委任状の書き方の違い(一覧表)
所有者のタイプ | 記入する人 | 注意点 |
---|---|---|
個人名義 | 所有者本人 | 実印で押印し、印鑑登録証明書と同じ住所・氏名を記入。 |
ローン残債あり(所有権留保) | ディーラーや信販会社 | 所有権者(ディーラーや信販会社)に委任状を発行してもらう必要あり。 |
法人名義 | 代表者または担当者 | 会社の実印を押し、法人の印鑑証明書を添付。担当者が手続きする場合は、会社の委任状も必要。 |
亡くなった所有者 | 相続人 | 相続手続きが必要。遺産分割協議書や戸籍謄本などの書類を用意し、相続人が委任状を記入。 |
行方不明の所有者 | 代理人 | 家族などが代理で手続きする場合は、家庭裁判所の手続きを経て後見人などの委任が必要。 |
委任状の基本的な書き方
委任状の基本はコチラの記事を参照ください
ダウンロードもできます➡廃車の際に必要な「委任状」「譲渡証明書」「申請依頼書」って?
所有者別注意点
個人名義の場合
個人名義の車を手放す際は、所有者本人が委任状を作成します。
記入時の注意点
- 実印で押印しなくても大丈夫。
- 印鑑登録証明書と同じ住所・氏名を記入する必要があります。
- 印鑑証明書登録を委任状と一緒に提出することが求められる。
ローン残債あり(所有権留保)の場合
ローンを組んで購入した車の場合、多くの場合、ディーラーや信販会社が所有権を持っているため、所有者本人ではなく、所有権者が委任状を作成する必要があります。
記入時の注意点
- 所有権者(ディーラーや信販会社)に連絡し、所有権解除の手続きを依頼する。
- ディーラーや信販会社が発行する委任状が必要。
- ローンが完済されていない場合は、ローン残債の精算が必要
法人名義の場合
車を売却または廃車にする場合は、会社の代表者または担当者が委任状を作成します。
記入時の注意点
- 会社の実印で押印することが必須。
- 法人の印鑑証明書を添付する必要がある。
- 担当者が手続きを行う場合、代表者からの委任状が別途必要になる。
亡くなった所有者の場合
所有者が亡くなった場合、相続人が手続きを行う必要があります。
記入時の注意点
- 車の相続手続きが完了していることが前提。
- 遺産分割協議書や戸籍謄本を用意し、相続人の名義に変更した後に委任状を作成。
- 相続人が複数いる場合、相続人全員の同意が必要なケースもある。
行方不明の所有者
所有者が行方不明の場合、代理人が手続きを行うには家庭裁判所の手続きが必要です。
記入時の注意点
- 家庭裁判所で「失踪宣告」または「成年後見人」の手続きを行う。
- 後見人や代理人が正式に決まった後、その人物が委任状を作成。
- 手続きに時間がかかるため、早めに家庭裁判所へ相談することが重要。
委任状作成に関するよくある質問
委任状の書式は変更できるか
基本的に、委任状の書式はある程度自由に変更可能です。ただし、以下の重要な要素が含まれていなければ無効になる可能性があります。
必須項目
- 委任者(所有者)の氏名・住所(法人の場合は会社名・代表者名)
- 受任者(手続きを代行する人)の氏名・住所
- 委任する内容の明記(例:「車両の売却・廃車手続きを委任する」)
- 車両情報(車検証に記載されている情報)(例:車両番号、車台番号など)
- 日付(作成日を記入)
- 委任者の署名・押印(個人の場合は実印、法人の場合は会社の実印)
変更時の注意点
- 自治体やディーラーによっては、指定の書式を求められることがあるため、事前に確認が必要。
- フォーマットを変更する際も、必須項目は削除せずに残すこと。
- 場合によっては手続きの窓口で「この書式では受付できません」と言われることがあるため、事前に確認しておくとスムーズ。
公式の書式がある場合は、それを使用するのが確実!
特に、信販会社やディーラーが関与する場合は指定の書式があるため、そのフォーマットを使用するのが安全です。
電子化された委任状は有効か
基本的には、電子化された委任状は認められないケースが多いです。特に車両の名義変更や廃車手続きでは、紙の委任状に実印を押印したものが求められることが一般的です。
電子委任状が認められない理由
- 実印での押印が必要
- 車両の登録手続きでは、印鑑登録証明書と同じ印影の実印が求められるため、電子署名では代用できない。
- 管轄の陸運局やディーラーのルール
- 陸運局や信販会社、ディーラーによっては「紙の委任状」を必須としている。
- 偽造・改ざんリスク
- 電子データは編集が容易なため、不正防止の観点から原本(紙)が求められる。
委任状を郵送で提出する際の注意点
車の手続きで委任状を郵送する場合、以下のポイントに注意する必要があります。
1. 原本を送付すること
- 委任状はコピーではなく、必ず原本を送る。
- 実印を押印した正式なものが必要。
2. 印鑑登録証明書を同封する
- 個人名義の場合:委任状の実印と同じ印影の**印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内)**を必ず添付。
- 法人名義の場合:法人の**印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)**を同封。
3. 郵送方法に注意する
- 普通郵便ではなく、追跡できる方法(レターパック・簡易書留など)を利用するのが安全。
- 信販会社やディーラーに送る場合は、送付先の部署名や担当者名を明記する。
4. 送付前に内容を再確認する
- 日付の記入漏れや押印ミスがないかをチェック。
- 車両情報(車台番号・ナンバープレートなど)が正確に記載されているか確認。
- 送付先の住所を間違えないようにする。
5. 受領確認を取る
- 委任状が無事に届いたかどうか、送付先に確認の連絡を入れると安心。
- 重要な手続きの場合、事前に送付先の担当者に確認してから郵送するとスムーズ。
まとめ
所有者の状況によって委任状の書き方や手続きが大きく異なります。
特に「亡くなった所有者」や「行方不明の所有者」の場合は、通常の手続きよりも時間がかかるため、早めに準備を進めることが大切です。
それぞれのケースに応じた適切な書類を準備し、スムーズに手続きを進めましょう。