廃車の買取価格に影響する鉄スクラップの価格が4ヶ月ぶりに上昇しました。夏場で鉄スクラップの回収が鈍り供給が減少したことと、アジアの取り引き価格が反発した影響。しかし、早速24日には大手電炉メーカーで取引価格を値下げするなど今後の方向は必ずしも上昇傾向にはない模様です。
指標となるH2の関東地区での買値はトン当たり28千円前後。最近は4月から2割以上価格が下落しており、廃車買取業者によると、値下げすると仕入れ台数に影響し、維持すると採算が合わないという状況に陥っている。
余談ですが長い目で見ると日本のスクラップ価格において大きく影響を及ぼしてきた需要国の中国が、国内の発生スクラップの供給で需要を補え、ひいては輸出国になっていくとみられています。日本鉄元協会がまとめた中国の鉄スクラップ消費量は2011年で1億2250万トン、これは前年から6割増。一方同じ2011年度の鉄スクラップ発生量は1億1570万トン、こちらも前年比6割増です。
そうなると日本国内の価格にも影響があるのは必至ですので、将来は廃車市場もがらりと様子が変わっているかもしれません。
追伸 8月30日
予想通り鉄スクラップ相場が下がりました。最近上がった部分が元に戻った形です。