車の異音は、愛車に何か不具合がある兆候かもしれません。異音が発生した場合、早めに対処しないと、修理費がかさむこともあります。今回は、エンジンルームやタイヤ、ブレーキから発生する代表的な異音の原因とその修理方法について詳しくご紹介します。
エンジンルームから「キュルキュルキュルキュル」の音
異音の原因
アイドリング中やアクセルを踏んだときに「キュルキュルキュル」といった音が聞こえる場合、Vベルトの劣化が考えられます。Vベルトはエンジンの動力をエアコンやパワステなどの機能部品に伝えるための重要な部品です。ゴム製のため、長期間使用すると劣化して硬化し、摩擦が発生して音が出ることがあります。
修理方法
-
Vベルトの状態確認
まず、Vベルトが劣化していないか確認します。目視でひび割れや変形、硬化をチェックします。特に古い車や走行距離が長い車では要注意です。 -
Vベルトの交換
Vベルトが劣化している場合、交換が必要です。エンジンを停止した後、ベルトを外して、新しいベルトに交換します。交換時にはベルトの張力も調整し、過度に張りすぎていないか、適切なテンションであるかを確認します。
修理費用
Vベルト交換費用: 一般的な国産車の場合、部品代込みで約10,000円程度です。
推奨交換時期
車検時や3万~6万キロごとの交換をおすすめします。交換を怠ると、最悪の場合ベルトが切れ、エンジンが冷えずにオーバーヒートや、パワステが効かなくなるなどの重大なトラブルに繋がります。
フロントタイヤ付近から「コロコロ」の音
異音の原因
ハンドルを切ったときや走行中に「コロコロ」や「カリカリ」という音が聞こえる場合、シャフトブーツの破損が考えられます。ドライブシャフトのタイヤ側には、ハンドルやサスペンションのジョイント部を保護するためのシャフトブーツがあります。これが破れると、異物が内部に入り込んでジョイント部を傷つけることがあります。
修理方法
-
シャフトブーツのチェック
シャフトブーツに亀裂や破損がないか目視で確認します。破損していれば異物が入っている可能性が高いです。 -
シャフトブーツの交換
破損している場合、シャフトブーツを交換する必要があります。シャフトブーツを取り外して、グリースを補充した後、ブーツを新しいものに交換します。交換作業には車両をジャッキアップして、ドライブシャフトを取り外す作業が含まれます。
修理費用
シャフトブーツ交換費用: 一般的な国産車の場合、部品代込みで約10,000円~15,000円程度です。
推奨交換時期
シャフトブーツに亀裂や損傷がある場合、早急に交換が必要です。車検時などで劣化を確認したら、交換を行いましょう。異常が早期に見つかれば修理費用も安く済みます。
ブレーキを踏んだときに「ゴリゴリ」音
異音の原因
廃車ひきとり110番で廃車をご依頼いただく際にもよくありますが、フロントブレーキからの異音と考えられます。
ブレーキを踏んだ際に「ゴリゴリ」や「キュキュ」という音が聞こえる場合、ブレーキパッドの摩耗が原因です。ブレーキパッドが摩耗すると、ブレーキキャリパーの金属部分がローターと直接接触し、音が発生します。このまま放置すると、ローターが傷つき、最終的にブレーキの固着を引き起こす可能性があります。
修理方法
-
ブレーキパッドの状態確認
ブレーキパッドの残量を確認します。通常、新品のブレーキパッドは10mm程度の厚さがありますが、摩耗が進んで2mm以下になると交換が必要です。 -
ブレーキパッドの交換
摩耗したブレーキパッドはすぐに交換します。交換作業では、タイヤを外し、ブレーキキャリパーを取り外して新しいパッドに交換します。パッドの厚さが2mmを切った場合は、交換を怠らないようにしましょう。 -
ディスクローターの状態確認
ブレーキパッドの交換時にディスクローターもチェックします。もしローターに深い傷や摩耗が見られた場合、ディスクローターも同時に交換する必要があります。 -
ローター交換
ローターが損傷している場合、ディスクローターも交換します。ローター交換は、ブレーキシステム全体に影響を与えるため、慎重に作業を行います。
修理費用
ブレーキパッド交換費用: 一般的な国産車の場合、部品代込みで約10,000円~20,000円程度(パッドのみ)。ディスクローターを交換する場合は、約40,000円以上かかることもあります。
推奨交換時期
ブレーキパッドは3万~5万キロごとの交換が一般的です。摩耗した場合は早めに交換しましょう。
フロントディスクパッドやディスクローターも損傷しており、取り替えないといけない場合、一般的な国産車であれば、部品代を含めて40,000円以上しますので要注意です。
異音を放置するとどうなるか?
異音が発生した場合、放置すると重大な故障や事故に繋がる可能性があります。例えば、Vベルトが切れるとオーバーヒートやエンジン停止、パワステの故障などのリスクが高まり、シャフトブーツの破損による異物侵入は修理費用が高額になることもあります。また、ブレーキの異音を放置すると、最悪の場合、事故を引き起こす原因となります。
早期発見と早期対応の重要性
車の異音は、放置すればするほど修理費用が高くなることが多いです。特に、エンジンやブレーキ、タイヤに関わる異音は、安全面でも重要な問題です。異音を感じたら、できるだけ早く点検を行い、必要に応じて修理をしましょう。早期に発見して対処することで、修理費用を抑えたり、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
廃車のご依頼・手続きのご相談
異音が発生している場合でも、修理が難しく、廃車を検討される方もいらっしゃるかもしれません。もし、修理が高額になり過ぎて車の維持が難しいと感じたら、「廃車ひきとり110番」までご相談ください!