1. お車ユーザーの豆知識

安くても買っちゃダメ!水没車/水害車の見るべきポイント3つ!

水没車1

多くの中古車はクリーニングされ、綺麗な状態で販売されています。ただ、中には、どんなに綺麗な状態であっても、購入を避けるべき中古車もあります。それが「水没車(水害車/冠水車)」です。
しかし、中古車販売店には、水没車であることを明記する義務はありません。
車の購入は大きな決断です。特に、中古車市場での取引は、信頼できる情報が少なく、一歩間違えば「水没車」という見えないリスクを抱えることになります。水没車は見た目には問題がなくても、内部に致命的なダメージを抱えている可能性があります。この記事では、水没車を購入しないためのポイントを詳しく解説します。さらに、購入後に問題が発覚した場合の対処法も紹介します。

そもそも水没車ってどんな車?

水没車

水没車とは、洪水や台風などの自然災害によって浸水した車両を指します。水に浸かった時間や深さによってダメージの程度は異なりますが、電気系統やエンジン、内装に深刻な影響を及ぼすことが一般的です。外見上はきれいであっても、内部が腐食していることも多く、見た目に騙されないようにすることが重要です。また、長期間放置された場合、内部のカビや異臭が発生することもあるため、購入前の確認は欠かせません。

水没車の基準とは?

水没車であるか否か、その基準は日本自動車査定協会によって定められています。具体的な基準は以下の2点です。

浸水が室内フロアよりも上まで達した車
浸水した跡が複数個所ある車

「室内フロアまで」というと少しややこしいですが、一般的には「フロアマットまで」沈むほど浸水した車が「水没車」と認識されています。
もちろん事故などによって、完全に水中に沈んでしまった車は水没車です。そして豪雨などによってフロアマット上まで水浸しになってしまった車もまた、水没車となります。

査定を受けないと判断が難しい

中古車販売店では「水没車」と表記する義務はありません。フレーム修理を行った車に対しては「修復歴車」と表記することが義務付けられています。しかし、ただ浸水しただけで、大掛かりな修理が不要だった場合は、この修復歴車とすら書く義務はないのです。

そのため「安いから」と金額のみで選んでしまうと、水没歴のある車を選んでしまう可能性があります。販売店によっては、安すぎるとかえって警戒されてしまうからと、水没車も通常の中古車と同程度の価格で販売している店舗もあります。そうなると、金額からも水没車か否かの判断は難しいでしょう。

以上のことから、自動車査定士などによる査定を受けなければ、実際、水没車を見極めることは困難です。

*もちろん、販売後の無用なトラブル、悪評を避けるため、水没車を扱わない、もしくは扱っても表記して購入者にリスクを理解していただいた上で販売しているお店がほとんどです。

中古車を購入する際は、車両の履歴を確認することで、公式な記録が残っていない場合でも、販売業者に詳細な履歴を尋ね、納得のいく説明を受けることが大切です。

水没車の購入を避けるべき理由

水没車の車

「そもそも、どうして水没車は買っちゃいけないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。車内が綺麗であれば、あまり気にならない方にとっては、水没車であっても大きな問題ではないかもしれません。
しかし、水没車を購入してしまうと、以下2点のリスクを抱えることになります。

・衛生面でのリスク
・高額な修理費がかかるリスク

まず、汚水よる水没車は、カビや細菌の繁殖といった衛生面でのリスクがあります。特に、カビや細菌は、目に見えない部分で増殖するため、気づかぬうちに不衛生な車内となっているケースが多くあります。
購入したばかりの頃は問題なくても、後々になって故障する可能性もあるでしょう。特に水没車はエンジンなどの故障リスクが高くなります。修理を行う際も、水没車の修理費用は高額になるケースが多いです。エンジンのみであっても、修理費用は10〜100万円ほど。これでは、安く中古車を購入する意味がありません。

水没車を見極めるなら、この3箇所を見よう

では、水没車と表記されていないならば、購入者は運に頼るしかないのでしょうか?決してそんなことはありません。水没車か否かは、見るべきポイントを押さえていれば、素人でもある程度判断することができます。ここでは水没車である可能性を疑うべき、3つのポイントを紹介します。

1.ドアの内張

ドアの内張は水没車を見極める上で重要なポイントです。内張を外して裏側を確認し、水の痕跡やカビの発生がないかをチェックします。特に、高温多湿の環境下ではカビが発生しやすく、独特な臭いも確認ポイントの一つです。また、内張の接続部が緩んでいる場合は、過去の水没の可能性が考えられます。

以下のような修理跡が残っている可能性が高いです
・内部のシーリングスクリーンに、一度剥がした跡がある
・接着剤に粉末状の汚れがある
・各トリム類の製造年月や初度登録年月車と車の年式に誤差がある

上記3つのどれかに該当する場合、その車は水没車かもしれません。慎重に確認してください。

2.トランクルーム

トランクルーム内のカーペットは、水没の痕跡が残りやすい場所です。カーペットを持ち上げ、下に水の跡や泥の付着がないかを確認します。また、トランクの周囲にサビが発生している場合は、水没の可能性が高いと考えられます。さらに、トランク内のスペアタイヤや工具が錆びているかも確認し、水没の影響がないかを見極めましょう。

以下5つのポイントを見て購入を検討してください。
・トランクマットや内張に交換歴はあるか
・トランクルームに錆はないか(工具やジャッキなども要確認)
・トランクルーム内がカビ臭くないか(室内の異臭など)
・工具やジャッキ部分に粉末状の汚れはないか
・トリムボードが変形していないか

通常の運転で、トランクルーム内が錆びるケースは稀でしょう。上記5つで当てはまるものがあれば、警戒が必要です。

3.エンジンルーム

エンジンルーム内の状態も注意が必要です。特に、エンジン周りの電気配線や接続部に水の痕跡があったり、サビが発生している場合は、水没車の可能性があります。エンジンオイルや冷却水の状態も確認し、異常がないかを見逃さないようにしましょう。エンジンルームの異臭や異音は、水没の影響を示唆する場合がありますので、慎重にチェックしてください。

具体的に見るべきポイントは、以下4点です。

・アルミ製部品が腐食したり、変色したりしていないか
・ラジエータコアサポートやエアコンコンデンサが変色していないか
・各部位に粉末状の汚れはないか
・ヘッドカバーボルトやシリンダブロックに、錆などの気になる点はないか

エンジンルームで水没車か否かを判断するには、上記4点を確認する必要があります。しかし、ドアの内張やトランクルームと比べ、エンジンルームで判断するのは、素人にとって困難です。可能な限り、前述した2箇所から判断してください。

水没車を購入してしまったときの対処法

水没車対処法

気をつけていたつもりでも、表記がされていない限り、知らずに水没車を購入してしまう可能性はあるでしょう。万が一、購入した車が水没車だった場合の対処方法を解説します。

中古車のクーリングオフはできない

中古車は基本的にクーリングオフを利用することができません。そもそもクーリングオフ制度は、実際に店舗に出向いて購入した商品や、インターネットなどで購入した商品は対象外です。
中古車を購入する場合、実物を見ずに購入する方は少ないでしょう。よって、店舗に出向くため、クーリングオフの対象外となってしまいます。購入前には契約内容を詳しく確認し、疑問点は販売店に質問して解決しておくことが重要です。

キャンセルや返品ができることもある

購入したあとから、水没車だと判明した場合は、キャンセルや返品ができないか交渉してください。買取業者などによっては、中古車であっても「キャンセル期間」を設けているところもあります。各業者が定める条件を満たしていれば、購入をキャンセルすることが可能です。さらに売り手には「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」というものが、民法によって定められています。それに則って、契約を解除したり、損害賠償を請求したりすることができます。
しかし、悪徳な業者によっては連絡が取れなくなるなどのトラブルが生じるケースもあるため、やはり事前のチェックは入念に行う必要があるでしょう。

車を水没させてしまったときの対処法

ここまでは、水没車を購入しないための方法を解説しました。本章では、逆に自身の車を水没させてしまった場合の対処方法について解説します。

保険を確認する

車を水没させてしまった場合は、真っ先に車両保険を確認しましょう。洪水が原因で水没した場合は補償されます。自動車保険の場合は、翌年1つ等級がダウンしてしまいますが、適用されます。

保険会社に早急に連絡し、必要な手続きを進めましょう。可能であれば、被害の状況を写真やビデオで記録しておくことも大切です。これにより、保険請求の際にスムーズな手続きが可能になります。

詳しい補償内容や条件については、各種保険によって変わるため、自身が加入しているものを確認してください。

保険対象外となるケース

一部の保険商品では、自然災害による損害が補償対象外となることがあります。この場合、自己負担での修理や車の買い替えを検討しなければなりません。保険を見直す際には、自然災害に対応した補償内容を確認し、必要に応じて追加の保障を付けることを考えましょう。保険の見直しは、将来的なリスクを軽減するための重要なステップです

修理について考える

水没車は、損傷の度合いによっては修理が可能です。特に、エンジンや電気系統に大きなダメージがない場合は、修理を検討する価値があります。修理にかかる費用と車の価値を比較し、修理をするかどうかを判断しましょう。

水没車を修理できるラインとは?

修理が可能か否かのラインとしては、エンジンが浸水しているかどうかがポイントとなります。エンジンが水に浸ってしまった場合は、基本的に修理ではなく交換となるでしょう。
多くの車のエンジンは、前方のボンネットにあります。車内まで浸水した場合、エンジンが浸水している可能性が高いため、修理することは難しくなるでしょう。
またエンジンの他にも、電気系統にトラブルが生じているケースや座席上部まで水に浸ってしまった場合は、修理ではなく買い替えの検討をおすすめします。

というのも、そこまで浸かっている場合、汚れた水のためにカビや汚れがシートの奥まで発生している可能性もあり、外見上がきれいになっても気持ち良いものではないかもしれんし、悪い場合は健康被害の可能性もあります。

水没車にかかる修理代は?

もちろん、修理費も浸水のレベルによって大きく左右されます。また、修理が必要なパーツごとに相場価格も異なるでしょう。
電気系統を修理する場合は、パーツによって5,000円から15万円ほど修理費がかかります。エンジンは、8万円から100万円ほど。場合によっては買い替えよりも、修理の方が高額になることも少なくありません。

売却する

水没し、修理できない車は廃車にするしかないというわけではありません。水没車であっても売却することは可能です。そして売却金額は、浸水レベルによって異なります。
フロアまで水没した車は、通常の中古車買取額より30%ほど安くなります。クッション部分まで水没した車は40%、ダッシュパネル上部までの場合は50%ほど価値が下がるでしょう。
もちろん、車の状態によっても金額は異なるため、まずは買取専門業者へ問い合わせてみてください。

どんな車も高価買取

買取された車両は部品取りに使用されたり、海外に輸出されたりすることが多いのですが、海外でも水害車は発火などのトラブルになることもあり、輸入自体を禁止している国もあります。

綺麗な状態でも、水没車の購入は避けましょう!


水没車の購入を避ける方法について、解説しました。水没車は、たとえ見た目は綺麗でも、あとから故障するなどのトラブルが発生する可能性があります。特に最近のハイブリッド車、電気自動車などは海水被害にあっている場合、保管中に発火という事例もあり、危険です。

中古車は、匂いに違和感がないか、ドアの内張やトランクルーム、エンジンルームなどを細かくチェックしたうえで、購入を検討してください。

 

万が一、自身の車を水没させてしまった場合は、「廃車ひきとり110番」へご相談ください。

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