原油価格の下落などを受けて通貨ルーブルが急落したロシアでは、経済成長を背景に増えてきた高級車などを輸入するためのコストが急速に値上がりしていて、業界に大きな影響が出ています。
ロシアでは、原油価格の下落を受けて経済状況が悪化するとの見方からルーブル安が続き、16日、ルーブルは、ドルに対する価値が半年前に比べて一時50%以下に下落しました。
この影響を受け、経済成長を背景に、高級車や中古車を中心に外国からの輸入を増やしてきた車の輸入業者などにも大きな影響が出ています。
このうち、ロシア極東のウラジオストクにある自動車の輸入業者の関係者によりますと、ルーブル安に伴い輸入する自動車やその部品のコストがここ数か月で50%から60%増えているということです。
ただ、輸入業者は自動車販売店に販売する際、販売価格を5%程度の値上げに抑えていることから、輸入業者にとって利益は出ずに採算が合わない状態だということです。
このため、輸入業者は来年はじめにも自動車販売会社への販売価格を最大で50%程度値上げすることを検討しているということで、自動車販売会社は輸入車などの仕入れを続け営業を続けることができるかどうか危機感を強めています。
輸入車を扱う自動車販売会社のベルケエンコ社長は「輸入コストは今後、さらに高くなる見込みで、このままでは人員削減をしなくてはならない」と話しています。(12月18日 17時16分 NHKオンラインより)
このルーブル安の影響で想定されることとして、ロシア人バイヤーからの中古車、中古パーツ引き合いの低下による国内相場下落、支払い余力の低下による未払い案件の増加など中古車、中古パーツの輸出については何らかの影響があると思います。
ロシアは中古車の買い取り手として上位10か国のうちの一つ。影響がないとは言えないと思います。どちらかというとロシアには高年式の車両が輸出されていますのでそのあたりに影響が来そうです。
引き続き注視していかないといけませんが、プーチン大統領の見立てでは2年くらいロシア経済は低迷するとのことで、まだ先は長そうです。原油価格があがれば持ち直すのかもしれませんが、クリミア半島編入に端を発する一連の経済制裁が解除されるかどうかは、ロシアがいつまで耐えられるか、ひいてはロシア国民が政府に対していつまで耐えられるかにかかてくるのではないでしょうか。
個人的な見解でした。