自動車新聞によると2010年の中古車輸出台数は約84万台というところでした。2009年は約67万台ですので25%のアップという状況です。2008年が約134万台であることを考えるとまだまだですが、回復傾向にはあることは間違いないようです。そもそも2008年から2009年への大幅な下落はシェア4割を占めていたロシア向けが中古車関税のアップや、日本車輸入規制が不透明で先が読めなかったために90%もの大幅下落を演じたことによるものが主因です。南米などの規制も影響しました。結局、いつ新規制が行われるかは現地の政府次第ですので、昨年まで海外にたくさん出ていた年式の車が急に出なくなったり、逆に急に高値で売買されるようになったり、ということはよくあります。輸出業者は規制が急に行われると在庫の車が急に出せなくなったり、あるいは市場が丸ごとなくなったりとリスクを背負って商売をされているのですが、問題ないときには相当な利益を出されるそうです。
もともと日本車の中古車の海外輸出に目を付けパイオニアメリットで利益を出されたのがパキスタンの方々で、今も自動車の流通段階ではかなりのシェア、いやオークション会場では貿易向けの車は9割がたパキスタンバイヤーの方が買っていかれるという状態です。仮に街中でパキスタン人に自動車関係のお仕事をされいていますかと聞いていただくとすぐに見つかると思います。なお、余談ですが多くの方が日本人の女性と結婚していていらしゃいます。
たとえば富山の国道沿いなどにはロシアの中古車売買が隆盛だったときにはパキスタンの方がロシアの方向けに出されている車屋さんがたくさんあったものです(今もあるかと思いますが)。異国で異国人向けに商売をする、、、頭がさがりますね。なぜこのようにできるのかというとやはり世界に散らばっているネットワークだそうです。アフリカでもパキスタンの方が精力的に活躍されているようで、一朝一夕でまねできるものではありません。
私たち廃車買取業者も含め、自動車業界の人間は必ずどこかでパキスタンの方とつながっている、そう考えて間違いないのではないでしょうか。