましょう。
依頼できる業者としては、以下のようなところが挙げられます。
・解体業者
・ディーラーなどの車販売店
・廃車買取業者(廃車予定の車の引取や買取をしてくれる業者)
業者によっては、解体から軽自動車検査協会での廃車手続きから還付金申請までの代行に対応していることもあります。
業者の業務の範囲や、依頼時に必要な書類は業者ごとにことなるため、依頼前に確認しましょう
解体のみ依頼して、その後の手続きを自分で行う場合は、解体時に以下のものを受け取ります。
・使用済自動車引取証明書
・ナンバープレート(前後2枚)
また車検証も必ず手元に持っておいてください。
解体にかかる費用は業者によって異なりますが、相場は以下のとおりです。
・解体費:2万円前後
・レッカー代(故障などで自走できず運搬してもらう場合):2万円前後
・リサイクル費用(リサイクル券が発行されていない場合):8,000~2万円ほど
※平成17年以降に購入した車はリサイクル費用を事前に支払ってあります。
注意点として、繰り返しになりますが、解体作業は許可なく行えません。
自分で解体しても正式な手続きにならないどころか、法令違反で罰金対象になるため注意しましょう。
3-2. ステップ2:軽自動車検査協会で解体返納申請をする(無料)
廃車手続きまで依頼せず解体のみ依頼する場合は、解体後に軽自動車検査協会に行き、解体返納申請をします。
こちらの手続きは無料で行えます。
必要な書類は以下のとおりです。
・車検証
・前後2枚のナンバープレート
・移動報告番号&解体報告記録日(解体業者から入手)
・解体届出書(軽第4号様式の3:検査協会サイトか窓口で入手)
・申請依頼書(代理人申請の場合:検査協会サイトから入手)
解体返納の手続きをするのと同じタイミングで、自動車重量税の還付申請も行います。
※軽自動車検査協会では、自賠責保険の還付申請は行いません。
窓口で念のため、還付申請をしたい旨を職員に伝えるようおすすめします。
申請時には、振込先口座の情報と、個人番号カード(マイナンバーカード)または通知カード&運転免許証が必要です。
3-3. ステップ3:保険会社へ自賠責保険の解約を申し出る
続いて、自賠責保険を契約している保険会社に連絡し、解約および保険料の還付金申請を行いましょう。
必要書類ですが、保険会社により多少求められるものが異なる場合があります。
事前に確認が必要ですが、おおむね以下のような書類が必要になるでしょう。
・自賠責保険証明書
・印鑑
・本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
・廃車手続きしたことを証明する書類(解除事由証明書、検査記録事項等証明書、自動車重量税還付申請書付表1、自動車検査証返納証明書など)
なお解約や還付金申請は、保険会社の窓口ではなく、郵送で行える場合もあります。
窓口での申請が難しい場合は、事前に保険会社へ問い合わせるようおすすめします。
4. 軽自動車の還付金でよくある質問
軽自動車で受け取れる還付金については、以下のような質問がよくされます。
・軽自動車の還付金申請はだれかに委任できる?
・任意保険に還付金はないの?
・還付金はどこで受け取れる?
知っておくと手続き時に参考になるので、回答をご紹介します。
4-1. 軽自動車の還付金申請はだれかに委任できる?
代理人でも申請可能です。
自動車重量税についてですが、車の所有者が何らかの理由で申請できない場合、代理人が申請依頼書(様式2)や身元確認できる書類を提出・提示すれば受理されます。
車の所有者の個人番号カードまたは通知カードの写しと併せて用意しておき、軽自動車検査協会の窓口で申請してください。
自賠責保険についても、やはり委任状があれば代理人が申請できます。
解約申請は契約している保険会社で行いますが、必要書類と委任状を持参しましょう。
4-2. 任意保険に還付金はないの?
保険会社が対応していれば、還付金を受け取れます。
ただし、対応している場合でも還付金の額は保険会社により異なるため、詳しくは保険会社へ問い合わせましょう。
例として、チューリッヒ自動車保険では「解約払戻金」として、保険料の一部の変換に対応しています。
残りの保険期間に応じた「短期率」で計算し、チューリッヒが収納する分と、契約者に返す分を決めます。
※短期率は、解約に応じて保険料の返還額を計算するのに用いられる係数。
4-3. 還付金はどこで受け取れる?
自動車重量税については、郵便局窓口で受け取るか、金融機関の口座に振り込んでもらえます。
郵便局窓口での受取には、振替払出証書が必要です。
振り込みを選択する場合は、車所有者と同じ名義の口座を使いましょう。
自賠責保険については、各保険会社に問い合わせる必要がありますが、一般的に指定の金融機関の口座に振り込んでもらえます。
5. 還付金手続き相談もお任せ!軽自動車の処分は「廃車ひきとり110番」
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・引取後の査定減額一切なし
自分で解体を伴う廃車手続きをする場合、解体業者やディーラーへの依頼をすると数万円の費用がかかってしまうことがあります。
この点、「廃車ひきとり110番」で廃車にかかる費用を買い取り代金と相殺するため、お客様側の負担が生じないケースが大半です。
自走しない軽自動車に関しても、部品に価値がある場合があるため、ぜひ一度査定をご依頼ください。
当然、自動車重量税や自賠責保険の還付金もあわせて受け取れます。
廃車手続きは行政上の手続きに手間がかかりますが、弊社のように、専門知識を持つスタッフのいる専門業者に相談・依頼することでスムーズに進められます。
「まずは廃車や還付金について質問だけしたい」という方も、ぜひ一度弊社公式ページより詳細をご覧の上、お気軽にお問い合わせください。
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6. まとめ
軽自動車の廃車手続きを行うと、還付金を受け取れます。
廃車手続きには、解体が必要な「解体返納」と、不要の「自動車検査証返納届」があります。
自動車重量税の受取には「解体返納」が必須ですが、自賠責保険については両方の手続きで受取可能です。
注意点として、還付金の受取にはいくつかの条件があり、すべてのケースで返還されるわけではありません。
また「軽自動車税」の還付金措置がないことも理解しておきましょう。
これから解体返納の手続きをする場合は、本記事でご紹介した手順を参考に、還付金手続きを行ってください。
また受け取れる還付金の額については、解説した計算方法や、「廃車ひきとり110番」のシミュレーションページが参考になります。
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